無能の賢者、イっちゃうけどイっちゃわない。
前回、結構な無茶な最悪な嫌なことを振られた無能の賢者だったが、今回、そこに待っていたのは、新たな賢者だった。そして二つ名を聞いたのだったが!?
「あなた、継承剣聖技を継承してるの?」
「はい、まだ試していませんが、フェファニールを使えます。」
「無能の作る隙を、必ずものにするの、そして、それを確実にする為に、二連双斬撃を先に使うの、習ってる?」
「はい」
知と迅速の賢者は、無能とは別行動で目標を遠巻きに、包囲する準備をしていた。
「あの、お聞きしたいことがあるんですけど…」
「なんなの?」
「どうしても、無能じゃないとダメなんですか?」
「どうしても言うか、仕方ないの」
「もっとある気がするんですよね」
「しかたないの、この戦いが終わったとき、もう一度同じことを聞くの…そのときアナタが、いい二つ名を思いつくなら、進言はしてあげる。」
「はい、ありがとう御座います。」
無能は、別行動で、真上から攻める道具を装備しに来ていた。
「君が新しい賢者の無能君?ああ、子どもに見えるかもだけど、僕も賢者なんだよ」
どう見ても、ゴーグル作業着の小学生くらいの少年だった。
「確かに小さい…っで、なんの賢者です?」
顔が曇った。
「今は言えない」
「なんで?」
「僕も、変わった賢者なんだ、流石に、無能ということはないけどね」
片手でクロイツを持ち上げた。
「わお!怪力じゃん!?」
下ろすついでに椅子に座らせる。
「君に使ってもらいたいのはコレ」
分厚い、缶詰のパイナップルのような浮き輪があった。
「っで?どこで泳ぐんだ?」
「うっわ無……いっいや、コレで目隠しをするんだ」
無能って、二つ名関係なく言っちゃうとこだった。セーフセーフ…
ボケたつもりなのに、マジって思われた〜。
二人は思う。『無能の二つ名恐るべし!!』
「ちょっとコレを、抱き込むように丸めこんで、小さくしてみて」
連続ハグする感じで、畳んでいくと、しゃがんで丸まれば、確かに完全に隠せるが…
「文句はないけど、コレ自体になんか被せて、ヒモ引っ張れば開くとか…ヒモで直接縛ってもいけるか?」
「、…!?」
えっ?思いの外ビックリしてる!
「そっそうだよね〜、そんなの気づいてたよ?」
ゼッテー気づいてねーやつじゃん!
「ぼっ僕は、みっみんなが使うことも、カッカッカッ考える、優秀な賢者なんだな」
ゼッテー違うなこれ、むしろ、使い勝手を考えず、ダメにしてきたな。
「っで?二つ名は?」
ゼッテー無能もビックリの二つ名に違いない!!
「どうでも、いいだろう!無能が作戦を成功して、まだ賢者を続ける気なら、教えるよ」
若干やる気湧いて来た。
そして翌日、朝日が登り始めた頃、作戦は開始された。
「日が昇り切る前に決行なの!対象名ヘカトンケイルに対し!構え!!」
魔物を要に、扇形に取り巻く魔法使いが、一斉に魔法を放った。
少し離れた丘
「来たよ!いける?」
「イっちゃう!イっちゃう〜〜!!」
カタパルトに、スキーのジャンプスタイルで構え、背中には三角のグライダーのような感じのものを背負っている。
自身を鼓舞するために、テンションはおかしなことにしておく。
「ッチャイナ!ッッチャイナよ!!チャイナイちゃいな!」
カウトダウンなしでスタート!
「ヒィッ!いっッッちゃ……」
あっと言う間に、無能が飛んでいった。
そして現地では、地上部隊の射撃が続いていた。
「色々な魔法を撃つの!弓は顔を狙って!!」
魔法が効いている節はないが、やはり、顔に飛んでくる矢は、嫌がっている。
「いまよ!魔法も弓も足元なの!!」
一気に足元に攻撃が切り替わった瞬間、いつの間にか、投擲の構えをしていた知の賢者が、先端がドリル状になった槍を放った。
「いくの!!」
ボヒュッと!!槍ドリルが、常人ではあり得ない威力とスピードでヘカトンケイルの顔面に飛んでいった。
次回の無能の賢者がまかり通るは?
どうも、だったのだったです。
文末に使われるだったのだったですが…
まさか、話の終わり、次回予告をまかされるのだったのだった。
では次回お話は?
だったのだった
だったのだったのだった
えっ?もうだったの?
の三本です。
せ〜の!ジャけ〜〜いけん〜ぽ〜〜ん!パラダイスヘビ!!
蛇形拳サイドワインダーの人の勝ちだったのだった。ンガクックッ!