表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/57

第46話 第二の魔境アビリティ

王妃の反乱から3ヶ月が経った。


「オルクス様、いましたデーモンの群れです」

「よしはじめるか」


 俺とマリギュラは現在、デーモンが大量発生した廃村へ来ていた。

 

「辺りに人がいないのも確認済みなので思う存分暴れて大丈夫です」

「わかった」


 この3ヶ月俺は、魔境アビリティの開発と強化に力を入れていた。

 理由はアックスの存在である、正直アックスには普通のアビリティではまず歯が立たない。

 その為さらなる魔境アビリティの開発、及びその応用が必要になると考えたのだ。

 その結果、新しい魔境アビリティとその応用技が完成した。


「じゃあいくぞ、アビリティ発動ー【魔境】闇夜雨山あんやうざん

「いぎゃぁぁ」


 【魔境】アビリティー闇夜雨山あんやうざん、消費魔力23000で滝のような大雨と無数の竜巻を発生させる術である

 急に発生した竜巻にデーモン達は散り散りになっていった。

 

「お見事です」

「これだけじゃないよ、【環境操作】斬雨」

「ぎゃう!」


 【環境操作】、魔境アビリティの応用術であり自身の体の一部とその環境を同化させその一帯の環境をより複雑に操作できる術である。

 そして斬雨は、天から無数の水の刃を降らせるものである。


「凄い威力ですね」


 【魔境】闇夜雨山あんやうざんにより50以上はいたデーモンが一気に半数近くまで減った。


「まぁ一応最上位のアビリティだからね、これくらいはやってもらわないと困る」

「そうですね、しかしこれだけ巨大な術だともしもあの中に味方がいた場合はどうなるのですか?」

「ああそれは」


 基本的に【魔境】アビリティ内で敵味方の区別はつかない、故に無差別攻撃となるが俺には広域知覚センサーがあるため知っている者であればその魔境内にいても打ち分け可能である。


「それは?」

「大丈夫、他の連中は知らないけど俺は打ち分け可能だよ」

「おお!さすがはオルクス様!」

「さて、それじゃあ終わりにしようか」

「かしこまりました、それではこちらを」

「ありがとう」


 マリギュラはそう言って俺に一本の剣を渡した。

 3ヶ月の研究の結果【魔境】アビリティにはさらに奥義のようなものがあることが分かった。

 魔境の力を武器に集中させる術、その名も【魔境器】というものである。


「闇夜雨山の力をこの剣に集中させるイメージっと」

「す、凄い嵐が剣に吸われていく」


 俺が剣に力を集中させると辺りの雨風が止み剣に吸われていった。


「よし、ここだな【魔境器】錬成!闇雨嵐嵐剣」

「お見事です」


 よしとりあえず力を集中させる事には成功したけど……やっぱり器がもたなそうだな。

 力を集めた剣を見ると剣先にひびが入っていた。


「いつまで保つかわからないけどとりあえず振ってみるか」


 そうして俺は眼前にいる約20体ほどのデーモンに向けて剣を振った。


「どりゃあ!」

『ブォン』

「いぎゃぁぁぁあ!」


 おお、ただ振っただけなのに竜巻が出たぞ。

 やっぱり凄いな、でも。


『バリン』


 壊れてしまった。

 

「ダメでしたか」

「まぁでも収穫はあったよ」


 保たなかったけど【魔境器】はやはり有用な力だな。


「じゃあ帰ろうか」

「え、でもオルクス様まだデーモンが何体かいますが?」

「いやあいつらはもう死ぬから大丈夫」

「え?」


 【魔境】闇夜雨山、約半径50メートルの空間に滝の雨を降らせ周囲には竜巻をいくつも呼ぶ術。

 そして降らせる雨には毒が含まれており、一定時間その雨に触れたものは毒に感染し死ぬ。


「いぎゃああ」


 そうして残りのデーモンも皆倒れていった。


「流石です」

「さぁ帰ろうか」


 今回わかった事は魔境器は強いけどその力に耐えられる器がないんじゃ意味がないという事だ。

 なにかいい器があるといいんだけど……。

 








 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ