無能の賢者、蘇生に感謝しない。
前回 よわよわ死にかけのワードックにハンマーで殴られて、あっさり死んだ無能だが、彼が魔王討伐までに、圧倒的、賢者からの支持得るのは確定事項、なので、いずれおそらく活躍するまで、やんわりと見守ってくれ。
「女神さま↑俺はドゥなったんですか〜↑」
俺の記憶は、死にぞこないのワードックが、なんか動きそうなとこまでで、その次に気が付くと…
「私は、あることに気づいたのです。」
「なんです?俺がイケメンってことですか?」
「賢者の特長は、蘇生できることです。」
「はい」
「しかし、総エネルギーが多いほど、蘇生には時間がかかります。」
「はい」
ようは、賢者が蘇生するには、いくつかの条件がある。死亡から24時間以内で、本人が復活を望む場合、かつ一人ずつなら復活できる。
それと、強いほど蘇生に時間が係る。
つまり女神は、蘇生を最短にできる賢者を作ったわけだ……
「えッッ!?もッもう?瞬間??」
初めて聞く女の声とともに、蘇生の最短時間記録を更新した。
「なんだここ?」
目の前には、チビ、眼鏡、巨乳、ちょいポッチャリ、運動神経悪そう、っな女がいた。
「ここは再生の間、私は蘇生の賢者、アナタは、たった今、初めての蘇生を受けたのですけど…」
そりゃ〜驚くよな、今までしてきたどの蘇生よりも早いんだもん…そしてそれは…
「本当に賢者の方です?」
「疑うほど早いのか…」
賢者としてあり得ない速度の蘇生なのだろう…
「あっいえ、蘇生できると言うことは、賢者の証なのですけと…」
やはり、あまりにも速いと?
そして、王座の前での任命式、鑑定を行った、魔法協会の会長から、衝撃の二つ名を与えられた。
「キリエ=クモガミ」
「はい!」
「貴殿の能力は、空間を自在に移動する能力、瞬間移動は出来ないが、どの位置の空間でも、床や壁として利用できる。便宜上これを、虚空を歩く者と名付ける。」
「はい!」
「そして、素早さとバランスの能力値が高いことを加味『迅速』の二つ名を与える。」
「はい!キリエ=クモガミ、迅速の賢者として、必ずや活躍致します。」
王が立ち上がり、その手に賢者の証であるペンダントネックレスを持っていた。
「迅速の賢者よ、前に…」
「はい!」
王の前に膝まづく。
「面をあげい」
「はい!」
その首に証をかける。
「迅速の賢者、活躍を期待しておるぞ」
「はい!」
そして俺の番…
「クロイツ=シュバルツ=ローゼル=シュタイ」
「はい」
「貴殿には、すまぬが、なんの能力も発見できず、全てのステータス値が、一般人の6〜8割しかなく、正直、名付けようがない、しかし、運営・管理・仕組みの都合、便宜の上て、仕方なく『無能』の二つ名を与える。」
「マジか〜」
本音がでたし、貴族や騎士達が、かなりザワザワしている。
「おいで」
王様も、なんだか申し訳無さそう。
「無能の賢者よ」
「…ッッハイ」
「認めたくないだろうが、能力が常人以下であっても、蘇生の出来る賢者は、最前線に送られる。幾度となく死ぬであろうが、精一杯がんばってくれ」
なんだか、自然と泣きそうになってきた。
「かわいそうに…」
どこからともなく、つぶやきが聞こえる。
俺は、『かわいそう』という言葉ほど、ひどい言葉はないと思う。
王は、半泣き手前の俺に、賢者の証をかけた。
「お前には特に期待していない、次回蘇生時に、賢者をやめるのも一つの手だ」
蘇生時に賢者やめると言う選択肢もあり、それを選ぶと、一般人に戻る。
ただ、継承する系の能力、条件はマチマチだが、力の賢者などは、先任の力を引き継ぐことができる。
ただし、引き続きなしにやめると、次の発現が、どうなるのかわからないのである。
後、俺にだけ、クリスタル製の首飾り用のマネキンが渡された。
半泣きでキリエの横に戻ると、流石幼馴染である。
「賢者になるの夢だったもんね、うれしくて泣いても、おかしくないよ」
って、つぶやきで、幼馴染ならではの角度で、俺を突き刺してきた。
俺はこの日、期待を捨てた。
誰かに与えられる力を期待しない。
俺の力は、俺の中にあるもののみだ!
優しさや思いやりに救いを求めない!
賢者の夢は叶った!与えられた!
賢者と言う現実で!
必ず俺は!
夢以上の結果を掴む!!
次回の無能の賢者は!!
って言いたいけど、今回はキャラ紹介
迅速の賢者こと『キリエ=クモガミ』
ショートヘアーのボーイッシュガール、強気ではあるが、口は悪くない。
クロイツのことは、子供の頃から知りすぎて、情はあるが恋愛対象ではない。
なんかアホだな〜って思っている。
双剣と蹴りで戦う、学校成績は筆記中の中、実技は中の上、賢者でなくても、無能よりは圧倒的に強い。