14‐4
ショナの赤ちゃんを抱っこさせてもらった。
恐る恐る首に手を当てる。
「ちゃんと首は座ってるから、そんなに緊張しなくていいわよ」
「う、うん・・・。わ、わわわ、わーわー・・・!」
予想以上に柔らかくて壊れてしまいそうで小さく慌てる。
サジャも抱っこしたそうだったので、ゆっくりと渡した。
私より手慣れてる様子に驚く。
「サジャ、赤ちゃん抱っこしたことあるの?」
「うん、前の村にいたんだ」
「そうだったの?私が小さい頃は赤ちゃんいなかったのよね。大人になったらなったで、酒場の手伝いしてたし・・・わ、つかんだ」
赤ん坊の手に指を出すと、ぎゅっとつかまれて感動する。
話には聞いていたけどかわいいな!
「大人しい子ですね」
「うん、だからあんまり手がかからなくて。旦那に似たのかなー」
「寡黙だものねショナの旦那さん」
「あれは偏屈って言うのよ」
赤ん坊の顔もショナより少し旦那さんの方に似ているようだった。
でも髪の色はショナ似とかいいながら、赤ちゃんを構い倒した。
赤ん坊をショナの背中に戻す。
サジャは酒場の中にいてもらって、外で二人で話した。
「そういえばサジャ君って結局どうしてチャニのところに?」
「あ、言ってなかったわね」
話せば長くなることながらとこれまでのことを説明した。
「シーニャ姉さんの・・・」
シーニャは私の姉の名前だ。
ショナは少し黙ったあと、私に目を合わせて優しく微笑んだ。
「私ね、サジャ君がチャニのところに来てくれて良かったって思うわ。だってチャニ、前よりずっと幸せそうな顔してる」
私は照れてしまった。
ショナの顔はいつかの村長を思い出す。
「うん、サジャは私に幸せをくれるの。ねえ、ショナ、子どもって偉大ね。私まるでお母さんになったみたいだわ」
ショナの顔が苦笑に変わった。
ええ、なんで。
「・・・ま、うん、そうよね。十四歳差だもんねー・・・」
「お母さんは言い過ぎ?姉くらい?」
「まあせめてそっちの方が」
煮え切らない感じである。
「まあ、いいか!サジャ君に頑張れって伝えてね!またねー!」
ショナは元気に帰っていった。
まあ、また会ったときに聞けばいいか。
私は仕事をしに酒場へ戻った。
ショナ編おわり!