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アニマル作法

作者: 天海波平

作法は人間だけのものではない…… たぶん……

 何故、このようなテーマのエッセイを書こうかとしたのかと言うと、近年の若者の行動は礼儀も作法もなくうんぬんかんぬんと言った事ではなく。

 何となく見ていたアニマル動画で、わんこがベッドで寝る前に、シーツの匂いを嗅いだ後、ぐるぐると三回ぐらい回ってから横になることや、猫が足をピーンと突っ張りながら毛繕いする姿を見て、「作法やな……」と思っただけだったりする。


 それだけではあるんですが、なんか「作法」って思える行動には心にグッとくるというか感じ入るというような部分ってありますよね。

 ここでは強いていうなら「動物の作法」って感じでしょうか?

 

 「習性」と言っても良いかもしれないけど、ちょっと違う。

 リスが頬袋にドングリ詰め込むのを見ると、習性とは思うけど作法とは思えない。

 先に書いた、わんこが寝る前にベッドの前でぐるぐる回るのは、しない子もいて、自分はそこに「作法」というものを感じたりしている。

 猫の足ピーンしながら毛繕いするのは習性ではあるけど、どことなくそこに美しさを感じて作法と呼べるのではないかと思っている。


 他に何があるかを考えると……

 レッサーパンダの「ガォー」やコアリクイの「ここは通さん!」といった彼らの威嚇は何となく作法と思える。

 多くの鳥類に見られる求愛ダンスは人間から見たら習性ではあるんだけれども、彼らからしたら作法と呼べるものだろう。

 そう考えると「作法」も「習性」もあまり大きな違いとは思えなくなる。

 人間の言うところの「作法」もある意味で「習性」かもしれない。

 礼儀作法も茶道や花道の作法も、美しさを求めるという人間の習性がもたらしているのかも知れない。


 そんな事を考えていたら、何故か庭で乾布摩擦する爺さんを思い浮かべてしまった。

 

 どうやら「健康に導く所作」という部分を「健康に導く正しい所作」に脳内変換して、さらにその「正しい所作」の部分は「美しい所作」と再変換したようだ。

 美しい所作は作法ということに間違いではないはずだが……


 爺さんの乾布摩擦する姿が美しいか?


 大丈夫か…… 自分…… いやでも爺さんの「習性」の部分では正しいのかも……

 あれ? 分からなくなってきた?

 「習性」と「作法」は別だけど、「習性」に「美しさ」を感じると「作法」に思えるよねって話しを書くつもりだったはずだが……


 段々と爺さんが美しく思えてきた……

 

 あれ? あれ?

 思考が寝る前のわんこになっている。

 

 まぁ、いいか……

 これが私の習性(さほう)なのだろう……

 

昭和時代で見られた乾布摩擦ももはや都市伝説と化し、その存在は天然記念物をも凌ぐ。


 爺さんは大切に……

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― 新着の感想 ―
[良い点] アニマル作法可愛い~♪ なごませていただき、ありがとうございました。
[良い点] 分かります~。 動物や虫たちにだって、作法はありますよね。命を紡ぐための礼儀。 敬意に値します。
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