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第18話

ぼちぼち更新です。

走って消えた暴走騎士を、呆れた顔で見ていたもう一人のお兄さんと話をする事にした。しょがない、このお兄さんに責任を押し付けよう。


「名前も聞かずに行ったよ。あの暴走騎士」


嬉しいのは分かるけど、普通は話が付いてからだぜ。


「すみません!名のってませんでした。私は第1師団近衛騎士副団長ジブリール・ガンザスと言います。先ほど薬草をもらって走って行ったのが、団長のアルバート・グレイシャーです」


副団長か、苦労してるだろうなぁ。暴走の度に尻拭い?脳筋には見えなかったが。


「俺はジークだ、手続きはしておくよ。後でお金はギルドの口座に入れてくれ。それから、俺のことを内緒にすると約束してくれよ。それ以外は関わり合いにはなりたくない」


役所に書類を出せば帰るから。面倒に巻き込まれるのはごめんだ。


「ありがとう、分かった伝えておく。明日お金はギルドの口座に振り込んでおくよ」


苦労性の騎士は信用できそうだ。暴走騎士も簡易契約もしてるから逃げないだろう。ゆっくりしたいからもう帰ってもらおう。


「じゃあ、頼んだ。後はよろしく」


気疲れしたので、ご飯を食べて寝る事にした。明日は書類を出して王都観光だ。耳付き姉妹とミアにお土産買って帰るぞー!可愛い服やお菓子に食べ物をプレゼントだ。


「夕食、食べに行こう。確か食堂は下だったよな」


階段を下りて左側の方にあるみたいだ。大勢の人の声がする。入ると、誰もが美味しそうに夕食を食べていた。部屋に案内してくれた巨乳お姉さんがこちらに気が付いたようだ。


「こちらに席が空いてますよ。どうぞお座りください」


座ると夕食が直ぐ運ばれてきた。美味しそうだ、肉を焼いたものだな。ピリ辛でなかなかいける。


「美味い!当たりだな」


近くにいた巨乳お姉さんが、嬉しそうだ。


「母が作ってます。私も好きなんです」


そう言えば、ちびっこお姉さんは伸びのし草がいるって言ってたな。どう言う草か聞いておくか。魔の森に生えてれば、取って送る事ができるからな。


「そう言えば、伸びのし草ってどんな薬草だ。教えて貰えば見つけたら取っておくぞ」


ちょっと驚いてる。まさかそれを言われるとは思ってなかったんだろうな。


「本当ですか?探すの難しい薬草ですよ」


子供だから期待はしてないんだろうな。それに、現物を知らないと探しようがないからな。


「薬草取りは得意だぜ。でも、知らないと取りようがないだろう?」


そう話すと、お姉さんが走って取りに行ったようだ。しばらくすると戻って来た。


「これです。お金を出して色を付けて書いてもらいました」


ん?黄色の小さい花が付いてギザギザ葉っぱに茎が紫色?思い出した!俺持ってるぞ!耳付き姉妹を宿に預け家に帰る時、魔の森で魔法書にあった薬草を片っぱしから取ったからなぁ〜。確かこれも見たからバックに入っているはずだ。


「俺、持ってるぞこの薬草。名前までは見てなかったがそっくりのあるぞ」


え!巨乳お姉さん泣き出したよ。泣かれると困るなぁ。


「お願いします!薬草売って下さい。何でもします!」


必死に縋り付いてお願いしてきた。暴走騎士と言い、この巨乳お姉さんと言い、何でもするとが流行りなのか?バカか?ちゃんと交渉なり不利にならない様にしろよ!こっちが心配になるぞ!


「適正価格でいいよ」


適正価格と言うと青くなった?これも高い薬草なのか?よし決めた。


「1度では払えませんが、必ず払います。薬草譲って下さい」


お姉さんが頭を下げてお願いしてくる。こんな所でやられたら周りに注目されるよ!止めてくれ!それとそのポーズ、胸の谷間が丸見えだー!罠、罠なのか?


「お金は要らない。その代わり、家族で王都に来た時はただで泊まらせてくれ。何度でもだ」


王都には偶にしか来ないだろうし、部屋にいつでも泊まれるのは都合がいい。こっちの方が俺の感じるダメージが少なそうだ。


「はい!ありがとうございます。姉に、姉に知らせて来ます」


嬉しそうに涙ぐみながら、奥に居る姉を呼びに行った。薬草を出しておくか。これで、ちびっこお姉さんの胸も育つ事ができるな。まあ、あれじゃ可哀想だと思う。数年後立派な巨乳お姉さんに育つといいな。


「残りを食べて寝るか」


食べかけだった夕食を平らげてひと息付いていたら、ちびっこお姉さんと巨乳お姉さんがやって来た。


「やややや薬草!どこ?」


俺は出していた薬草をちびっこお姉さんに渡した。


「ほら、それだろう」


薬草を見て、首を縦に振り泣いているちびっこお姉さんがいる。


「もう、見つからないと思っていた。大きくなれないまま死ぬんだって!誰も私を好きになってくれないだろうって」


病気の所為でいくら好きになっても、誰も本気にしてもらえなかったらしいが。ちびっこお姉さんのままだと、特殊な趣味の人間以外は無理だろうな。


「良かったな。お姉さん」


一件落着だな。後は俺にできることはないし寝るか。


「あの、私一生恩返しします!」


え?ちびっこお姉さん何言ってんの!冗談止めてくれ!


「私もします!リル姉を助けた恩人ですもの」


驚いたよ巨乳お姉さんまで、変な事言い出したよ。俺はもう寝るんだぞ!邪魔しないでくれ。


「いらない。寝るから邪魔しないでくれ」


俺はさっさと部屋に戻った。後々、この宿屋姉妹に死ぬまで一緒に居られるとは今の俺は知る由もない。



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