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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

『ざまぁ』するのは私ではありません

作者: こうじ
掲載日:2026/05/28

(どういう気分で送ってくるのかしら……)


 私ロザリアは机の上に置かれた一通の招待状を見て溜息を吐いた。


 差出人は実家からで妹の結婚式の招待状だ。


 姉なので出るのが当たり前だと思うけど私は出たくなかった。


 何故なら妹の結婚相手は私の元婚約者なのだ。


 1年前に妹と元婚約者の不貞が発覚し私は荒れた。


 私は実家を飛び出し一人暮らしを始めた、家族とは一切連絡は取っていない。


 漸く心が落ち着いて来た頃にコレである。


 私が素直におめでとうと言うと思っているのか。


 そもそも結婚式には親戚とか友人が出るのだ。


 その人達が私の事をどう捉えるのかわかっているのだろうか、わかってないからこんな厚顔無恥な物を送ってくるのだろう。


 1年で私の受けた心の傷や怒りや悲しみが収まる訳が無い。


 まぁ私の事なんてどうでもいい事がわかったのは良かった。


 だから、私は『出席したいのは山々ですが……』とやんわりと欠席する、と返事した。


 その後、特に手紙も来ないのでその事は徐々に忘れていった。


 それから暫くして友人が訪ねてきた。


 学院時代からの付き合いで私の事情を知っている。


「貴女の実家、とんでもない事になってるわよ」


「何かあったの?」


 友人が差し入れしてくれたケーキを一口入れた。


 あぁ、この甘さが心を癒してくれる……。


「この間、貴女の妹さんの結婚式があって家族と一緒に出席したのよ、本当は凄く嫌だったんだけど」


「あぁ、そういえばそんな手紙が届いていたわね」


「まぁ豪華な結婚式だったわよ、特注のウェディングドレス着て、なんかキョロキョロしていたけど多分貴女の事探していたんじゃないかしら?」


「私はちゃんと欠席の返事をしたわよ」


「そうは言ってもどっか物陰にいるんじゃ、とか思っていたんじゃないかしら? 一応貴女の席もあったから。 もしかして仲直りを演出しようとしたんじゃないかしら」


「あぁ〜、それはあるかも。 『色々あったけど家族仲は良好ですよ』てアピールしたかったかも」


「まぁその前にとんでもない事が起こったんだけどね……」


「とんでもない事?」


「うん、貴女の妹さん、刺されて死んじゃったわよ」


 ……はい?


 友人曰く、バージンロードを歩いていた最中、出席していた1人の女性が突然立ち上がり『この女狐! 人の家庭をぶち壊しておいて自分だけ幸せになるなんて許せない!!』ってナイフ持って背中をぶっ刺したそうだ。


 突然の事で騒然となるんだけど更にその後、何人かの女性が倒れて息も絶え絶えの妹に罵倒したらしい。


「どうやら、他の男にも手を出していたみたいで……、警備兵が来て押さえられたけど、新郎は呆然としているしご両親は泣き叫んでいるし出席者の中には倒れる人もいたしもう修羅場だったわよ」 


「それで妹は亡くなったの?」


「ナイフが深く刺しててね、出血が酷くてその場で死亡が確認されたわ。 でもね、そうなるだろうなぁ、ていう予感はあったし醜聞の結果でしょ? 公爵家に同情する人はいないらしいし王家も子育てを出来なかった事を問題視してるわ」


 妹がそんな目に遭うなんて想像できなかった。


 幼い頃は仲良かったし可愛かった、成長するにつれて軋轢が生じてこんがらがってしまった。


 スッキリとはしないし後味はかなり悪い。


 ただなんかちょっとだけ軽くなった様な気がする。


 その後、両親はショックで寝込んでしまい私に跡継ぎの話が来たんだけど断った。


 結局、親戚が引き継ぐ事になったけど近々没落するらしい。


 元婚約者は引きこもっていて外に出る事は無いそうだ。


 そして、私は近いうちに妹の墓にお参りに行こうかな、と思っている。


 自分の心にケジメをつける為に。 


 

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