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第42話 黒幕




「おい起きろ」

「む?」


 使われてない屋敷の中、俺はラキュラスを椅子に動けないように縛り付け拘束していた。


「な、なんだこれは……動けない」

「それはレアアイテム魔封じの縄だ、動けないのはそれの力だよ」

「くっそ、貴様何がしたいんだ!」

「色々聞きたいけど、まずはじめに今回の黒幕は誰なんだ?」

「……ほぉ、てっきりエルドレッドの居場所を一番に聞くかと思ったが黒幕か」


 今回の事件は魔人族、エルナス王国とい大きな組織が2つも関わっている、正直言ってエンダートとラキュラスにここまでの事はできないと思う。

 故に黒幕はおそらく……。


「王妃なんだろお前やエンダートにエルドレッドの誘拐やタマキの襲撃、あと魔人族やエルナス王国にこの国を襲うように依頼したのは」

「ほぉ、まさかその名が貴様から出てくるとはな、そしてそれは紛れもない事実だ」


 やっぱりな。

 次期国王候補であるエルドレッドと王妃の仲はあまり良くない。

 理由は現王妃がエルドレッドの実の親じゃないからだろう。

 現王妃サッチはその前にいた王妃が亡くなったために新しく他国から迎入れた人物である。

 そのためエルドレッドの事を幼い時から目の仇にしている、この事はエルドレッド本人から昔聞いたので事実だと思う。

 サッチからすれば血のつながりのないエルドレッドに王になってもらうよりも実の息子である

エンダートに王位継いで欲しいもんな。


「そうか……もしかしてだけどタマキの親も王妃ではないのか?」

「ああ違う」

「なるほどな」

「タマキは一応宮女の子供となってはいるが、実際のところはよくわかっておらん」


 宮女の子か……。

 もしかしたらタマキが殺されかけてるのは本件とはまた別の理由かもな。


「そうか、それで本題だがエルドレッドはどこだ?」

「……ふっ、言うわけがないだろ」

「……」


 俺は殺すことを人間相手には躊躇するが、魔人相手だとまったく躊躇しないでできる。

 それ故にラキュラスがエルドレッドの居場所を吐いた瞬間、俺はラキュラスの息の根を止める。

 それがわかっているからラキュラスは話さないのだろう。


「どうした!何かしないのか!いやできないのか、脅す事以外貴様には無理なのだろう、まだ若いもんな貴様ーー」

『バシュ』

「え?」


 俺はラキュラスの首を刎ねた。


「まぁ確かに若いけど、俺実はエルドレッドよりもタマキさんの方が王に相応しいと思ってるから、最悪エルドレッドにはこのまま見つからないでいてくれてもいいと思ってるんだよね」

「な、なんだと!」


 首だけになったラキュラスはそう叫んだ。

 やっぱりなこいつら魔人族の生命力は普通の生き物より高いんだ。

 

「さぁてこのまま俺は城に戻ろうかなぁ」

「……おい待て、私はどうなる?もしかしてこのままなのか」

「いやぁそんなのそのまま放置以外の選択肢俺には無いよなぁ」

「ちょ、ちょっと待て、わかった金か?金ならやるぞ」

「いやいいよそんなの」


 そう言って俺は首だけのラキュラスを置いて一人先を急いだ。


「わかった!わかったよエルドレッドの居場所を教える、教えるから私を身体に近づけてくれ」

「その言葉本当だな?」

「ああ本当だ!」


 ラキュラスはそう言ってじっと俺のほうを見た。

 うーん、まだ色々信じられないけど、概ね作戦通りかな。


「いいだろう、あとなんで身体に近づけるんだ?」

「そうしないと身体が再生しないんだよ」

「そうかそれなら、アビリティ発動ー瞬間凝結」


 俺は首だけになったラキュラスを凍らせた。

 これなら再生はしないだろう。

 まったく色んな意味で厄介な奴だ。

 エルドレッドの事は半分嘘で半分本気。

 理由はそれくらいの覚悟がないと騙せないと思ったから。

 でも今思うと結構な賭けだったかもなぁ。

 

 

 

 


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