無能の賢者、後方支援にまわらない。
前回 ヘカトンケイルは、知と迅速の賢者の活躍により討伐された。
知の賢者は、結果をもとに必要な報告をおこなうが……
「とりあえず、戻って来たからには、何の賢者か語ってもらおうか?」
無能は、魔法や魔導力車で、半日かからずに戻ってくる。
そして、見た目は少年、格好は作業着ゴーグルの賢者のテントで、問い詰めていた。
「蘇生って、もっとかかるイメージだけど」
激速なのはわかるが、今はそこではない。
「うん、二つ名はなんです?」
「人に聞くからには、自分が先に名乗るべきだろ?」
「俺は、無能の賢者!人並み以下の能力と、まったくないスキルを駆使して戦う賢者だ!」
「コイツ…なんの躊躇もなく…」
無能のまっすぐな眼差しと決意に、押される。
「ッと…お、き賢者」
「ハッキリと!」
「ちょ…きい賢者」
「俺はぐらいハッキリ!」
「…っ、ぐ…きい賢者」
「もう一声!」
「ちょっと具の大きい賢者」
え?ちょっと具が大きいって言った?ハッキリ聞こえたけど、似たような違う言葉か?そうか!前半は聞き間違え?じゃあ大きい賢者?なにが?見た目ちいさいぞ?ってことは…
「そんなわけあるか〜〜〜〜!!!どこに大きい要素がある!!」
「だから!『ちょっと具の大きい』が二つ名なんだよ!!」
「………そんなわけあるかい!!」
ちょっと具の大きい賢者は、真剣な眼差しでコッチを見ている。
「そんなわけあるかい?」
「…ある」
「そんなわけ……………あるんかい?」
「あるんだよ!そんなわけあるんだよ!あの知の賢者はそう言うヤツなんだよ!!!」
知の賢者の名付け…なんか…
「なんか納得できる!!」
彼もまた、知の賢者の被害者だった。
「アイツ酷いよう」
俺達は、すぐに打ち解けた。
「確かにアイツ酷い!」
話を聞けば、魔法の道具をあつかったり、作ったりする能力が高い賢者、らしいのだが、魔力で通信する機械を作ったが、最低ラインでも、賢者クラスの魔力量が必要で、しかも、魔力依存の少ない、力の賢者が使えない代物だったり、単純に念通にしたら、誰彼かまわず、手当たり次第に撒き散らしたり、凄くても、丁度いい融通が効いたものが、できなかったらしい。
「最初は、酷いって言ってた奴らも、そのうち丁度いい二つ名だって…」
「うっ…」
これから俺に降りかかる確定次項…
「二人共、中にいるの?話があるの?」
うっ、噂をすれば…知の賢者の声に、すぐに出した。
「これから管理ギルドに行ってくるの」
俺は、ちょっと具の大きい賢者より後ろに立ち、会話を任せた。
「無能と迅速の報告ですか?」
「それならワタシは、お前の作った魔力通信で十分なの」
「じゃあなんです?」
「大きい具、お前の二つ名を変えるの」
『な!にィィィィィィ!!』
こっ、こんなにも早く、友情が終わる日が来るなんて…
「ただし条件があるの」
「はっハイ!なんでしょう知の賢者様!」
メッチャいい笑顔!
「お前の発明は、必ず無能が使えるものか、無能のオッケーがでたモノのみ発表するの」
「え〜無能ごときに、僕の発明の凄さがわかりますかね〜」
もう上から来るのか!?
「お前の発明の悪いところは、誰でも使えないか、誰彼かまわないところなの、無能が使えるなら、世界の誰でも使えるし、無能で試してヤバそうなら世に出さない、なにより、失敗しても、無能なら無再投入時間なの」
死ぬこと前提じゃん…
「酷い…」
「素晴らしいです!知の賢者様!っで?僕の二つ名は?」
「魔道具か魔具の賢者なの」
「え〜どっちにしよう、悩むな〜」
その悩み、俺には眩しい!!
「それはギルドの決めることなの」
「ところで、無能も変わる可能性があるんですか?」
そう!それそれ!
「……自分でさわいで転げ落ちて、ケツに剣をぶっ刺して飛び跳ね、あげくに石に頭ぶつけて死ぬやつに、なんて名付けたらいいの?」
魔道具の賢者は俺を見て、真剣に悩みだした。
「っそ、それは…もちろん……………アッアレですよ……………………無能です。」
彼はそっと、顔をそらした。
「なの」
くっそ!チョキの音も出ねえ…
「あとお前たち、最前線から東に移動なの」
最前線から移動?どうやら俺達は、後方支援になるらしい。
魔族の本拠地は、ここより北西にある。
なので、戦力として優秀なら、より西に北に行くわけである。
「東と言うと、あのダンジョンですか?」
「そうなの、お前達は、奈落のダンジョン送りなの」
「なっなに奈落のダンジョンって?」
不安しかない。
次回、無能の賢者がまかり通るは?
どうも、魔具(仮)の賢者です。
賢者は、倒した魔族の魔素、通称経験値でも成長するんだけど、ヘカトンケイルの経験値って、迅速と知の賢者しか、経験値獲得していないんだぜ!?
じゃあ、次のおはなしは?
覗き見の賢者と知った気の賢者
罠と俺を雑にあつかうな
ハンを押すが如く!!
今日の魔道具占い第1位は!
じゃっじゃ〜〜ん!睡眠感知型ギロチンで〜〜〜す!
抱腹絶倒満開全席!全てがアナタの良さを引き出す日!さらにこの幸運のクリスタルがあればグッヒッヒッ…
では、ジャ~ンけ〜ん…するわけないだろう!!!!!ンガクック…