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寝室の隣から泣く声が聞こえた。


サジャの寝る部屋だ。


抑えて抑えて、でも押し殺しきれないような泣き声だった。

ごく小さな声だったので寝る妨げにはちっともならなかったが、無視はできなかった。


扉をノックする。

サジャが慌てたような声をだした。


「ごめんなさい、チャニさん。すぐ黙りますから」


言い方に違和感を感じる。

思い出したのは少年の祖父母だった。


扉を開けて中に入る。


「違う、サジャ。私は怒ってるわけじゃなくて」


何か言おうとするが言葉にならない。


私はサジャの目に涙が浮かんでいるのを見て、衝動的に小さな体を抱きしめた。


サジャは一瞬、体を固くして、すぐにすがるように泣き出した。


姉が死んだと聞いたとき、私は泣いた。

一晩中、一人で泣いていた。


この少年も悲しかっただろうに、もしかすると泣くことすら許してもらえなかったのだろうかと思うと胸が痛かった。


私はサジャが泣き止むまでずっと抱きしめていた。





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