0 伝説
星歴7000年、名もなき星―――
「魔法、物理、あらゆる攻撃が、あの特異モンスターには通用しない」
「ではどうすべきなんでしょうか?」
「倒すことができないなら捕らえるしかないが……」
「素早い上に、毒を散布する……」
「打つ手はない」
「この星は、まもなく崩壊する……」
「直ちに星外へ星民の受け入れ要請」
「はっ!」
「民を不安にさせないためにも、事実は伏せよ……」
「了解~!」
「こんなとき、伝説の男がいれば……」
◇◆
「お前には、人の心がないのか?」
魔法機関の任務中、オレはスパイに銃を向けていた。
威嚇として射撃を2発。
「ラウル、てめえ……いつから……」
「一連の事件で、遺体の一部が欠損していた事に誰も気が付かなかった様だが、オレは騙せないぞ」
「さすがはエリート、魔法学園でも成績トップの噂は伊達じゃねえなあ」
「……死ね」
「何だと……」
「ああ、質問なんだっけ? 良心の呵責? そんなん昼飯の時間には消えてんだわ」
ドン……と、まだ続くと思っていた会話の途中で2つの麻酔銃は左右の脚を貫いた。
「オレは学生時代、成績最下位だったぞ……まあ、もう聞こえてないか……」