第一話 見知らぬ男達
魔人剣
「父さん何処行くの!?」
「俺は行く。新たな力を求めて」
「・・・帰ってくるの?」
「・・・分からない」
「すまない・・・もう時間だ」
「父さん?父さん!?父さーん!」
「ナイト・・・強くなれ・・・」
第一章 見知らぬ男達
俺はあの日の夢に魘されていた。
もう15年も前の話だ。
俺の父は俺が6歳の頃「強くなれ」と言い残して消えた。
その日以来、父に会うことはなかった。父の消息さえも知らなかった。
母はいなく父に育てられてきた。
父と俺は木こりとして森の中の小屋に住んでいた。
父が失踪した後、俺はその小屋を出て、違う小屋を持った。
そんなある日のことだった。
ゴンゴン
家のドアの音がした。
俺は驚いた。
俺の家には来客は来ることはほとんどなかった。
あったとしても小屋が比較的近い家の人だった。
だから俺は嬉しかった。
俺はドアを開けた。
「すいません」
と言ってきたのは顔といい、声の太さといい、台詞が一致しないような男どもだった。
男どもの背は高く牛の皮のようなボロボロの服を着て、顔中キズだらけだった。
俺は特に動揺することも無く返事をした。
「なんでしょう、どうぞ上がってください」
俺はお茶を出して「なにか用件でもありますか?」と聞いた。
「ケイン・ライト様をご存知あるでしょう」
俺は驚いた。ケイン・ライトとは俺の父の名だったからだ。
遂に父さんの情報を手に入れた。
俺は少し強気で言った。
「俺がケイン・ライトの息子ナイトだ。それよりあんた達は何者だ?」
すると今度は男達が動揺した様子だった。
男達はなにやら言いあっていたが遂にリーダーと思われる男が怒鳴った。
「おい!おまえ達!ライト様の息子様のだぞ!頭をさげんかい!」
すると男達はいっせいに頭を下げた。
俺は何のことかさっぱり分からなかった。
「これはいったいどういう事だ?」
さっきの男が口を開いた。
「ではお話致します」
「私達がなぜここに来たか、私達とライト様はどういう関係か」