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16

朝にふと、サジャの元いた村に行ってみようかと考えた。


窓を見れば、森の木々が茂っている。

この広大な森は村の北から東を覆いつくしていた。


村を東西南北に通る道の北にずーっと進めば、ショナの住む森番の家につく。


そして東の道を進み森を抜けると山があり、それを越えるとサジャがいた村だ。


どちらも馬車が通れない荒れた道で、山向こうの村となると、馬だと半日、徒歩では一日かかる。

しかも道は入り組んでいて迷いやすい。


だが、村同士の交流の為に月に一度、片方の村人の数十人かが片方の村に売り物を持って訪れることが決まっていたので、徒歩を我慢すれば行く機会はいつでもあった。


明後日が山向こうに行く日だから、こんなことを思ったのだろう。


サジャの学校は休みのはずだし、酒場も休みにすればいい、飛び入り参加もできるはずだ。


なんて色々計画してみたのだが、どうしてもサジャに言い出せない。


サジャは遠慮して私に言えないでいるかもしれないのに出来ない。


「チャニさん、難しい顔してるけどどうかしたの?」


心配気なサジャの声にはっとする。


ずっと考え込んでしまっていたようだ。


サジャは学校へ行く準備を済ませて私の前に立っている。


「ちょっと考えてたんだけど」


この勢いで言ってしまおう。


「明後日は山向こうの村に行ける日でしょう?サジャは行きたい?行きたいなら私が連れて行って」

「行かない」


固い声で言葉を遮られて驚く。


「チャニさんは行きたい?」


逆に問われて私は慌てて首を横に振った。


「サジャが行きたいかなって思っただけ、用事があるわけじゃないわ」


サジャは申し訳なさそうな顔をした。


「・・・気を遣わせちゃってごめんなさい。でも、僕は向こうに行きたいと思ってないから気にしないで。時間だから、いってきます」


素早く外へ出て行ってしまう。


結局私は、サジャの行きたくない理由を聞くに聞けないままになった。




暗いのは苦手です・・・。

次はもっと楽しく!

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