第21話
俺は今黄昏たまま椅子に座ってる。横ではいちゃいちゃする暴走騎士がいるが無視だ。早く要件を済ましてくれ。じゃないと帰る!そう思い先に進める事にした。
「俺、帰っていいか?用事があるんだが」
時間に遅れる。知り合った冒険者パーティーに王都観光案内して貰う約束だ。
「ちょっと待ってくれ!直ぐ終わる。まだ帰らないでくれないか?」
副団長が焦った顔で言って来た。少しだけだぞ。合わないとまた押しかけて来そうだからな。
「半時間だけだ。それ以上は俺も都合が悪い」
ほっとした副団長がいる。本当に少しだけだぞ。
「分かった。では彼方の部屋で陛下がお待ちだ。行こう」
暴走騎士と姫を置いて俺は副団長と一緒に部屋に向かった。あいつらいらねー。
「用事があるから早めに頼む」
さくっと終わらせて帰る。これ以上付き合えるか!馬鹿らしい。豪華な扉の前だが、謁見の間とは違うようだ。その方が気楽でいいか。
「陛下、連れて来ました」
副団長がノックをして扉の前で待つとドアが開いた。騎士が数人控えている。側を通り中央に座っている人目指して歩いた。前で一礼した副団長を真似て俺もする。
「面をあげよ。この者か?ジブリール」
「はい陛下、このジークが薬を譲ってくれました」
全員の視線がこっちに突き刺さる。男にじっと見られても嬉しくない。綺麗なお姉さん(胸大きめ希望)だったら許せるが。
「うむ、ジークとやら、助かった礼を言うぞ」
よし!礼は言ってもらった。さあ、帰るぞ。
「お役に立てて光栄です。それでは失礼いたしました」
さっき侍女に光栄に思えって言われたから使ってみた。長居は無用。
「え?それだけか?褒美は要らぬのか?」
陛下、お金は正規にもらえるのにそれ以上は要りませんよ。トラブルのもとです。
「発言をお許し頂けるのでしたら一言だけ」
よし実行できた。許しをもらってから喋れと言われてたな。
「うむ、言うが良い」
じっと見られるのは気持ちが良くない。
「願いはひとつだけです。帰りたいので帰っていいですか?」
面倒くさい。早く帰れるのが褒美でいいよ。
「「「「「「……は?」」」」」」
皆驚いてる?どこにそんな要素があったかなぁ。帰れればもうどうでもいいや。
「それでは、御前失礼します」
一礼してその場を離れた。逃げるに限る。横にいた副団長を引っ張って部屋を後にした。
「……ジーク」
ため息を吐かれても困る。俺は我慢したんだぞ。限界だ。
「もともと内緒にする筈だったろう?早く帰れれば他は何も要らないよ」
気にするな副団長!禿げるぞ。
「とにかく助かった。ありがとう」
門まで着いたのでここで副団長とはさよならだ。
「案内ありがとう、さよなら副団長」
お礼を言って別れた。今からギルドの急ぐぞ〜!王都観光だ。可愛い服にアクセサリー好みの服をバンバン買って、鬱憤ばらしして帰るぞー!おー!