第3話
不定期更新です。
今日は、冒険者になるため森に出かけた。反対側の町に行くためだ。魔法を使っても、こちらの町なら見つからないだろう。ギルドに登録してまず資金を貯めないと何処にも行けない。俺には秘密の抜け道を作る事ができるので森を通れる。ミアには、勉強しに行く為屋敷を留守にするが誤魔化してくれと頼んである。
十歳から登録できるので、地道にランクを上げるしかない。頑張ってみるか!ついでにこの辺りにある、本に書いてあった薬草でも取って自分で作った魔法袋に入れておこう。
この袋、本に書いてあった魔法陣を魔力で袋に書いて、必要量の魔力を正確にきっちり流すと後は何年たっても中の物が腐らないようだ。
普通は作る事が難しい物だが、魔力を流す量が分かる俺には簡単だ。
試しに腐りやすい果物を入れてみたが何日立っても変わらなかった。
「森を抜けたぞ!町に行ってギルドに登録だ。」
この世界にもギルドがある、小説みたいに、魔物を狩ったり薬草を取って来たり町の小さな依頼を受けたりと様々な仕事をする場所である。それぞれの国にあるギルド同士で繋がっている。国も一目おく機関である事は間違いない。
「この世界で生きて行く為の第一歩だ!」
町の入口に門番がいる緊張する。大丈夫だ小説を思い出せ!冷静になれ!
「身分証を持っているか?」
見られていると思うと冷や汗がでる。
「いいえ、田舎から出てきたのでギルドに登録して冒険者になりたいと思います。」
言えた!小説読んでて良かったスラスラ言えたよ!俺天才!ははは。
「身分証がないと銀貨一枚いるが持っているか?」
ここら辺も良くある話だ、読んでて良かった俺えらい!
「はい、あります。どうぞ。」
銀貨を渡すと札をくれた。登録して身分証を作ると返してくれるそうだ。よかった。
「カライの町にようこそ、歓迎するよ。冒険者になって頑張ってくれ。」
初めは怖いなと思っていたが、緊張してたからそう感じたんだなぁ。今見たら怖くないや!ギルドに行くぞ。
町の中は、結構賑やかなだな。リアル異世界の中だと余計実感するよ。
前世、俺の生きてた現代とは凄い差があるし、屋敷から出たことなかったから、それこそ色んな人種についつい見惚れて軒下の柱にぶつかった。
「くぅーっ!痛い!」
見ていた人達に笑われたので、急いでその場所から離れてギルドにたどり着いた。
「あーっ恥ずかしかった。着いたぞ」
酒場を想像していたが、この世界のギルドは、大きい建物で立派だった。
良し!と意気込んで入って行き、受け付けのお姉さん(ここ重要)好みの人を見付け登録をお願いした。
うさ耳の可愛いお姉さん(本当に重要)に説明を受けた。
「登録お願いします。」
そう言うと、うさ耳をピンと立てて笑顔で答えてくれた。
「はい、初めての方ですね。名前年齢特技を書いてください。」
書いた紙を渡すとお持ちくださいと中に行ってしまった。疑問に思ったしっぽは出てた。可愛い!丸くてぷるぷるしてる。
俺は前世から動物が好きだ。猫も犬もうさぎも鳥も飼っていた。獣人の女の子(これも重要)に、記憶を思い出した時絶対会うと誓った。
「はい、できました。ジークさんですね。間違いないですか?では、手を置いてください。」
手を置くとカードが光った、と思ったら自分の名前が浮かんできていた。これが噂のギルドカード!実際手に取ると実感するな。これで俺も冒険者だ!
「カードの登録が終わりました。説明を受けますか?」
にっこり笑って言われたら聞くしかないだろう。いや、その選択肢しか選べない気がするのは何故だろう?
「はい、お願いします。」
その後長々と説明されたがあまり長い為、前世で良く授業中やっていた聞いたふりだ。顔と目は前を向いているが頭の中は別の事でいっぱいだった。
今も聞いたふり活動中だ。何を考えているかと言うと、うさ耳のお姉さんの胸は思ったより小さいな、とか後ろで仕事している猫耳のお姉さんはでっかいなぁとかしっぽが揺れてるよ!とかくだらない事を話が終わるまで見たり考えたりしていた。
「以上で説明を終わります。詳しい事は後ろに置いてある冊子をご覧ください。」
「ありがとうございます。あのですね、この薬草買ってもらえますか?」
取った薬草を、お姉さんの前に出すとお姉さんが固まった。あれ?失敗した?
「こ、この薬草本当に取って来たの?」
「この町に来る時、見つけたから取って来たけど買ってもらえない薬草?」
そんな事ないはずだけど魔法書に載っていたから間違いないと思ったが。
「ちょっと待ってね。直ぐ鑑定してもらうから!」
走って行ってしまった。待ってるしかないか、毒草ではないはずだけど。あ!走ってお姉さんが戻って来た。
「はい、金貨五枚ね。ギルドに預ける?それとも持って行く?」
四枚預けて一枚でミアにお土産でも買って行くか。
「四枚は預けます。でも、凄いあの薬草そんなに高いんだ。」
驚いた!試しにひと束出しただけで、まだ沢山袋には入っているけど出さない方がいいだろ。
「上級ポーションに使われる物だけどあまり手に入らないのよ。何時も依頼に入ってるからまた見つけたらよろしくね。」
お姉さんに、俺が薬草の場所知ってるからもっと取って来い!と目で言われてる気がしたが、気の所為だと思いたい。思わず大金を手にしたが独り立ちの為にはもっといる。頑張って貯めるぞ!