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ソルジャーズ・スカイスクレーパー  作者: オウサキ・セファー
第二章 トリカブトの華
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第14話 生き残り

いやー、しっかし、まさかこんなに早く所在が判明するとは思わなかったな・・・・



川崎での第七の殺人、諸木坂殺しから三日後。今日は4月13日の木曜だ。

空も晴天、散り始めたサクラもまだまだ現役な公道で、

俺は部下の川口、新田と共に三人で東京港区のある場所に向けて車を走らせていた。


俺がこの赤ランプがついた黒い車を運転し、

川口を助手席に後ろ座席に新田を乗せている。


助手席に座る川口はやせ型で俺よりは若い刑事だ。

一方、後ろに乗ってる新田は俺らよりも背が高く体格もある。

さすがにこの車の天井に頭ぶつけるほどじゃないが・・・・


俺達が向かっている場所は他でもない。

JGBと警察の合同会議で名前が挙がっていた、

新潟のイジメ自殺事件の加害者の一人にして唯一の生き残りである新直尚隆シンジキ ナオタカ



彼の現在の所在地をJGBの諜報部よりも先にこちらが突き止めた。

新潟で殺害された二人と違って、彼は意外にもこの東京にいた。



場所は港区の神谷町のとあるマンション。今、そこへ向かってる。



無論、俺らが直接見つけたわけではない。



始まりは新潟県警が新直の足取りを奴が通っていた

中学から順に追っていった事からだった。

そして、最終的にこの場所に辿りついた。


奴は中学での騒動後、児童相談所や家庭裁判所などの世話になり、

新潟の高校にどさくさに紛れて進学、高校を無事に卒業後、

バイトを転々とし、地元企業に就職。

それで現在はその会社の支部がある東京に転勤し、住んでいるらしい。



新直、鬼築、武高川・・・・彼ら三人は同じ中学から

それぞれ新潟の別々の高校に進学している。

同じ学校に揃わなかったのがある意味、

高校の関係者や同級生にとっては幸いと言うべきか。



・・・・・だが、所在が掴めたからといって安心してはいけない。

むしろ、ここからが正念場だ。

そう、安否がまだ不明だ。安否確認が済むまで油断してはいけない。

俺達はそのためにそこへ向かっている。



既に諸木坂が殺されてから三日という空白が空いている。

犯人ホシがこの三日間の間に新直を殺害していたとすれば、

結局捜査はふりだし戻りだ。


犯人ホシは2015年2月に起こった新潟、更に2021年10月に群馬で

起こったイジメ自殺事件の加害者と彼らに味方した人間を

殺しながら日本列島を悠々と闊歩してやがる。


そして、その捜査線上に浮かび上がる犯人の思惑が『イジメ自殺事件の加害者への復讐』。

一人の少年の命を絶たせたのは実際にイジメを行った加害者だが、

犯人ホシにとっては彼らにとって事態を有利に動かした奴らも加害者なのだろう。

そんな犯人ホシが新潟で二人を殺しておいて新直をそのまま生かしておくとは到底思えない。


そして、その犯人はどんな方法を使っても必ず、新直の場所を突き止めて殺しに来る。

上の出したその考えは俺も同じだった。



正直な所、これで逃せば現在の情報では犯人ホシの次なる

ターゲットを推測する事も難しい。

新直が殺されれば、新潟の加害者は残らず全滅した事になる。

群馬は既に全滅させられている今、新直との接触に全部かかっている。



仮に新直が殺されていた場合、既に警視庁とJGBでそれぞれ行われている

過去のイジメ自殺事件を掘り返したり、既存の情報をもう一度探り直す所からやり直しだ。

そしてグズグズしてる間にも正体不明の殺人鬼が再び犯行を行う隙を与えかねない。



JGBの諜報部も新潟、群馬の両事件掘り返すのにも相当苦労したらしいからな。

新潟で内部告発者がいなかったらこの活路は見い出せなかっただろうし、

群馬の事件に目がいく事もなかっただろう。


教育統制委員会が真実を根こそぎ隠蔽したりとかするから、

諜報部はコネクションがある裏情報に詳しい情報屋や探偵事務所も使う手にも及んだようだ。

警視庁でのJGBとの合同会議で奴・・・荒城がそう俺達の前で説明していたのを覚えている。

中には消え去ったはずの情報を復元して掘り出してくれる所もあるそうだ。



刑事部長が相変わらず機嫌悪そうだったな。ありゃ、内心笑っちまった。



JGBは基本はソルジャーという通常の人間とは

また違う奴らの犯罪を担当してる組織だけあって、

俺達警察と違ってそういう血生臭い所にも隠れたコネクションがある・・・・



全く、諜報部さまさまというよりも理由はどうあれ、

数少ない情報を短時間で提供してくれる奴さまさまだ。



にしても、一人殺しているにも関わらず法的責任も

少年法によって免れた奴を助ける事になるとはな・・・・・複雑だ。


法的には罪を犯してはいない彼らも守るべき市民と同等と割り切る他ない・・・・

ぶっちゃけた話、犯人が自分の人生フイにしてまで

そんな奴らを殺したくなる気持ちも半分、分からなくもない。



因みに新直の身辺警護の担当は俺達じゃない。

俺達はただ、新直の安否確認と彼から話を聞くために向かっている。

安否確認がとれたら身辺警護をするのは無論、戦闘に秀でたJGBだ。


犯人ホシがどんな奴か分からない上、

ここまでの犯行を考慮しての結果だそうだ。

刑事部長が気に食わない顔していたな・・・・・

もし、刑事部長がより上の立場だったらどうなってたか。



さて、と・・・・・そろそろ目的のマンションが見えてきたか・・・・・・



広い公道から狭い道に曲がって住宅街へと入り、

車を走らせていると手前に大小様々な一軒家やビルなどの建物の屋根が

顔を出してる奥に一際目立つ縦長の薄い茶色いレンガ状の建物が

そびえ立っているのが窓から確認出来た。広い敷地に建てられている大きなマンションだ。



俺達はマンションの地下の駐車場の来客用のスペースに車を止め、

新直の住む5階の部屋目指して歩き始めた。



このマンションは車で進んできた地下と地上を繋ぐ坂道から駐車場を出ると

右手には正面がガラスで出来た立派な自動ドア、エントランスゲートがある。


俺達は外に出ると正面の三段の階段を上がり、ガラスのゲートを通る。

マンションのエントランスにはオートロック装置がついており、

装置を見て顔を上げると壁には簡単なこのマンションの地図が

書かれた銀の板が白い壁に貼ってあった。全9階建てのマンションのようだ。



俺達は新直に会うため、事前に住所と共に調べてある彼の部屋番号を

エントランスのオートロック装置に入力した。




ピンポーーーン。俺が装置の呼び出しボタンを押すとインターホンの音が辺りに響く。




「なぁに?」




どうも不機嫌な男の返事が返ってくる。



「失礼します。我々は警視庁の者なのですが」



川口が横からインターホンに向かって話しかけた。





「警視庁捜査一課の蔭山です。新直尚隆さんですか?」




「そーだけど?」



「少し話をさせて頂きたいのでひとまず、開けてくれませんか?」




ガガガガガ・・・・・・・





そのまま無言で扉が左右に開いた。とりあえず、話は出来そうだ。

俺達はそのままオートロック装置のとこにあったマンション内部の

地図を頼りに新直の部屋を目指した。


マンションの内部中央には小さな中庭がある。

中庭の回りは各マンションのエリアへと続いており、中庭の回りを

9階建ての薄く茶色いレンガ状の壁の縦長いマンション群が

四角く囲んでいる構図といった所だ。


中庭は通行路以外は芝生で出来ていて、地形が少し盛り上がっている中央には

先端が際立つ岩柱のモニュメントがあり、回りに丸い湖が広がる。


通行路は赤いレンガで出来ていて、湖から各エリア、

エントランスをつなぐ。幅も広く狭くない。


新直の部屋は奥のエリアの5階、俺達は中庭を通って奥のエリアにあるエレベーターに乗った。

部屋へ向かうための通路も風通しをよくするためか、

各階の廊下から中庭を一望出来る作りになっている。

なかなかいいマンションに住んでるじゃないか・・・新直。



そして、新直の部屋の前に着くと『Sinjiki』と書かれた白い表札から

ここが新直家である事を再確認するとインターホンを押した。



ピンポーーーン。



音が響いて少しするとドアを開けて左手で頭かきながら

不機嫌な顔で出てきたのはジーパンに黄色いシャツ、

丸いメガネをかけた黒い短髪の男だった。




「あなたが新直尚隆さんですか?」俺は確認がてら名前を尋ねた。




「ああ、そーだよ」



彼は無愛想な表情で左手で髪をかいた。声からして間違いねぇ。




「警視庁捜査一課の蔭山です」



「川口です」



「新田です」



俺達はコートから警察手帳を取り出し、彼に見せて名乗った。



「警察が来た理由ももう分かってるんだからな。あの例の連続殺人だろ?」



「ほう・・・・」俺は息をついた。織り込み済みか・・・この事態を。




「ニュースや新聞で見たけど、新潟で殺されたのが

 昔馴染みの鬼築と武高って時点で悟ったよ。

 殺人犯はオレに報復するために殺しに来るかもしれないんだろ~?」



ドアを大きく開け、背を背けたままポリポリと左手で

頭をかきながら呆れたような表情で語る新直。



「今はその可能性が極めて高いと言っておきます。三日前、川崎で同様の殺しがありました。

 犯人もまだこの関東にいるかもしれない・・・・が、もう安心です。

 あなたの身辺警護はJGBが務めますので」



「やっぱりね。だけど心配される必要はないよ」



「は?」それはどういう事だ・・・・?



「襲撃されても返り討ちに出来る準備だけはしてんだ。立ち話も難だ、入りなよ」



そう言ってこちらを招き入れる新直。

言われるままに俺達は玄関で靴を脱いで、新直の自宅に足を踏み入れた。


部屋の中は天気のいい外に反して薄暗く、カーテンも思い切り閉めている。

ドライヤーやスマホがついた充電器、手鏡など色々な物が

部屋の床を覆う灰色のマットの上に散乱している。


その真ん中にモノクロのテーブル、その上にシルバーのノートパソコンが広げてある。

空になったコンビニ弁当のゴミを入れた口を開けたゴミ袋も一つ。

奥にはクッションのように低い白いソファーがある。


テーブルの下には金属バットに野球用ヘルメットもある。


いかにも若い野郎らしい部屋と言った所か。



「住んでるのは君一人か?」



オレは中に入るや彼に訪ねる。もう普通の口でいいや・・・

こんな奴に敬語なんか使わなくてもバチなんか当たりゃしない。



「そーだよ。見りゃ分かるだろ。

 東京に越してきて3年前からここに住んでる」



「君、職業は何をしてるんだい?」俺の傍らにいる川口が尋ねる。



「近くの会社に勤めてる。新潟に本社あるんだけどいい会社さ。

 これでもプログラマーなんでね。今はこうして家で仕事して、

 近くのオフィスにも時々出勤してる」



俺が話を訊き、川口や新田がメモを取る。

なるほど。だからノートパソコンが家にあるのか。



「プログラマーってどんな仕事してるんだ?」

俺はノートパソコンを見て、新直に尋ねた。



「単純だよ。システムエンジニアが作った設計を

 元にプログラム作って、デバッグする」



「デ、デバッグってなんだ?」俺は戸惑いながらも新直に訊いた。



「作ったプログラムを試しに動かして、バグを取り除いてくんだよ」



「ほう・・・・プログラマーってのも大変なんだな」



なるほどな・・・・・

どうやら、喋り方はひねくれてるが、

仕事は真面目にちゃんとやる人間・・・・のようだ。



とりあえず、これ以上話すと俺もあまり得意じゃない

IT関係の話になっちまうからさっさと本題行くか。

こういう話は学生時代の苦い思い出がよぎる・・・・


因みに俺はIT関係はそこまで詳しくない。

せいぜい、パソコンも基本操作が出来て文書を作る最低限な程度だ。

さあ、本題だ、本題。



「なあ、さっきはなんで警視庁やJGBの助けもいらないって言ったんだ?」




「いきなりそっちかよ・・・決まってるだろ。

 その犯人をぶっ飛ばせばいいだけの話だからさ」




すると新直はテーブルの下にあった野球のヘルメットを

取り出して頭に被り、金属バットを携えてこちらにやってくる。




「犯人来ても大丈夫さ、来てもこのバットで・・・バーーン!!とかっ飛ばしてやるから」



バットを両手でもって目の前で大きくボールをかっ飛ばすポーズを

誰もいない方向へと自信満々に、俺達に見せびらかすようにかます新直。


そして、バットを右手で右肩に置いて担ぐ。



「どうせオレはそういう物騒なのを持った奴が動く時間帯は徹夜してるし、

 来ても大丈夫。窓だって鍵閉めてるし、正面からしか入ってこれないだろうが。

 コイツでぶっ飛ばしてやるよ」




・・・・・何とも言えねえ・・・・



コイツは・・・・・・舐めてんなあ。




俺は黙って川口、続けて新田の顔を見た。二人ともウンと頷く。

二人も奴に対する考えは同じなようだ・・・・・やれやれ・・・・



「警察とかJGBの助けとかいらねーからさっさと帰ってくんない?・・・・ふぁ~~~~っ」



大きく目の前で口を開けてあくびをする新直。

呑気な様を見せびらかしているかのように。



全く・・・・呆れて物も言えない。ため息も出ない。

コイツはハエ退治みたく、自分の手で殺人犯をどうにかするつもりらしい。



言うまでもなくここで素直に帰るわけにはいかない。

ちょっと教育が必要なようだ。俺は彼に怒鳴らず、鋭い口で反論する。



「悪いが、それは出来ない」



「は?」



「警察官ではなく年長者として言っておく・・・・

 君がやろうとしてる事は無謀の一言に尽きる」



「・・・・・・・!」



「だいたいこれは君一人でどうにか出来る問題じゃない。

 俺達がやってる事はごっこ遊びでもゲームでもないんだ・・・・現実を見ろ。

 既に7人の人間が殺されてるんだぞ」



「くっ・・・・・・・」



「戦闘訓練も積んでいない一般人の君が挑んでもまず勝てない。

 それよりも君は自分が死んで残された家族の事考えろ・・・・ぜってえ悲しむぞ?」



「・・・・・・・・・・。」



「君が子供の頃にイジメ自殺事件に巻き込まれた時も、

 君の親は君の事を大切に想っていたからこそ支えてくれてたんだろ?分からないか?

 親や周囲の大人が何とかしてなかったら今頃君はこんな

 のうのうと暮らせてるわけねぇ・・・・一生施設の中だ」




「なっ・・・・・・・!」新直は目を丸くし、動揺する。




「親の事、少しはありがたく感謝してるのならそのバット降ろせ」




俺が厳しく言葉を一つ一つ浴びせていく度に新直は唇を噛み、

表情が余裕な物から不安と焦りが出た動揺した物へと変わっていく。


コイツの親がどんな親かは正直分からねえが、犯罪にならないとはいえ

あんな大事件を起こしてるんだ、学校で例え大人達に守られても

身近な同級生からの孤立はどう足掻こうが避けられないと思う。


自然と距離を取られ、敬遠されるだろう。それは学校も社会も同じだ。

そして、残された心の拠り所と言えば当然家族しかいない。




新直には既にもう先ほどまでの突っかかるまでの気力はないようだ。

今にも泣きそうで複雑な顔で悔しそうな目でこっちを睨みつけている。



奴の右手からバットがポロっと落ち、足元で転がる。



「・・・・・・・・わ、分かったよ・・・・オッサン・・・・・

 大人しくしてれば・・・・・いいんだろ?」



『よし、それでいいんだ』と俺が口に出そうとした時だった。




「ただな、一つだけ・・・・・これだけ言っておく・・・・・」



新直は下を向き、目の前を向かずに静かに口を開いた。



「なんだ?」



「あの事件の事だけどな・・・・マサキは勝手に死んだんだよ?

 ただ皆で遊んでただけなのにどうして死ぬのか、どうしてオレ達が

 悪者扱いされなきゃいけないかホント訳が分からなかったよ」




「はァ!?今更何を言って・・・・・元はと言えば・・・・」





「オレ達が悪いって言いたいんだろ!?

 だけどよ・・・・オレ達は全然悪くねえ!!悪いのは全部死んだアイツだよ!!!」




怒鳴る声と共に新直が顔を上げると奴の顔は怒りの物へと変わっていた。

さっきまでのプログラマーとしての目はどこにもなかった。



「楽しくってしょうがなかったんだよ、マサキは弱虫だし、友達もいないし。

 アイツと遊ぶのは最高に楽しかった・・・アイツが泣いたり

 嫌がる姿を見るのがオレ達の楽しみだった・・・!

 だから自殺した時もがっかりだったよ・・・せっかく友達になれたのにさ。

 なんで死んじゃうかな・・・・」

 



「オレがこんな目に合うのも全部マサキのせいだよ。アイツが死んだせいでオレ達は悪者扱い、

 鬼築と武高も殺された・・・・みんな何もかもマサキのせいなんだよ!!!!!」




「お前なぁ・・・・・・!」




「警部!!気持ちは分かりますが・・・・・」



怒鳴って反論する新直に、俺も応戦しようと反論しようとした途端、

察したのか川口に前から取り抑えられる。



「離せぇ川口!!コイツは・・・・・」




「警部、もう我々の用は済んだんですから帰りましょうよ!!!

 オレ達まで警部の厄介事に巻き込まれるのは御免ですよ!!」




「くっ・・・・・・・」




川口に抑えられ、新田にも止められる。

暴れても抑えつけられる・・・・・



くそっ・・・・・ある程度、予想はしていたがやっぱりかよ。

こんなに腹の虫が収まらない事を言う奴とはな・・・・


自分達がこうなったのは死んだマサキのせいだ?

いじめたお前らがいけないんだろうが・・・・・


じゃあ、施設に世話になった時はいい子ぶってたって事かよ・・・・

人間、腹の中までは探れないというが・・・・・

ああ・・・・考えれば、むしゃくしゃする・・・・・



俺は怒りの眼差しを新直に向けた。




「オッサン。まだ何かあるのか?」




「・・・・・・ねぇよ」




コイツのさっきの言葉を思い出すだけでも奴に何か言ってやりたくなる。

・・・・・が、川口らの言う事も最もだ。

ここはひとまず、川口らの言う通り、この暴走したくなる精神を何とか腹の底に抑える。



コイツの頭の中の電子辞書には恐らく、『反省』という

学びに直結する言葉はないんだろう。



自分達がした事に対して、悪びれる様子もない、反省しようとも思わない。

事の重大さをまるで分かっていない。

そうじゃなきゃ、あんなにトボけた事が平然と口に出るわけがない。


それは19年という長い時が経っても変わる事がないようだ。

だから、バットで犯人殴り倒すとか生意気な事を言ってるんだ。



奴の連絡先を訊いた後、俺達三人は大人しくこのマンションを後にした。



ああ、ムラムラする・・・・・19年も経って、

プログラマーの話を聞いた辺りは真面目に仕事してると思ったが撤回!



卑劣なイジメの加害者としての根本的な所は何も変わっていないようだ。



ま、ともかく後の事はフォルテシアに任せるとするか・・・・




久々に本気の本気でキレちまった・・・・・

後で美味いメシでも食いたいぜ・・・・全くよ・・・・



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