第43話
遅くなりました。不定期更新になりそうです。ごめんなさい。
時間が取れなくて更新が遅れています。すみません。この話の中で地球産ハトの鳴き声をクルッポーにしています。実際とは違うと思いますが、さらりと流してくださると助かります。
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凶暴鳥の卵との出会いから数時間。俺は今途方に暮れてる。パパ認定が済んだ後ではどうにもできないからだ。ミア達に可愛がられている凶暴鳥を、横目で見ながらため息だけが虚しく出る。瞬く間に頭の上まで飛べるようになった。
「パパー!クルッポー!」
クルッポー!クルッポー!って言ったぞ!何で地球産ハト言葉が入ってる!俺は夢を見てるのか?気が抜けるクルッポー!ってハトかよ〜!いやいや騙されないぞ魔法書に載っていたからな!凶暴鳥なのは間違いないし。頭に乗るのはやめてくれ!!昔の事を思い出す。前世動物とは相性が悪かった。悲惨な過去持ちだ。
あれは……小学生の頃だった。連れられて行った神社でハトの餌を売っていた。他の人がやっているのを見て、俺もやりたくて親に買ってもらった。その日もらう餌が少なくて持って居る俺に集団でハトに集られた。驚いた俺は頭に餌をこぼしてしまった。頭を嫌と言うほど小突かれた。餌がなくなり、残された俺はハトの羽根と糞まみれになった。それから鳥嫌いになったのは言うまでもない。
「クルッポー!って言ったよ。可愛いーの!でもすごいね鳥語?」
「クルッポー!って鳴いたの〜。名前もクルッポーに決定?」
「クルッポーですか?いいですね」
いやいやいや、シャム騙されるな。ミケ!クルッポーは鳴き声で名前じゃない。ミアも賛同するのかよ〜。心の中では否定したいが言い出せない弱い俺。
「他の名前が良くないか?」
「ええ〜っ!お兄ちゃんクルッポーがいいの〜」
「クルッポーでいいよお兄ちゃん」
「ジーク様、クルッポーでいいと思います」
「……じ、じゃ…クルッポーで」
ふっ、負けた。おねだりポーズとられて拒否できなかった。ミケのうるうるお目めに上目遣い、シャムは抱き付いて俺を見上げてお願いされ、ミアに耳元で息がかかるくらいに近付いて言われたら敵わない。俺に味方はいなかった。
「わーい!クルッポー!よろしくなの〜。私ミケよ、お兄ちゃんは優しいから幸せなの〜」
「ポー!ママ!」
「シャムよ、クルッポーよろしくね。お兄ちゃんをパパにできて良かったねー」
「ポー!ママ!クルッポー!」
「ミアです。クルッポー、悪い事をしてはダメよ。ママと一緒に礼儀を覚えましょう」
ミアが言った途端、俺の頭に突っ込んで来た。
「わああーっ!やめろ!」
俺の頭は隠れる場所じゃない!クルッポー!ミアが怒ったら怖いのが分かったのか!ぷるぷる身体が震えてるぞ!
「…ポ?……ポポ…ママ?」
俺は、クルッポーを頭の上から降ろしてミアに渡した。ミアに躾けてもらって、凶暴鳥ではなく普通の鳥になれ!小さい頃から刷り込めば物になるはずだ。野生の勘で、気が付いたクルッポーならできる!だが、性格まで似たら……雄鳥の土下座が浮かんでくるのはどうしてだろうなぁ〜。




