第13話
一週間だけ限定どんどん6日目ラノベ更新しました。
朝早くに出発して、寝たまま移動中だったが魔獣が出て煩くて目が覚めた。昨日知り合った冒険者のパーティーも戦っている。
「カイ!そっちに行ったわ!」
「おう!任せろ!ナイア後ろ!」
「いやあーっ!燃えちゃえ!」
「くそっ!カイ!こっちも助けてくれ!」
苦戦中みたいだ。危ないな、これ以上魔獣が増えないといいが。一応準備しておくか。
「商隊の偉いさんどこだ。あの人かな?」
それらしき人を見つけて、話を付けに行った。俺を乗せてくれたのはもう一人の人だが、この方法を使えば騎獣が逃げるからな。
「おーい、商隊で一番偉い人だよな」
髭を蓄えた恰幅のいい男に話しかけた。怪訝な顔してたがこの際しょうがない。
「今、大変な時だ!子供の相手などする暇ない!」
怒ったか、仕方ないか。後がやばくなる。
「命と騎獣どっちが大事だ?助かりたいなら騎獣を捨てろ!」
俺を乗せたもう一人が来たぞ。変な顔したな。
「ガラス!どうした?」
「このガキが騎獣を捨てろと言いやがった」
「おい!この大変な時に揉めるのは止めてくれ」
「命か死か選べと言ったが、どっちにする?」
今日は運が悪かったな。血の臭いでどんどん増えるぞ魔獣。あまりの多さに危険を感じるはずだ。
「助かる方法があるのか!何でもする、契約してもいい」
焦った顔で言って来たぞ。それいいな、俺の事内緒にする契約書。
「ある!魔獣類は近寄らなくなるが、騎獣もダメになる」
「分かった騎獣は諦める。魔獣をどうにかしてくれ」
「じぁ!簡易契約な!良し!馬車を一箇所に集めてから騎獣を直ぐ外してくれ」
「ああ、頼んだぞ!」
「行くぞー!おい!死にたくない奴は皆馬車に行け!邪魔だ!」
怪我の酷い冒険者達は俺の声を聞いて馬車に向かっている。俺は馬車の周りに円を描くように魔獣よけの薬草を溶かした瓶の中身を零して行った。それに微力の魔力を乗せて液を防壁魔法を描くように落とした。臭いに反応する様に魔獣達が後退りして数分もすると戦闘していた物まで木の間を抜けて消えていった。
「ふう、取り敢えずこれで大丈夫だな」
皆驚いてる。まあ、そうなるか。戦闘中の魔獣も居なくなれば不思議だろうな。
「助かった。だがこの後荷物をどうすればいいか、はーっ」
気落ちしているブンドル商人。解決策はあるが内緒の契約をしてからだな。
「解決策はあるよ。ただ、契約しないと教えない」
対価を払ってもらわないと何もする気はない。悪人でもないが善人でもないからな。
「さっきは助かった。ありがとう!しかし不思議だ。戦闘中の魔獣が全部逃げるなんて」
「怪我酷いな、ポーション使わないのか?」
「使ったんだが効き目が悪い。粗悪品だったのかもしれない」
知り合いになった縁だ。俺のポーション分けてやるか。
「俺のポーションやるよ。その代わり王都の案内頼むよ」
「助かる、約束は守る。ありがとう」
「ほい!その怪我だったら一口飲めば治る」
バックからポーションを入れた瓶を取り、ライルに投げた。
「一口で効く?本当か?飲んでみよう!」
飲むとあっと言う間に怪我が治った。驚いてる驚いてる。仲間の冒険者も一緒だ。
「凄い!このポーション高品質だ!まさか、幻の秘薬?」
秘薬かどうか調べた事ない、自分で作った奴だし言わないでおこう。
「それ一本しかないから大事に使ってくれよ。それと他の人には内緒だぞ」
助けたんだから言うなよ!と睨んでおいた。これだけは、釘を刺しておかないと面倒だ。
「「「「……」」」」
無言で、縦に首を振る冒険者パーティー。やりとりをしている間に他のパーティーも戻って来た。しばらくここで休息みたいだ。思ったより怪我が酷いパーティーが多い。あっちは普通のポーションで治療中だから大丈夫だろう。後は、契約してから馬車に軽量化の魔法陣でも書いて冒険者に引かせれば行けるだろ。