第23話
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お姉さん2人のお着替えは良かったがあの後大変だった。無理して着た服がずり落ちた。泣きそうになった残念お姉さんナイアさんに似合う服をチョイスしてみたよ。なくても大丈夫、可愛く見える服はある。気にしなくても需要はあるはずだ。俺はナイアお姉さんは好みじゃないので遠慮するが、育ってしまった後では夢も希望もないだろ。ファイト!ナイアお姉さん。
「ナイアお姉さんそれ似合うよプレゼントする」
拗ねた女の人は面倒だ。これで機嫌よくなってくれると助かるが。
「え?そう?ありがとう」
横を見るとハルお姉さんが私は?って顔してるよ。分かってますよ、プレゼントします。
「ハルお姉さんにもプレゼントするよ」
にっこり笑ってそれでいいのよ。と言ってるよ。子供の俺にたかるのはどうかと思う。本当に大人の女の人は扱いが難しい。だから俺は彼女も嫁もできず、前世魔法使いと言われたのだが。しょがない性格は変わらない俺は俺だしな。純粋無垢な耳付き姉妹が恋しいよ〜。あの2人に癒されたい。代金を全部払ってカイ達の所に向かった。
「ありがとうございました!」
ご機嫌な店員さんの声が虚しく響く。疲れた〜!大量の服達はバックの中に入ったよ。ハルお姉さんとナイアお姉さんが驚いていたな。俺製作バック(作り方は本に書いてあった)沢山入るよなぁ。
俺にチートない。あるとすればこの本を書いた先祖だろう。元々この本は本妻の兄弟の持ち物だった。本をもらった兄弟が、偽物だと勘違いして俺にくれた物だ。記憶を取り戻す前に2人の話を聞いて部屋で泣いたからな。笑い者にして楽しんでたんだろうな。
「兄さん、父上からもらった本をどうしてあのジークにあげたの?」
「落ちこぼれのあいつには似合いの物だからさ」
「似合い?父上が先祖の本だ、って言ってたよ」
「王都から来た先生に聞いたけど偽物だって言ってた。偽物の本で勉強してるなんて笑えるだろう」
「本当だ。あははーっ!馬鹿だよね兄さん」
「面白いからな。落ちこぼれが勉強するのが間違っているのさ」
あの時は泣いたよ。信じた自分が馬鹿だって思ったさ。今は本をくれた事には多少は感謝してる。先祖にも俺と同じように魔力が見える人が居たって事だからさ。
思えばあの辺りの伯爵領には魔の森の隣にあるが、1度も領内に凶暴な魔獣が出たと聞いた事がない。不思議だったんだ。普通は魔獣が出るはずだ。魔の森が近くにない領地では良く出るらしく冒険者や騎士団が討伐依頼されている。
魔の森の中には魔獣除けの薬草は見当たらなかった。森と領地を隔てるように生えていた。誰かが植えた可能性がある。先祖かも知れない。おそらく分かれば大変な事にはなりそうだから、こっそり植えたんだな。俺だけしか知らないだろう。まあ、最も誰にも言わないが。
「次はどこに行く?」
色々考えていたらカイが聞いてきた。そうだなぁ、美味しい物でも食べたい。
「食べ物が美味しい店に行こう」
「おう!任せとけ」
美味しい物が期待できそうだ。今が楽しくなったので昔の事は気にならなくなった。美味しい物買って明日には王都を出てライフリーに戻ろう。まだラズールさん王都に居るはずだから、知り合いの商隊でも紹介してもらって帰ろう。




