第19話
ぼちぼち更新です。
爽やかな朝(誰も横にいない)を迎え、今日は王都観光に出かけるぞ!朝食を食べて出発だ。
「おはようございます。ジーク様」
巨乳お姉さんが朝の挨拶をしてきた。朝も揺れてるな〜。おっ!ちびっこお姉さんが走って来たぞ。
「おはようございます。ジーク様。ありがとうございました。何でもしますので言って下さい」
朝ごはんをさっと並べ早口で喋ってくる。別に偶々あったからな、ありがとうだけで他は要らない。宿も無料だし。もし俺が同じ立場なら、男としては海ほど落ち込むぞ。大事な物がお子様のまま…死ねる。確実に絶望するぞ!
「気にしなくていいよ」
ちびっこお姉さんの薬は、一週間程完成らしい。飲むと今度は普通に年が取れるようになる。調合代も本当は高い(調合が難しい)らしいが、同じ病気の息子さんのために準備していた。薬を分ける条件で、調合代は無料になったと聞いている。反対に感謝されたらしい。ちびっこお姉さんの両親にも、お礼だと朝から豪華な食事がでた。
「おお!豪華だ。得したなぁ〜」
おっと、早く 書類を出しに行かないと。観光時間が短くなる。
「王城にある役所に、書類を出せば俺も平民の仲間入りだな。急いで出しに行くぞ」
あの家族と縁が切れると思うと清々するな。道を宿で聞いてたので朝1で出すぞ〜。色々な店があって華やかだ。歩きながら寄りたい店を横目に見ながら行くと王城に到着だ。
「何の様だ?ここは子供の来る所ではない」
門番の人が注意してきたので、父親が書いてくれた書類を見せた。中身は縁切りの申請書だ。
「これを父に言われて出しに来ました。取り次ぎお願いします」
申請書を見た門番の人が、横にある部屋に行く様に言われた。
「その奥の部屋に行けば文官がいるはずだ。そこで詳しい事は聞いてくれ」
言われた部屋の前に来てノックをすると返事が聞こえた。入ると書類を整理している人がいた。
「用は何かね?子供の来る所ではないと思うが」
門番さんにも言われましたよ。しょうがない、申請書を見せて終わらせよう。
「この書類を出しに来ました。受理をお願いします」
中に書いて内容を確認した人が、驚いてる。本人が出しに来たから余計だけど。
「内容を知っているのか?」
俺が頼んだからもちろん。もしかして貴族で無くなるのを可哀想だと思ってるかな。
「はい、自分で父に願いました」
はっきり言うと納得してもらえたよ。魔法の才能がないと父親は思ってるから当然の処置だな。他の家でも魔法の使えない子供は似たり寄ったりだと聞いてるし。今さら情もない。
「そうか、分かったこの申請書を受理する」
ああ、この人も分かったんだな。蔑んだ顔された、俺が魔法を使えないから捨てられたと。まあ、別に構わない。本当の事を分かってもらおうなんて思ってない。
「ありがとうございます」
さてと、ここでやる事も終わった。待ち合わせの場所、ギルドに行くか。門を出た所で、暴走騎士に出会った。
「あ!昨日の恩人!すまない、薬に気を取られて君を置き去りにしてしまった」
頭を下げられた。目立つから!貴族だらけの門の前でやるのは勘弁してくれ!引きつる俺、頭を下げたままの暴走騎士、馬車で通る人に驚かれる姿。カオスだ!副団長はどこだ早く来てくれ!手綱はしっかり握ってくれないと被害がこっちに来る。
「アルバート!ここにいると邪魔になる。ジーク、一緒に来てくれ事情を説明する」
はーっ、助かった。ジロジロ見られて気が滅入る。本当に目立ちたくないと思っている俺の希望を理解している。暴走騎士はダメだ!副団長は頼りになるな。この場所から逃げ出せるなら、もちろんついて行くよ。