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ソルジャーズ・スカイスクレーパー  作者: オウサキ・セファー
第二章 トリカブトの華
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第35話 不屈の闘志

「いくぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」




激昂した樫木麻彩はレーツァンよりも私に向かって殴りかかってきた。

右手の拳を上げ、走りながら途中で姿を一瞬で透明にして。



相手のソルジャーの力を封じる私の目でも

奴が透明状態の時に姿を見る事は出来ない。



だが、全力で走ってくる足音から奴の動きは読み取れる。

レーツァンが樫木の動きを読んで見えない状態で殴れたのも、

その分かりやすい足音とソルジャーの"勘"の力ゆえだろう。



足音で捉え、勘を働かせて的確に動きを読む。



ソルジャーは常人よりも高い戦闘能力を持ち、持つ能力は様々。

ゆえに常人よりも高いポテンシャルがある。

その中でも"勘"の力は鍛えれば常人よりも相手の動きや気配を敏感に感じ、

読む事が出来る強力な武器となる。


それは敵の攻撃を瞬時に読んで避けたり、敵の気配や

ソウルのエネルギーを感じ取ったりする力。

そして、潜在するその才もソルジャーによって様々。

鍛え方によっても、その強さはソルジャーによって違う。



例え、明かりが背後の白いランプしかないほぼ暗闇に包まれている

薄暗いこの状況でも心を落ち着かせ音と気配を読めば、相手は見えているも同然。



今の樫木は上半身裸。だが、今回は樫木の身柄確保が最優先。

透明な相手にナイフを使えば致命傷を避けられる保障は出来ない。

JIAからも、また、殺人事件を追う警視庁からも樫木の身柄は重要視されている。

だったら・・・・・・



「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」



樫木の猪突猛進な掛け声が聞こえてくる。



来る・・・・今すぐにも私の目の前に・・・・そこを狙って・・・・・



「はぁぁぁっ!!!!!」



「グゴぉぉっ!!!!」



ちょうど樫木の拳が来るのを見計らって私は右手の拳で奴のいる方を直接殴りつけた。

当然、そこで私の能力が働く事で・・・・・



「ぐはっ・・・・・・!」



奴の能力が解けた。

私が拳を突き出した何もない場所に殴られて腹を凹ませた樫木が姿を現した。



「う・・・・・・・」



樫木は私のパンチで仰け反り、頭を下に向け、

腹を右手で抑えて怯んでいる。今がチャンスだ。



「せいっ!!!」



「グハッ・・・・・・・!」



私は自分の拳で怯む樫木の顔面を殴った。もう一発・・・・!



「こん野郎ゥ!!!!」



更に攻撃しようとすると樫木は怒って右手を高く上げて引っ掻くように

大きく振り下ろして反撃してくるが私は後ろに間一髪跳んで避ける。



「ウラァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」



すると再び樫木は息つく間もなく自分の姿を消すと、

雄叫びをあげて私に殴りかかってくる。

もはや叫び声と言動から、奴の粗暴な一面が剥き出しとなっている。



だが・・・・早いだけで透明になって姿を消しても居場所は分かるも同然。



私は樫木が向かってくる所をタイミングを読んで、再び右の拳を前に突き出した。



・・・・・・・。



・・・・・・・・・・・。




「はあっ!!!」



「グゥォ!!!ァァァァ・・・・・・!」



再び腹を殴られた樫木は蓄積されたダメージも相まってか、

腹を両手で抱えて痛そうにして動けない。



「クッ・・・・・・・!」



そこを・・・・・・



「はあああああああああああああっ!!!」




私が思い切り力をこめて奴の腹部の中央に拳をぶつける。

金色のソウルの光を帯びた拳を。

樫木は先ほどのレーツァンに殴られた時のように、

壁に穴が開いた先の隣の部屋へと豪快に吹き飛んだ。




「ブゥぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」





手応えは十分。並みの人間ならば、この時点で倒れて動けない。




「とうっ!!!」



が、しかし樫木は倒れず、吹き飛ぶ中、受け身で

グルっと宙返りをして華麗に体制を持ち直した。

両手の拳を前に構える樫木。



「・・・・・・勝ったと思ったか?

 二度は倒れんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」




そう叫びながら、再び全力で私に向かってくる樫木。

勿論、走る途中で体を透明にして。




心を落ち着かせれば、素早い攻撃も読める。

たとえ、見えない相手の攻撃も。

だが、彼の場合は音も相まって、動きが読みやすい。



動きが読めても手強い相手とは明らかに違う。




来る。私の顔面に。目の前に。





そこだ。




私は向かってくる奴の見えない拳を避けて、伸ばした左手で奴を掴む事で食い止めた。力をこめて。

能力を行使する私に手を掴まれた樫木はその姿がまた自然と露になる。

私が掴んだ手は奴の右腕だった。



「ぐっ・・・・なにっ!?」



「な・・・なぜだ・・・・!なぜ僕のこの最強の力がお前のような華奢な小娘に

 掴まれただけで解除される!?発動しているはずなのに・・・・」



樫木は動きが止まり、起こった事に酷く動揺し、戸惑っているようだった。

私に掴まれている右手も震える。空いている左手を使う事を忘れるほどに。



そして、私もこの手を離すつもりはない。

私は腕の力もこめて、離さないように樫木の右腕を強く掴んでいる。



「フッヒャ・・・・お前を部下に迎え入れて3年間・・・・

 ずっと裏方だけを任せておいたのがここで効くとはなァ・・・!」



後ろでレーツァンがしたり顔で笑う。

私も樫木と会うのは当然これが初めてだが・・・・

レーツァンはどうやら私の力を樫木には教えずに従えていたようだ。



「ぐっ・・・・離せ・・・・・!離せよ・・・・!!」



樫木は私に抑えられている右腕を力づくで

振りほどこうと右腕を上下に振り回す。



振り回されても離さない。



が、このままでは反撃を許してしまう。



私は今の状態を起点に反撃に徹した。私は空いてる右手を樫木に伸ばす。




「グハッ!!!!!!!」



まずは右手で樫木の右頬を殴る。

その後、奴の右腕を素早く両手で掴み、奴の体を

一気に宙に持ち上げて半径を描き、私の後ろの地面に思い切り強く叩きつけた。

日本で言うジュウドーのように。



「ウッハァッ!!!!!!」



叩きつけられた樫木は仰向けに倒れた。



「くっ・・・・・女に投げられるとは・・・・・!」



だが、すぐに樫木は悔しさを露に体を転がして起き上がり、

私の方を向いて両手の拳を前に構え、私に一歩一歩近づいてくる。

私も一歩一歩距離をとっていく。



「フヒャハハハハハハ、いいぞおフォルテシア!!!

 さぁ、樫木!!おれ様からのプレゼントだ・・・・」



すると樫木の背後から見物していた楽しそうなレーツァンが

黒と緑の濁った巨大なエネルギー弾を左手から溜めて飛ばしてくる。


その飛んでくるエネルギー弾は黒と緑が混ざり合い、燃え上がり、

こちらを飲み込むように真っ暗な大きく口を開けた

不気味な人の顔の形をしている。


それは、まるで巨大な不気味な怨霊のようだった。



エネルギー弾はちょうど床から天井までの高さ。

しゃがんでは避けられない。当たれば全身に受けてしまう。



「とうっ!!」



「あっ!!!」



口を開けて不気味な雄叫びをあげ、こちらを食らおうとする巨大な怨霊が迫る。

樫木は直前で左の窓際に跳び、私も慌てて彼を追って間一髪窓際の方に飛んだ。



ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!



巨大な怨霊、もとい巨大なエネルギー弾は私達がいる部屋の

奥の壁を食らい、その瞬間、大爆発を起こした。

衝撃からの吹き荒ぶ爆風に思わず、体を低くしてまぶたを閉じる。



避けるのが遅れれば危うく私に当たる所だった・・・・




「樫木・・・・フォルテシアばかり狙うのもいいが、

 おれ様のコトも忘れないでくれよ・・・?」




レーツァンは自分が開けた穴の前に立ち、樫木の退路を塞ぎながらも

まるで恋しいようにも楽しいようにもとれる事を言いながら見物している。

私も巻き込んだ事なんて彼にはどうでもいいようだ。



私もいる事でこれでこの部屋の窓際左隅に樫木は

追い詰められる格好となった。




「チッ、追い詰められたか・・・・・」




樫木を辺りをふと見回す。すると何かに目をつけて・・・・・



「にっ・・・・・・・」



ニヤリと不敵な笑みを見せる。




「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」




すると樫木が全身に力をためると薄い灰色がかった

薄色のソウルのオーラが彼の全身に燃え上がる。

薄色のオーラが樫木の闘志を熱くさせ、辺りを光で照らす。



ダメだ・・・・強い力で今は近づけない・・・・・・




「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」




全身に力をためた樫木は右手の拳を思いっきり

力強く叫びながら、その場の足元の床に叩きつけた。



そう、まるで地面を砕くように。それもそのはずだった。




ガチ・・・・・ガ・・ガ・・ガ・・・・・・・




ドシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



樫木が叩きつけた床には大きなヒビが入り、鈍い音が。

それらは次々と広がり、一気に崩落を始める。

崩落の中に樫木も飲まれ、そのまま砕けた床の瓦礫と共に

底が見えない闇に包まれた下の6階へと落ちていく。




いけない・・・・・樫木の狙いは・・・・・・




私もすぐさま崩落していく床に開いた真っ暗な穴に身を投じ、樫木の後を追う。



このまま放っておけば退路も自分の手で作られてしまう。

逃がすわけにはいかない。



飛び降りて着地した先は何もない広い灰色コンクリートの部屋。

使われていないオフィスビルは何もかも全て裸の状態に戻されているようだ。

広さは上の部屋と変わらない。だが、天井は高い。



「!?」



辺りを見回してみると、何かがこちら目掛けて飛んでくる気配を察した。

右にすかさず避けると岩が砕けたような音がした。



するとまた飛んできた。今度は左に避ける。

そして、ふと後ろを見ると何もない所から砕けた瓦礫の塊が

私の背後の壁の真下に現れた。



・・・・・樫木はどうやら透明状態になって、

瓦礫をこちらに投げつけて攻撃しているようだ。



そういえば、樫木の能力は自分だけでなく触れた物にも作用し、透明にする。

投げられた事で飛ぶ物もしばらくの間は奴の能力が作用し、透明になる仕組みか・・・・・




「もらったァ!!!!!」




「あああっ!!!!」



遠距離攻撃を警戒していたら樫木の鉄拳を腹に受けてしまった。

迂闊だった・・・・・私は吹っ飛ばされ・・・・・・



「しまった!」



仰向けで吹っ飛ばされた瞬間、右足を見えない何かに掴まれた。奴だ。




「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」




右足を掴まれた私はそのままグルグルグルグルと

何度も振り回される。くっ・・・・・・




「仕返しだ!!!!!うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」




力強く樫木に振り回された私は部屋の奥に投げ飛ばされるも壁に

ぶつかる前に体を宙返りさせて受け身で体制を立て直す。



が、その瞬間、



「デス・キック!!!」



遠くの天井に見える、私が降りてきた穴。

そこからレーツァンが黒と緑のエネルギーを帯びた右足を

前に突き出し、斜めに急降下して降りてくる。



だが、降りた先でバランスを崩さず突き出してる足から

丁寧に着地した。樫木は彼の攻撃を避けたのだろうか。



レーツァンの攻撃であたりは煙に包まれる。



煙が晴れるとレーツァンは私から見て、右を向いている。

相対する樫木もその反対にいるのだろう。

レーツァンは左側、樫木は右側で向き合っているのだろう。



「フヒャハハハハハハ・・・・!」レーツァンは右に避ける。



「上の部屋よりも暗い場所にフィールドを移す事で・・・・」左に避ける。

 


「そのカヴラよりも弱そうな筋肉で不意打ちを狙う作戦のようだが・・・・・おっと」また右に避ける。



レーツァンが喋っている間も樫木が攻撃を仕掛けてきてるのか、レーツァンは

喋りながら器用に右、左、右と素早く体を動かして見えない攻撃を避けている。

同時に、どこからか踏み込みの足音も聞こえる。間違いない。



「うるせェ!!!!!!」



ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



するといきなり見えない樫木の猛攻に対してレーツァンが

左手を出すと黒と緑のエネルギーが手元で大きく爆発した。



「ブゥぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」




何もない場所から断末魔が聞こえ、レーツァン前方には何もない場所から

黒と緑のエネルギーが煙のように立っている。



樫木は必ずそこにいる。何もない場所からは煙など立たない。

煙が立っている煙の集合体はゆっくりとレーツァンに近づいてくる。



そして、しばらくすると目の前にボロボロの体で立って少し背を低くし、

レーツァンを睨みつける樫木の姿が現れる。


頭からは既に出血しており、額から顎まで赤い血が流れている。

ハァ・・・ハァ・・・と立ち尽くしながらも疲れた息つきをしている。




「・・・・僕は諦めないぞ!!!ハァ・・・ハァ・・・

 あんた達二人とも捻り潰し、日本の教育を変えて・・・・

 この恨みを晴らすまでは・・・・・!」



依然、強い信念を持つ樫木はレーツァンの方を

その鋭い目で見ると右手の拳を・・・・・・




「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」




先ほど上の階でやったように、再びその場の灰色の床に力強く右手の拳を叩きつけた。




ガツガツガツガツガツガツガツガツ・・・・・・



拳が叩き込まれた床から大きなヒビが次々と入る音が聞こえる。

同時に多少の揺れを感じた。



「またそれかよ・・・・・同じ手が二度も通用すると思うなァ!!!」



レーツァンがそう言って左手を前に攻撃に乗り出そうとした直後、



「ぐおっ!!!!」



樫木はレーツァンの腹に素早く痛烈な頭突きを食らわせた。



ヒビが入る音が少しずつ大きくなっていく。

レーツァンは仰向けで少し吹っ飛び、そして・・・・・



ドシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!



レーツァンが落下しようとしてる床がちょうど崩れ落ちる。



「バーイ、ボス。あなたにはお世話になりました」



樫木は元上司である彼を軽く笑った。



「テメェ・・・・・樫木・・・・・・

 うぉあァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」




爆発のような怒号と共に突如崩落し、床が崩れ落ちる。

レーツァンは崩れる瓦礫と断末魔と共に暗い闇の底へと消えていった。



樫木のいる右側には先ほどよりも大きな穴がぽっかりとあいている。




更なる奥の手を出してきたか・・・・・

奴の床割りもデタラメにやっているわけではないようだ。



対象を狙って、床を砕きこのような地割れを引き起こした。

自らの体を透明にする弱点はカバー出来ていなくても、

力の制御は出来ているという事か。



ただ、奴のあの拳はもはやただ強い拳ではない。

戦っていて、またレーツァンとの戦いを見ていて、その拳の力の源が分かった。




それは、並々ならぬ憎悪と怨恨、怒りを根源にそれを糧とし、引き起こされる力。

その力を帯びた拳は、たとえコンクリートだろうと破壊してしまう。

それぐらいにまで、樫木の思いは強くなっている。


ソルジャーの力はどんな強い心にも作用する。

強い心、つまり思いを持てば持つほど、それは闘争心となって力を増大させる。



留まる事を知らない彼の中の憎悪と怨恨、怒りが彼を奮い立たせ、

どんなに傷を負っても立ち上がる気力を保たせている。


そして、それは彼の歪んだ正義を遂行するための柱となっている。



その実態はまさに、この日本の学内で繰り返されてきた悲劇が蓄積し、

同時に自分が受けた仕打ちから来る"復讐"という歪んだ正義の結晶そのもの。





ともかく、奴は力だけならば"強い"。

だが、強い憎悪と怨恨のあまり己の力に酔いしれ、溺れるあまり、

満足してしまい、慢心し・・・・自分の力を飛躍的には高めていないようだ。

高めているのは復讐対象を自分の手でねじ伏せるための身体能力だけ。


現に、彼は自分の力を"最強の力"と豪語し、体を透明にする力を持ちながらも

物音を立ててしまい、結果、傷口を広げている。


動きも気配と一緒に容易く読まれてしまっている。

ソルジャーに気配と動きを読まれないための隠密の工夫も殆どない。

それが何よりの証拠だ。



すると樫木はレーツァンが落ちたのを見届けると私の方を向いて歩いてくる。

狂気的な笑みを浮かべて。



「次はお前だ・・・・・か弱い女だろうと

 僕にあだなす奴はみんなこれで分からせてやる。僕が正しいって事をね・・・・!」



樫木は右手の拳を自分の胸にあて、笑みを浮かべてそう言った。

その笑みはこちらを叩き潰す狂気に満ちていた。



私はすぐに樫木を迎え撃つべく、投げナイフを

両手で三本ずつ懐から出して指と指の間に挟んで持ち、身構えた。



また透明になるのだろうが、致命傷さえ与えなければいい。工夫しなければ。



とにかく、今は彼を早く止めなければならない。



どんな行動を仕出かすか・・・・分からない。


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