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無能の賢者がまかり通る。  作者: 斉藤よっきゅん♪
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無能の賢者、無能を倒さない。

どうも、無能の賢者です。


今回は、悲しき宿命か、俺が魔王を倒すまでのベストバウトの一つ、機知の賢者との闘いの回です。


 本来なら、手を取り合うことになるはずの俺達が、なぜ争うことになったのか?


 しっかりと見てくれ!!

 オッス!オラ無能の賢者!クロイツ=シュバルツ=ローゼル=シュタイル!


 うっひゃ〜ビックリしたぞ〜、もっと死にまくるかと思ったら、3階層まで無傷!!


 しかも、ここから先は、下に行くほど昇降口が少なくなって、ダンジョンの広さも狭くなるんだってさ!


 ただし、罠はきびしくなるしアンデットも強くなるんだってさ!オラ〜強いヤツと戦えると思うと…


「ワクワクどころか、イヤイヤ期に突入しそうだ…」


 三階から四階に降りる階段の一つに来た。


「じゃあ無能、ゆっくりとフロアーに入ってくれ。」


 ケンケンの指示でユックリと、フロアーに…


 ザンッ!!


 上から刃物が降りてきて、頭が横真っ二つになって倒れた。


 これが奈落のダンジョンでの、記念しない死亡一回目となる。


「うおぉぉぉぉお!!今絶対死んだ!!」


「蘇生はぇ〜なw」


 ケンケンの声にあわれみはない。


「順調に死んでるみたいだな、ここからは、俺の能力で、多少なりとも補足しよう。」


 機知の賢者が、別の階段からやってきた。


「まだ一度目だ、蘇生すると言っても、人が死ぬんだからな、それなりに注意している。」


 ケンケンは、ティッシュよりは上に見ているのかもしれないが……


「ここは、もっと丁寧に行けた気がする」


 そこまで重くは見ていない、蘇生のある賢者ならではなのだろうか?


 しかし、機知の賢者は、占い師なのに割と筋肉がしっかりして、背もオッパイも割とある。


 見の賢者180、機知の賢者170、俺と迅速が165、魔道具の賢者155、知の賢者と蘇生の賢者が145くらいかな?


 あと、機知と蘇生はE以上、迅速はCかD、知の賢者は俺と変わらないだろう。


「チチの賢者って、いい身体だね、占い師より、戦士寄りのイメージに見える。」


「ん?なんつった?」


 あっやば、オッパイに釣られて、機知をチチと言い間違えた。


「ききき、機知の賢者って、戦闘系っぽい体格だよね?」


「そうなんだけど…」


 話によれば、賢者に目覚める前、運動能力に優れ、複数の魔法を使える彼女は、覚醒さえすれば、超強力な賢者になると思っていたし、まわりも期待していた。


 が、覚醒してみれば、常人以上だが、賢者としては全てが微妙な後衛職、機知の能力がなければ、戦闘要員にすら、ならなかったやもしれない。


「じゃあ、戦闘はどうなってるの?」


「まあ、見てな」


 スケルトンが、部屋にワラワラとやってきた。


「いつも通りにな!」


 見の賢者に声をかけ、機知の賢者は、スケルトンの群れに突っ込んでいき、見の賢者は、階段の入り口に構え弓を構え、無能はその後ろに隠れた。


「さあこい!」


 機知の賢者は、相手の攻撃を先読みしたような動きで、攻撃をかわし、見の賢者が、弓で撃ち漏らすことなく、スケルトンの頭を砕いていく。


 無能やることなし!!


 敵を掃討そうとうすると、休憩することになったが…


 正直!疲れてねぇ!!


 そんな感じで、罠避け役以外に、できることなく、初日は5階途中までに、死亡回数は2回と、コスパ良く死んだが、流石に蘇生するとしても、人を罠に突っ込ませるのは、気が引ける部分があるようだった。


 死亡回数を抑えつつ、6階まで3日間、7階まで4日間かかった。


 そして、8階に降りた最初の罠に、全俺が泣いた。


 当たり前のように、先頭をいく俺、フロアの先に行くための石板に触れると…


「うわわわ!?俺?」


 大量の俺が湧き始めた。


「ドッペルゲンガーだ!本物は動くな!みんな!動いてるヤツを狙うんだ!!」


 見の賢者の声に、機知の賢者や一般兵が従う。


 俺は下手に動かずに、ボーゼンと見ていた。


「よっわ!?」

「スケルトンより楽じゃね?」

「他の賢者だったらヤバかったな」

「変身前の方が強いんじゃないか?」

「流石無能!」


 どんどん倒されて行く俺、無傷の兵士達、どんどん倒されて行く俺、笑顔の兵士達…どんどん倒されて行く俺、ボーゼンと見てる俺…どんどん倒されて行く俺…俺、俺…


「もう!もう!俺を倒さなくても…ぅィいいだろうぅぅぅ!!」


 俺は、しがみついた、機知の賢者にしがみついた。


「わっなんだ!?本物か?」


「俺は丸腰なんだぞ!スケルトンより弱いんだぞ!それを…それをこうも簡単に倒すことは!とってもひどいことなんだよ!」


「やっめろ!抱きつくな!」


 背面からしがみついたが、身をよじるので、前からになった。


「もう十分だろ!1人くらい残してやれ!1人くらい勘弁したらぁ〜〜〜〜!!」


 ちょうどオッパイ顔にくる!!


「は、な、れ、ろ!!」


 その時、俺の『すっげぇぇ!パワー出るけど君!』が光った。


「限界を超えろオオォ!!」


 機知の賢者のパワーに、自分の骨がミシミシいっているのがわかる。

 

「妙な限界超えるな!鼻の穴に指突っ込んでファイアーするよ!!」


「やるがいい!賢者なら!鼻だろうが何だろうが!敵を倒すためならやるがいい!!」


 俺は、この胸の谷間から、決して離れるわけにはいかない!!それに!俺の鼻は谷間の奥だ!!


「わかった!一匹残すから!放して!」


「やだ!なんか離れられない!!」


「こんな意味ないところで!力を使うな!」


「意味や価値だけが!結果につながるわけじゃないんだ!これだって最善の一手かもしれないんだ!!」


 体中に、限界を超えた痛みが走っているのに!胸の谷間で息苦しいというのに!!全然離す気にならない!!これが賢者の使命感と言うものなのか!!なんという重さ!!


「もうッ!…注意したからね!」


 機知の賢者の右の人差し指が、左の耳の穴に入った瞬間、俺の意識は飛んだ……

次回の無能の賢者がまかり通るは?


無能の賢者です。


 ドッペルゲンガーまで、10回くらい死んだ中からのベスト3を、お送りします。


先ずはミミックです。


 宝箱が穴倉にある時点で怪しいのに、機知の賢者の言うことも聞かずに開けたらヤラれました。


 アレって丸呑みするから、基本窒息死なんだなって思いました。

 自業自得だって、みんな助けてくれなかったのが印象的です。


次に串刺しです。


 床に、あからさまな穴があって、絶対に罠じゃんって言ったら、機知の賢者が危険な感じがしないって、飛び越えたんだよね…それで俺も行こうとしたら……二人目に反応するやつで、下から串刺し、それが変に死なないふうに刺さって、苦しくて苦しくて、見の賢者にトドメを頼みました。


最後は、溶〜岩〜プ〜〜ル〜〜、トテトテん。


 これがヤバいのは、蘇生すると溶岩の上なんだよね……あとは言わずがモナ〜言うのが八頭身です。

 一般兵の方に、長槍で素早くシュッてやってもらって、なんとかなりました。

 ここだけで、体感10回死んでます。


 その後の笑顔で殺される俺の群れ…


 マジであの谷間には、心的に助けられました。


それでは!ジャン!ケン!グ〜〜〜〜!!

負けた人は、一枚脱ぐことな!ンガクック!!


 

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