無能の賢者、経験値を獲得しない。
前回、知の賢者の放った槍は、果たしてヘカトンケイルに命中するのか?無能は作戦を遂行できる?そして、その奥にある、知の賢者も狙いは?
知の賢者の放つ超高速の槍を、ヘカトンケイルは見て思った。
見えるということ、打ち落とせるということ!!
槍を弾いた瞬間、その視界が急に真っ暗になった。
スグに何かが乗ったのだと気づいたが、幅の太い、大きな帽子のツバのような、円形のものが乗っている。
「うわ〜ん!コレどうすんの〜〜!!」
いや、何かと一緒に乗っている。
「角デカいよ!1メートル位あるし、根元の直径頭と変わらんじゃん!!」
うるさいが、剣を持っていては、取り除きようがない。
「この無能!引っ付いてないで!飛び降りるの!!」
八本のうち六本を離し、外すとするが…
「やだーー!高い〜〜!!3メートルくらいある〜〜〜〜!!」
さらに上にいる奴が邪魔だ!
仕方なく、剣をもう一本手放して、ソイツを捕まえにかかる。
「手ぇえきたぁ〜〜〜!!」
反対避けたソイツが転げ落ち、持っていたもう一本に、体の何処かが刺さったのか?剣を落してしまった。
そして、謎の輪を持ち上げ、視界を確保したとき、それはもう、目の前にいた。
「二連双斬撃…」
回転しながら、右から左へと、斬撃を同じ軌道で決めてくる。
本来、4メートル近い体格(角ふくむ)に、人間が安定して、こんな斬撃は無理である。
見える、4撃目が装甲のした肉を切りつけるのが…クッ武器が…いや素手で…
「継承剣聖技ッ!フェファニールッッ!!」
逆手に持ち替えた双剣が紅くひかり、同じ軌道で回転しながら、傷口に突き立った。
熱い!そういうモノに触れたとき!その箇所だけそう感じる…だが!刺さった瞬間!全身に感じた!!
迅速の賢者は、双剣を突き立てると、剣を捨て、宙空を走り距離を取る。
口から傷のまわりから、一瞬炎が揺らいだと思ったら、それは一気に火柱になり、ヘカトンケイルを焼き尽くし消滅させ、熱気すらのこらずに終了した。
「なんて威力なの、聞くのと見るのでは大違いなの…」
知の賢者の下に駆け降りる。
「終わりました。」
「流石ね、想定外なの」
「約束、覚えていますか?」
「当の本人はどこなの?」
「え!?」
そのとき、声が聞こえてきた。
「いた〜い!あつ〜い!なんなの〜〜!」
クロイツが岩かげから出て来た。
「うわ痛ッ!ケツに剣刺さってるぅぅう!」
叫びながら、ピョンピョン跳ね回っている。
「ギャッ!」
自分で転んで岩で頭を打って倒れた。
その姿を、一般兵達と賢者の二人は、ボーゼンと眺めるしかできなかった。
「あっ蘇生?」
クロイツの体が、光となって消えていく、これから、蘇生の間で蘇生されるのであろう。
「あの無能…今ので死んだの?」
ボーゼンとする知の賢者…
「えっ?いま賢者死んだの?」
「ずっと変だったんだけど?」
「なんか致命傷あった?」
「自分で勝手に死んでも蘇生するんだ…」
ヒソヒソと兵士達が小声で困惑して、勝利すら飲み込めていない…
「クロイツ……あの無能…」
迅速の賢者の口から、自然にそう漏れていた。
「迅速の?あのオシリに剣を突き立てて、自分で飛び跳ねて頭打って死ぬ……アイツの二つ名は何が適当なの?」
知の賢者の問に、震えながら答えた。
「無能に決まってんでしょうがぁぁああ!!あの無能〜〜!!」
知の賢者の決定は、ひどいのではなく、妥当なのだと思ってしまった。
蘇生の間では、蘇生の賢者が無能にあっていた。
「能力が低いとは言え、飛ばしますね〜」
「そんなに飛ばしてます?」
日が違うとは言え、同じ賢者を、連続して蘇生することないので、珍しがっていたが、無能はそんなことは知らない。
「でも迅速の方は、生き残られたんですね、初戦では、大体の賢者が死亡されるのに」
「そうなんだ」
「はい、継承剣聖技のおかげですかね」
えっ!?アイツそんなのもってんだ?
「あらあら、経験値も全然入ってないみたいですね」
「え?参加してたのに?」
「私の眼鏡は、簡易的な鑑定ができ、経験値が見えます。」
「マジで?」
「マジです。」
「じゃあ俺は死に損で!何も変わってないの?」
「損かどうは知りませんが、ハイそうです。」
そのかわいい笑顔もショックで、その場に伏せた。
そして、現地ては、激怒する迅速の賢者を見ながら、知の賢者は思った。
予定では、最後は相打ちになるはずだったの…無能がああならなければ、手に残る剣で迅速は死んでいた筈なのに…
「予定が狂うの…無能」
さ〜て次回の無能の賢者がまかり通るは?
迅速の賢者です。
クロイツのヤツ、何とかとしてやろうと思ったのに!あれじゃあ無能としか言いようがないでしょ!!無能!!
次回のお話は?
お前、そんな二つ名だったのか?
二つ名改名
次の戦場に…
っの三本です。
では、ジャン、ケン、チョキ!
グーの方おめでとう。
皆さんに祝福があらんことを!ンガクック!!