賽銭ドロと変造硬貨の話
今は昔
初代500円硬貨が発行された頃の話。
当初発行枚数が少なかったのかレアコイン扱いされていて、穴を開けメッキを掛けてペンダントトップにした馬鹿までいました。
「お前ソレ変造硬貨で違法だぞ」
「え、マジすか」
「マジ。
結構重くて最悪実刑」
「ええー、どうしたらイインすか?」
「銀行持ってったら交換してくれるんじゃね?」
「……通報されたりしないすか?」
「知らね」
「今オレちょっとヤバイんすよ」
「お前いっつもヤバイよな。
捨てろ、もう」
「うーん、もったいないでしょ」
「……そしたらお地蔵様の貯金箱に入れとけ。
指紋はちゃんと拭いとけよ」
今はもうちゃんとした賽銭箱になっていますが、昔近所のお地蔵様の前には飾られた花の間に缶の貯金箱が置いてあって、お参りした人が小銭を入れていました。
大した金額が入っていたとも思えないのですが、当時それが続けて盗まれて問題になっていたのです。
「パクッたバカなガキが遣って捕まるかもしれん」
結構いい大人が捕まりました。