リーゼロッテ♯8
テレサの案内を受け、リーゼロッテは館の階段を降り、館一階の奥にある浴場の脱衣場にいた。
ここまで案内という役目を負っていたテレサは既に退室しており、その去り際には、
「お嬢様、僭越ながら本日のお召し物一式をこちらにご用意致しました。今宵はどうぞこちらをお召しくださいませ。このテレサがお嬢様に見合う物を見立てておきましたので!きっとお気に召して頂けるかと!」
と、やたらに強調して申し立てていたのだが、リーゼロッテが現物を確認してみたところ、その理由がよく分かった。
「おいおい…めっちゃフリフリじゃねえかよ。どんな趣味してんだアイツ。」
テレサが用意したという着替えは、キャミソールと下着だったのだが、リーゼロッテが言うようにどちらも物凄くフリフリだった。
リーゼロッテは溜息をつきながら、キャミソールを手に取り、まじまじと見つめる。
しかしこのキャミソール、フリルがすごいだけでなく、その生地が極めて薄いものだったのだ。
しかも、淡いピンク色である。
また、下着に関してもフリルが凄いのは言うまでもなかったのだが、問題は布の面積が余りにも小さいことだった。
所謂ローライズというやつだろうか。もちろん淡いピンクでスケスケだ。
「……」
リーゼロッテは黙って着替えを籠の中に放り投げると、何事もなかったかのように服を脱ぎ始める。
まずはブラウスからだ。
ゆっくりと、少しぎこちない手つきでボタンを外していく。
ボタンが外れていくことで、ブラウスがはだけていき、次第に彼女の白い肌が露わになっていく。
全てのボタンを外し終えたリーゼロッテはブラウスを脱ぎ捨てた。
「よいしょ…」
その声と同時に、彼女は自身の胸を支えていたブラジャーのホックを外すため、背中に手を回した。
白い柔肌に良く映えた水色のブラジャーは、ホックを外されたことで主の胸を守るという役目を終え力なく垂れ下がり、ついに彼女の手によって宙を舞う。
ブラという最後の砦を失った双丘、いや二つの豊かな山はブラを外した反動を受け、大きく揺れた。
それはまるで見事な、たわわに実った果実のようだ。
リーゼロッテのまだ幼さを残す顔立ちには少しばかり不釣り合いであったが、彼女のその優雅な佇まいを肯定するかのように、色も形も大きさも全てが理想的なものとして、そこに存在していた。
しかしこれだけでは収まらない。
彼女は間髪入れず、今度はスカートをホックを外した。
彼女の女性らしく湾曲した腰によって支えられていたスカートは支えを失うと、重力に抗うことが出来ずにストンとまっすぐ地に落ちる。
そこに現れたのは、健康的な太さを保った両足だ。
むっちりと、肉付きの良い太ももと程よく筋肉のついたふくらはぎは、究極の曲線美をこれでもかと言わんばかりに自己主張している。
そして遂に、リーゼロッテは彼女が纏う最後の障壁、ブラと同じ色と装飾のショーツに手を掛け、少し前
屈みになり、ゆっくりと足元へ下していく。
その際に彼女の豊かな双山は重力に従い、大きく揺れる。
そんな山の揺れなど構うことなく、彼女はショーツを脱ぎ捨てると、これまで脱いできた衣服を入れた籠の中へと、無造作に放り込んだ。
「…よし、オッケー。」
リーゼロッテはそう呟く。
そして、文字通り一糸纏わぬ姿となり、浴場へと進む。
しかしその途中、浴場へと続く扉の前で彼女は立ち止った。
彼女の足を止めたのは、壁に備えられた姿見だった。
そこには当然、彼女の姿が反射して映っており、リーゼロッテはその鏡に映る自身の姿を見詰めていたのだ。
「やっぱり完璧だよな、俺の体。」
彼女は呟くと、自分の胸に手をやった。
「んっ…」
艶めかしい声は空間に響く。
彼女は自分の手が殊の外冷たかったことに気づかなかった為か、急な感覚に思わず声を出してしまったのだ。
しかし、リーゼロッテはそれに躊躇わず、その手に掴んだ豊満な肉の塊をゆっくりと上下に揺する。
「おぉ… 揺れる揺れる。」
リーゼロッテはまるで水風船で遊ぶかのような手つきで、自身の胸を動かした。
力の掛け具合で大きく形を変えるその胸は、見てくれでも分かるように柔軟だ。
「ん、はぁ… ってなにやってんだ俺。さっさと風呂入ろ。」
彼女は満足したのか、一頻り自分の胸で遊んだ後に、我に帰ったかのように手を止めると、長い銀髪をポニーテールにして纏め上げながら、浴室へと入って行く。
ちなみに筆者の好みはフリルではありません。