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14‐2

勢いで飛び出してしまって、後悔する。

あれじゃ二人とも驚いただろう。


でもあの場にいたら泣いてしまいそうだったのだ。


わかってはいたのだけど、本人から言われるときついものがある。


隠れたところでうずくまった。


落ち着いたら帰ろう。


帰ったら、笑顔で変な行動を謝って、そうだ、ショナの赤ちゃんを撫でさせてもらおう。かわいかったし。


「チャニさん!」

「ぎゃあ!!!」


いきなり声をかけられて心臓がひっくり返る。


振り向いたらサジャがいた。

走ってきたのか、息がきれている。


「なんで、泣いて、」


慌てて顔を隠す。


「いや、違うのよサジャ。これは、そう、目に砂が入ったのよ!」


言い訳が苦し過ぎる。

案の定、サジャはごまかされなかった。


「・・・僕に言うのは嫌?」


悲しげな顔をする。

私は慌てた。


「違うわ、嫌とかじゃなくて」


なんて言えばいいのか。


親じゃないと言われて悲しかったと?

言ってサジャに本当のことじゃないかと言われてしまったら?


いやだ、と思うのに口は動く。


「私じゃ、だめ?」

「え?」

「私じゃ、サジャの親に、なれない?」


怖くて膝にある手が震える。


サジャは驚いた顔をした。

納得したように頷く。


そして、私の前にしゃがんで、両手で私の頭を包んだ。


「ごめんなさい、チャニさん。あれはそんな意味で言ったんじゃないよ。僕はチャニさんに引き取られてすごく良かったって思ってる」

「・・・本当に?」

「うん」


ほっとして私はサジャの小さな肩にもたれてみた。


「サジャ、私達は家族?」

「うん。とっても大事な家族。だからチャニさん泣かないで。チャニさんは笑ってるほうがいいよ」


サジャはたらしみたいなことを言う。


私は笑ってサジャに抱きついた。


ちょっとそのままでいたあと、二人で一緒に酒場に戻った。





恥ずかしくてもだもだします。

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