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ひとめぼれ

作者:

どうしょう



あの後の記憶がない。



何度も何度も勝手に流れる映像は

私を虜にする。








あれはいつ頃だったろう。



夏頃か秋頃

どんな制服だっただろう。

カッター?ベスト?セーラー?



…分からない。



外は晴れ?曇り?雨?

…分からない



ただ君の事しか思い出せない。





休み時間私は席に座ってノートを開いていた。

そして消しても新たにできる落書きを一生懸命消しゴムで消していた。



『もー、止めてよ。』

一向に収まる気配のない2人にとりあえず言ってみる。



スパッと止めてくれたらありがたいが、それでは面白くない。


じゃれて遊んでいるだけだがこの2人はいつも度が過ぎる。


最初は楽しいんやけどなかなか飽きてくれずさらに過激な事をしよる。



痛いって言ってんのにそれ以上の力で叩きよるし、半泣きになっても止めよらへん。

ほんまたち悪い。

仕返ししたら後がややこしいし面倒くさいから…いつも我慢。笑いながら『もー止めてーや。』



それが私の毎日。だから今日も大人しくいじられていたのに…


ほら、度がすぎる。



ノートには蛍光ペンの落書き。


シャーペンから変わってしまった。



これはさすがに消しゴムでは消えんぞ。



ニヤニヤしながらどんな反応するんか見てる。




はーっ。




『消えへんやんかー。』

分かってるけど一応こすってみる。



提出するときどないすんねん。

破こうか?

修正テープ?

もー。白色のノートに水色の落書きがよく目立つ。







軽くこすって消しゴムを机に放り出す。



すると後ろから君が来てあたしの机の横に立った。




そしてあたしの消しゴムを持って同じように落書きをこすってみる。



『ほんまや』



そう言って君は席から離れて行った。




うわ…




あたしは後ろ姿をずっと見るしかなかった。




その時の記憶が曖昧でどんな反応をしたのかもその後どう過ごしたのかも分からない。




ただあたしの頭の中は数秒の出来事しか考えていなかったから。




ほんまやと言って去っていく君の笑顔だけが頭に焼き付いて離れなかった。

どうしたんやろう。



何回も何回も繰り返し再生してる。


勝手に…




あたしの頭は狂ったテープになってしまった。




ずっと君の笑顔。





あたしは君に恋をしてしまった。君はクラスの中でも学年の中でもカッコイイとモテるタイプの人間。




野球部で丸坊主だけど関係ないぐらいカッコイイ。



どこが…何がカッコイイのかな…



クールで無口な一匹狼のように見えるけど周りには沢山の仲間が居て、興奮して喋ってる姿は幼くて可愛い。


これがギャップなのかな??(笑)



全然分からないや。


でもずっと目が追ってしまう。

初めて知ったよ。



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