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ソルジャーズ・スカイスクレーパー  作者: オウサキ・セファー
第一章 シルバークライシス -少女の慟哭-
26/120

第25話 最後の抵抗

「おのれ……姑息な真似を……フォルテシアめ……!」


 フォルテシアさんに真相を暴露されたスケアクロウは唇を噛み、目は怯え、動揺し、顔からはダラダラと汗が流れ出ていた。

 それはそうだろう、最後の切り札にして必勝のカードを失ったのだから。


「姑息なのはあなたです。歩美さんを誘拐し、大勢の人々の命を盾に脅し、危険にさらそうとする……姑息を通り越して卑劣極まりません!!」

 彼を論破するように鋭く放たれたフォルテシアさんの言葉。


「ぐ……おのれぇ……おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれ……」

 ぼそぼそと早口で呟くスケアクロウ。


「おのれェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」


「えっ!?」

 一瞬、寒気と共に体に衝撃が走った。

 突如、狂って不気味に叫ぶスケアクロウから溢れ出て激しく燃え上がる藁色のソウル。そのソウルが激しさを増し、彼を黒いベールに包み、禍々しくその姿が変貌する。


 それはムキムキと巨大化し、黒いベールとソウルの光を打ち破る。打ち破った瞬間、思わず反射的に目を瞑ってしまう。

 が、中から現れたのは先ほどのマントを纏った姿とはおよそ見当がつかない、巨大な案山子の大巨人だった。

 カヴラやスコルビオンよりも更に大きく、私達を影で覆い尽くすほどまで巨体だ。


 胴体そのものはやせ型、だけど両腕は先ほど、私を痛めつけていた巨大な藁の柱並みに太い。手の部分から長い指が4本、足の近くまで伸びている。

 肩には固定用と思われる尖ったトゲがついた鋼のリングとベルトのように同様のリングが腰につけられている。

 頭には先ほどまでのスケアクロウが被っていた茶色いハットがちゃんと合うサイズになって乗っかっており、口はキザギザした形で特に目は禍々しく赤く不気味に光っている。

 また、背中からは藁で出来たトゲトゲが顔を出している。


 腹部には何者かに大きく爪で右から斜めに引き裂かれた痕のような傷が四本ある。それは当然、私が先ほど突き刺して出来た傷じゃない。

 その傷の穴はその傷の少し斜め上に見える程度だ。爪のような物で大きく引き裂かれたような形をしているその傷……それを見た私は、スケアクロウとここで対峙した際に彼が言っていた事を思い出した。


『ハッハッハッ、ご名答!!分身は作ってしまえば、動かせますからねぇ。用意周到こそが私のやり方です。そもそも関西でちょっとヘマをした事で私はJGB(ジェージービー)から追われる身となりました』

JGB(ジェージービー)関西本部の本部長、織田英雄にやられてしまいましてね……ハハ、しかし、命からがら逃げて辿りついた東京で出会ったあるお方にこう言われたのです』

SASAGI(ササギ)から1000万円巻き上げれば、私の安全と関西で負った怪我の治療を約束してくれるってねえ……この事件はそのために起こしたゲームなのですよ。いやあ、にっくきJGB(ジェージービー)も翻弄出来て楽しい限りでしたよ』


 関西で負った怪我というのは、あれの事だったんだ……じゃあ、あの傷は……織田英雄っていう人がつけた傷……

 と色々考えている暇はない。


「ジュロォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!!!!!!」


 案山子の大巨人に変身したスケアクロウは怪獣のような身震いする咆哮をあげる。その衝撃が風となって私達を襲う。

 その姿はまさしく、見てそのまま恐怖の(ドレッド・)案山子(スケアクロウ)だ。

 フォルテシアさんも帽子の先端を右手で抑えており、吹き飛ばされないようにしている。奴の咆哮で白いコートのマントが吹きすさぶ風でなびいている。私の長い銀色の髪も同じくなびく。

 能力で出してきた案山子のモンスターよりも遥かに大きく、体の各パーツも太く、恐ろしい姿をしている。

「な、なんなの……これ……」


 歩美も茫然とした顔でその恐ろしい姿を目の当たりにしている。

 私だって怖い。私もその姿を見て、全身にかなりの寒気が走った。こんな正真正銘の化け物になるなんて、思ってもなかった。


「フォルテシアさん、これは一体どういう事なんですか!?」

 私はすぐ傍にいたフォルテシアさんに訊いた。

「奴から溢れるこの凄まじい力……これが奴の能力の正体です」

「これが……!?」


「ええ、奴の能力はただ藁を操る能力ではなかったのです。実際はスコルビオンやカヴラと同じ……案山子人間の能力を持つソルジャーだったという事です……!」

「ええええええっ!?」

 ここまで来て、私はスケアクロウが藁を操る技を使っていたのもその能力の一部にすぎなかったという事を思い知らされた。


 これがスケアクロウの……さっきのカヴラの見せたものとは明らかレベルが違う。スコルビオンのあの姿とも比べ物にならない。

「……ですがこんなの……異常です。強力すぎじゃありませんか!?」


 前の二人よりも明らかこの姿はあまりにも異常で禍々しくおぞましさが凄い。一体、どういう事なんだろうか……私はフォルテシアさんに問いかけた。

「動物等をモチーフにした姿に変身出来る能力を持つソルジャーの中には、より強力な形態へ変身出来る者もいるのです」


「……しかし、それをひとたび行使すれば、自我と保つのも力の制御も非常に困難で暴走のリスクが高い引き換えにとてつもない力を発揮します。それがこれです」

 そんな……まさかそんな上の能力があっただなんて……


「止める有効的な手段は何かないんですか!?」

「倒すしかありません。暴走するほど強大な力を持つソルジャーを抑え込むにはそれしかありません」


「こんな化け物……倒せるんですか……?」

 どうやら、私は奴の本当の力を知らないで今まで戦っていたようだ。

 コイツは爆弾以外にも、もう一枚カードを持っていたという事……今まで私と戦った時にこの姿にならなかったのも暴走を危惧して、だったんだろうか。

 スケアクロウが土壇場でこのような姿になったのも、奴の最後の賭けでもあり、抵抗なんだろう。爆弾による脅しの策が失敗し、追い詰められたのだから。


「ジュロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!! ジュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオン!!!!!」


 スケアクロウの両手にそれぞれ伸びる長い四本の指。それがマシンガンの銃口のように私達に向けられ、咆哮と共に私達を雨のような無数の藁で狙い撃つ。


 バババババババババババババババ!!!!!!!!!


「歩美さん、零さん!!!! 私の後ろに!!!」

「どうして!?」

「早く!!!!」


 尋ねる私にフォルテシアさんの必死の声が飛ぶ。

 私と歩美はフォルテシアさんの後ろに素早く逃げるとちょうど、フォルテシアさんは両腕を前に広げ、私達を庇うように盾になった。

「危ない!!! フォルテシアさん!!!!」

「私は大丈夫です。はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


 私達に襲いかかる無数の藁。それは奴が人間形態の時に使ってきた技、藁の機銃(ストーガン)をより強力にしたものだった。

 巨大な四本の手から一斉に撃つそれは攻撃範囲が格段に広がり、より強力になっている。


 このままだとフォルテシアさんが危ない……しかし、両腕を広げて私と歩美を守ってくれるフォルテシアさんの体をほんわかな暖かい金色の光が包み始める。

 なんと、襲いかかる無数の藁はフォルテシアさんを包む金色の光によって全て完璧に防がれ、消えていく。

「えっ!?」


 私と歩美は目を丸くした。フォルテシアさんには全く、傷一つないどころか、ダメージがない。スコルビオンの時と同じ、ダメージを負う事なく攻撃を完璧に無効化してしまった。

 これがフォルテシアさんの能力なんだろうか。ジーナさんの言葉を借りれば、『能力に過信してる奴ほど恐ろしい』というあの……


 そうしてフォルテシアさんが庇ってくれる中、スケアクロウは両手で藁を私達を撃ち続けるのをやめ、

右手で私達を撃ちながら左手を伸ばす。

 左手の長い四本の指の銃口はジーナさんと戦っているカヴラの方をそっと向いた。


 ジーナさんは依然、カヴラと交戦をしていた。

 カヴラも、剣を持ったジーナさん相手に傷つきながらも素手でまだ互角に戦っていた。かなり血だらけでダメージを受けているが、それでもカヴラは倒れない。


「シャァァッ……ハハハァ!!! スケアクロウ、とんでもなくすげえ姿になったじゃねえか。どうした?加勢してくれんのか? だがおせっかいはゴメンだぜ、この女はオレがみっちり殺るからなァ……」

「ジュロオオオオオオ……!」


 ババババババババババ!!!!!!!


「ぐああああああああああああああっ!!!!」


 話しかけてきたカヴラに挨拶代わりと言わんばかりにスケアクロウの左手の4本の指から無数の藁が放たれる。

 カヴラの大きなキングコブラの腹の真ん中を的のように、撃って、撃って、撃ちまくる。

 それだけに留まらず、スケアクロウは私達から視界を逸らし、そのまま太い脚で大股でのっしのっしと歩き出し、カヴラの前まで行き、立ち止まった。

 ジーナさんがすかさず、背後から歩み寄ってくるスケアクロウを反射的に避けると、スケアクロウは巨大な右手を大きく振り上げ……


「お、おい!! 何様のつもりだ!!! オレはお前の味方だぞ……やめろ……何すんだグぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 カヴラの話を聞く事もなく、彼目掛けてその巨大な右手を振り下ろし、思いっきり薙ぎ払った!!!


「ジュロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!」 


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


 巨大な右手スイングで左に弾き飛ばされたカヴラはそのまま鉄柵をぶち破り、ビルの外へはじき出されるように悲鳴をあげて飛ばされていった。

 ちょうどこのビルの隅田川の方だった。ドブン!!とカヴラが川に落ちる音が響く。


「ジュロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


 顔を上げ、高らかに特撮の怪獣のような咆哮を放つスケアクロウ。

「そ、そんな……味方まで……」


 私は咆哮と共に唖然とした。なんていう破壊力だ……変身前とまるで大違いだ。本当に暴走している。

 仲間を仲間と認識出来ず、攻撃してしまうほどまで……通りでフォルテシアさんも注意するほどの恐ろしい力なわけだ……

 今度はその近くにいたジーナさんを狙ってその太い右手をハンマーのように振り下ろすスケアクロウ。だけどジーナさんはその動きを読むように後ろに飛び、


二刃(にば)・居合い斬り!!!!!」

 持っている二つの刃がついた剣を手に飛びかかり、振り下ろされた右手をバッサリと切断した。


「ジュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」


 右腕の手の形をした部分が斬られてそのまま右手を形成していた藁が床に崩れ去った瞬間、スケアクロウは痛がるように顔をあげ、体を揺さぶり、うめき声をあげる。

「ジュロ……」

 やった……! 右手はこれで使えない……

「ジュロオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」


 ――と思ったのもつかの間。

 なんとすぐに咆哮と共に右腕の斬れた先端から植物のように新たな藁がもあもあと生えてきて、体を元通りに再生させてしまった。

 咆哮と共に治っていくのを見るとまるで気合で治してしまったかのようだ。


「腕が……再生した……!?」

「奴は再生能力を持っているようです。恐らく、体のどこを切断されてもまた再生するでしょう」


 驚いている私に、横でそれをさらりと解説するフォルテシアさん。それはまさに不死身って事だろうか。私は尋ねた。

「それじゃどう戦えばいいんですか? 不死身ってコトですよね?」

「いいえ、不死身ではありません」

 フォルテシアさんはそっと首を横に振った。


「再生能力は本来、無限に使えるものではありません。相当なエネルギーを消費します。なので、どうにか再生出来ないようにするか、もう再生出来なくなるまでエネルギーを消費させるかのどちらかなのですが……」

 そう、フォルテシアさんが言いかけた、その時だった。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

「ジーナ!!!」


 フォルテシアさんの足元にスケアクロウと戦っていたジーナさんが跳ね飛ばされて転がってくる。フォルテシアさんは叫んだ。

 スケアクロウと剣一つで打ち合うほどの実力を誇るジーナさん。奴の口から吐く無数の藁の矢のブレスで大きく跳ね飛ばされてきた。

 それはさっき、私が戦った人間形態のスケアクロウが使ってきた、藁の太く尖ったトゲを放つ技、藁の弓矢(ストーダーツ)だった。


 ジーナさんも全身ボロボロだ。

 あのジーナさんまでボロボロにしてしまうなんて……変身後は口からも攻撃技を放てるようだ。それほどまでに強くなっている……


 フォルテシアさんはすぐにジーナさんが体を起こすのを手伝い、肩を貸す。

 ジーナさんはすぐに這い上がり、立ち上がり、のっしのっしと一歩、また一歩とゆっくりこちらに迫ってくるスケアクロウに対して二つの刃の剣を構える。


「ジーナ、大丈夫ですか?」

「長官、私は平気です……長官、奴の溢れ出るこの力をあなたの力で抑え込めませんか?」

「無理です……この状態は常に大きな力を放ち続けています。私が奴に触れて能力を封じて抑え込めるほど甘いものではありません。下手すれば、ここら辺一帯が私と奴のエネルギーの衝突で吹き飛ぶ可能性があります」


 触れて能力を封じ込める……? 押さえ込む……? まさかフォルテシアさんの能力ってそんなに凄いの……?

「すみません、愚問でした……」

「いいです。私がまだ未熟なだけ……」

 フォルテシアさんは呟くようにそう言って、一歩前に出た。


 凄い能力を持ってるフォルテシアさんですら手を焼くスケアクロウ……一体、この怪物を止めるにはどうすればいいのだろうか。

 スケアクロウは全身藁で出来ている……こんなの……


「……せめて火でも起こせれば、木で出来ているあの怪物の体にはとても有効だと思うのに……」


「ジュロォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」

 咆哮し、一歩、また一歩とこちらに恐ろしく迫り来るスケアクロウを見て、私は呟いた。


「ん……? 火……?」


「はっ……そうでした、私とした事が。こんな当たり前の事に気づかなかったなんて……その手がありましたか!!」


 フォルテシアさんも思わず、左手でポンと右手の平を叩く。私もすぐには最初思いつかなかった。目の前の光景に圧倒されて……

「炎は当然有効なんですよね? 再生する相手でも……」

 私は改めてフォルテシアさんに訊いた。


「はい、奴は変身前と違って体全体が藁で出来ています。どこでもいいので、奴の体に火をぶつければ、奴は……」

 たちまち燃え上がるという事だろう。そうなれば再生だって出来なくなるはず。


「あの体なら、火がつけば、もう再生が追いつかない勢いで奴の体は燃えるでしょう。抵抗のためにエネルギーを消費し、再生は困難なはずです」

 そうだ、あまりの衝撃とその強さに思いつかなかったけど、火を使えば勝負は決まる。この暴れまわる巨大案山子を一瞬で何とか出来るんだ……


「ジュロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」


 と、のんびり議論している時間はなかった。ゆっくりとこちらに迫りくるスケアクロウは痺れを切らせたように先ほどジーナさんを吹き飛ばした、口から藁の弓矢(ストーダーツ)を吐いてこちらを攻撃してきた。

「皆さん、散って!!!」


 フォルテシアさんの声の下、私達は攻撃範囲に逃れるべく、それぞれ全力で走って散った。


「歩美!!!」

「零さん!!!」


 私も歩美の手を繋いで全力に走った。


 バババババババババババババババババ!!!!


 スケアクロウの藁の弓矢が襲いかかり、無数の藁の矢が地面に刺さる。私達は攻撃範囲から逃れる事が出来た……

 ……だけど、その結果、私と歩美が左側に、ジーナさんとフォルテシアさんが右側に分断された。フォルテシアさん達と離れてしまった……


 そして、避けられたスケアクロウは向きを翻して私と歩美のいる方へのっしのっしと一歩、また一歩と迫ってくる。

 真っ暗な夜に赤い目の迫りくる巨大案山子の影……これほど恐ろしいものはない。


「零さん、歩美さん!!!!」

 フォルテシアさんの叫び声が向こうから聞こえる。


「零さん……!」


 歩美が怯えながら私の背中に顔を埋めた。歩美も怖いんだろう。それはそうだろう、こんな化け物が現実にいるわけがないんだから。

 私だって怖い。だけど、私は負けるわけにはいかない。

 怖くても表に出してはいけない。歩美をより悲しませる。フォルテシアさんにも迷惑をかけただろうし、歩美も私のせいでこんな目に……

 負けられない。せっかくここまで来たんだ。ここで負けたら、歩美と一緒にまた平和な日常に戻れなくなる。


 やらなくちゃいけないんだ。フォルテシアさんやジーナさんに頼れない今、私しか出来ない。自分の手で……この手で。


「零……さん……!」


 体が神々しい銀色であふれる。歩美の声が聞こえ、歩美の手が離れる感触を背後から感じたけど、眩しくて輝かしい銀色の光が私を包み込み、夜の闇を照らす。


「ジュロ……ジュロォォォォォォォ!!!! ジュロォォォォォォォォォォォォォ!!!!」


 その眩しい光は私達の近くまで迫り来るスケアクロウを寄せ付けない。スケアクロウは私達の近くまで迫った所でその巨大な足を止める。

 まるで、悪魔を寄せ付けない聖なる力のようだった。

 全身から力がみなぎってくる……この光の正体は自分でも分かる。そう、私の意志によって呼応したもの……


 歩美は私は守る。前と同じように守ってあげないといけない。

 私が、やらないといけないんだ。

 私は奴の弱点である火はおこせない。火がなければ奴は恐らく倒せない。だからイチかバチか……やる。

 歩美を傷つけたこの化け物を――奴を倒すチャンスをきっと作れるかもしれないから――

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