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最近、そんな性格じゃ嫁き遅れるぞと言われなくなった。
十六を過ぎて周りがどんどん結婚していく中、恋人はいても結婚はしない私に、酔っ払い共がよく野次をとばしていたのだが。
しかも私の顔を見るたび、まだ結婚しないのか、どこそこの息子が嫁を探して、とお節介に教えてきた村の八百屋の奥さんすら何も言わなくなった。
ついに諦められてしまったのだろうか。
憂鬱な気分でサジャにそのことを言ってみると、彼は首を傾げた。
「チャニさん、結婚したいの?」
「そういうわけじゃないんだけど・・・。あと数年経ったら二十五だと考えると切なくて。サジャ、私ってもう嫁き遅れ?」
「チャニさんは若いよ」
お世辞でも嬉しい!とサジャを抱きしめる。
サジャは小さな手を伸ばして、私の頭を撫でてきた。
「待っててね。僕すぐに大きくなるから」
早く大きくなって、私の手助けをしてくれると・・・!?
なんてできた子だ。
「うん、待ってる」
私が笑顔で答えると、サジャも嬉しそうに笑った。
「約束だよ。チャニさん、絶対に待っててね。破ったら駄目だよ」
やけに念を押すサジャに私はうんうんと何度も頷いた。
約束しちゃったー。