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第39話 迅速な制圧?


 さてと、これから城の中に入るわけだがアックスを俺に差し向けたラキュラスには何かお礼をしてやらんとな。


「ギフトスキル発動ー広域知覚センサー」


 お、やっぱり城の中には見たことのない魔人とエンダートがいるな、おそらくこいつがラキュラスだろうな。

 よしそれじゃあ場所もわかったしはじめるか。


「アビリティ発動ー【多重】雷砲」


 俺はラキュラスとエンダートが城の中にいるのを確認したので、城を思いっきり攻撃することにした。

 まぁまた後で創造建築で元通りにするし別にいいだろ。

 ズドドと音を立てながら雷砲は城の城壁を破り、中にある居住区らしき場所にも数段砲弾が届いた。


「な、なんだ何が起こっているんだ!」


 城壁が破れると中から衛兵が複数人出てきた。


「お、出てきたな」

「なんだ貴様ぁ!」

「敵襲だ、全員出て来い」


 こいつらは後々面倒になるかもだしなここは一気にやらせてもらおう。

 出てきた衛兵はざっと50人くらいか、ま、これくらいなら大丈夫だな。


「アビリティ発動ー【最大開放】感電波」


 アビリティー感電波、消費魔力1000、効果自分を中心にして広範囲に電気を流す術である。

 しかも今回は【最大開放】により範囲と威力をおおよそ3倍ほどに高めているので、俺を取り囲んでいる50人は一網打尽である。


「ぐわぁ」

「た、助けてくれぇ」

「え、エンダート様ぁ」


 よしこれでエンダートとラキュラスの下へいけるな。


「まったく騒がしいな」

「……エンダート」


 城の中から何やら派手ないかにも王族らしい服装でエンダートが出てきた。

 俺が最後に見たのはもう何年も前だけど、面影はあるな。

 気をつけないとな、ティアナの話だとこいつは魔人だもんな。

 ま、アックスの相手したあとだから気が楽だけどね。


「お前、まさかオルクスか」

「ああそうだ、久しぶりだな」

「驚いたあの弱かったお前がここまで強くなるとは」

「色々あってな」


 こいつ12歳のくせに相変わらず偉そうだな。

 そういう奴にはこうしてやる。


「アビリティ発動ー空間固定」

「なっ」


 俺は空間固定でエーペックスの動きを封じた。

 どうせエルドレッドの件とかもあるし捕らえようと思ってたからな、さぁてこのまま大人しくしてくれるかな。


「どうだ動けないだろ」

「次期国王のこの私によくも……」

「気が早いなエンダート、まだタマキさんがいるぞ」

「なるほどな、幾度となく命を狙ったがお前が守っていたのだな」


 そう言ってエンダートは納得したようにこちらを見てきた。

 こいつ、捕らえられてるってのに随分と余裕そうだな。

 というかラキュラスはどこだ?


「私を探しているのだな、四人目の王よ」

「あ、お前は」


 動きを封じたエンダートの裏からラキュラスが出てきた。

 意外にも体躯はそんかに大きくなく、身長160センチ程だった。

 ん?ちょっと待て、ラキュラスの後ろにいるあいつは……。

 

「まったくアックスを差し向けたというのに、やり過ごすとは運も良いのだな、いや違うなあの"英雄王"が馬鹿だっただけかもしれんな」

「……おい」

「あいつ……"英雄王"は三王の中でも飛び抜けて頭が悪いしやりかねんしな、ふっ、何が世界の調和だ」

「……おい!」

「なんだ!さっきからうるさいな貴様!」

「後ろ……」

「え?」

「よぉ、馬鹿な"英雄王"とはよもや私の事ではないだろうな?」


 ラキュラスの後ろでアックスは、ラキュラスがアックスについて雄弁に語っている様をずっと黙って聞いていた。

 俺はそれを見ていたので忠告してやろうとしたのにこいつときたら……意外とアホなのかもなラキュラスって奴は。


「ち、違うんですよ"英雄王"これは本心ではなく」

「ほぉ、では本心ではもっとひどい事を思っておるのかな?」

「い、いや違……」

「問答無用、ギフトスキル発動ー鉄拳!」


 そうしてラキュラスはアックスの怒りの鉄槌により彼方へと飛んでいった。


 


 

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