第4話
不定期更新です。
思わず金貨を手に入れた俺は、ミアのお土産探しと掘り出し物がないか店を見てまわった。普通なら貴族の子供で、何も習わなかった俺は死ぬ運命だったかもしれないが、記憶を持っていて小説に似た世界で生きているのは幸運だと思った。
「珍しいのはあるけど欲しいと思う物はないな」
肉の串売りしている。小腹も空いたし買って食べるか。俺無双だ!と恥ずかしい病気を発病させるわけにはいかないので堅実に楽しく生きていくことが今の目標だ。
「おじさん!三本くれ!」
「ほらよ、銅貨六枚だ」
「ありがとう。はい、六枚」
「丁度だ。また買ってくれ!」
んっ、美味しい。これはまあまあだな。あ!肉が!油断してたら反対側に持っていた肉を取られた!
「まて!泥棒!」
小さい上すばしっこい!だが負けるか!魔力の跡を追えば直ぐ見つかる!そこだ!
「この泥棒!捕まえたぞ!」
首根っこを捕まえプランとさせた。俺より小さい身体で体重も軽い!あれ?この子耳ある尻尾も!胸あるから、お、女の子!
「ごめんなさい!ごめんなさい!お腹すいてたの!」
涙で濡れて土下座しながら謝ってくる。痛!下を見ると小ちゃな子が縋り付いて泣いてる。
「お姉ちゃんをいじめるな!」
こう言う場合、大抵親が死んで食いっぱぐれな子供だよな。小説通りにすれば俺の事好きになってくれるかな?動物は好きだし、耳しっぽは堪能したい。小さい頃から刷り込みすればいいか。
「食べてないのか?お使いができたら串肉やるぞ」
そう言うと泣いていた涙が止まった。笑顔だな、この子騙されやすそうだ。素直は一番だが。今まで良く無事に生きてこれたな。普通なら悪い奴に捕まって売られているぞ!
「本当!する!お使いする!」
にこにこ嬉しそうだ。動物に餌付けしてるみたいだ。本物じぁないが、耳もしっぽもあるからやり甲斐はあるが。
「わたしも!おつかい!」
こっちも汚れているが将来有望だ。お腹空いてるのか。しょうがない先に食べさせるか。
「ほら先に食べていいよ。その代わり約束まもれよ」
「はい!美味しい!んっま!」
「はむ!んっおいちの〜」
「ぐるぐるっるるっーつ」
すげー腹の音!よっぽどお腹空いてたのか?あれだけじゃあ足らないか。真っ赤になってもじもじしてる。耳へちょだ!猫がよくする耳へちょ!ぺたんとなってる。可愛い、しっぽも丸まってる!パンでも買って食べさせるか。
「パンでもご馳走してやるよ、美味しい店教えてくれ」
言った途端よだれが出てるぞ〜。拭けよ!可愛い顔が台なしだ。将来有望な幼女?
「こっち、こっちにあるよ!」
「こっちだよ〜お兄ちゃん!」
ぼっち卒業だ!もふもふ獣人族ゲットだぜ!楽しく生きたいが一人は寂しいから丁度いいかも?