表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/57

第31話 エンダートの正体



「魔人族って、何言ってんだよエンダートは王族だろ?」

「昔はね、でも今のあいつは一度死んでるから人ではないの」

「い、一度死んでるだって」


 ど、どういうことだ。

 エンダートが一度死んでいるなんて聞いた事ないぞ。

 

「まぁ、あんたみたいな一般人は知らないわよね……いいこと今から言うことはこの国の最大の秘密に関わる事だから他言しないでね」

「わ、わかった」


 最大の秘密?一体なんだっていうんだ。

 

「昔、エンダートがまだ2歳の時、王はエンダートを連れて辺境訪問に行ったの」

「お、おう」

「そこで王とエンダートはクーデターを目論む武装集団に襲われた」

「え?」


 なんだよそれそんなの聞いたことないぞ。


「そこで運良く王は近くの街に逃れられたけど、エンダートは道中に殺されてしまったの」

「う、嘘だろ……」


 王の息子が殺された話なんて今まで一度も聞いたことなかったぞ。

 でもティアナがこれだけ真剣に話してくれてるし本当のことなんだろうな。


「そのことがきっかけで王は死者の蘇りについての研究を始めたの、その過程で見つかったのが魔獣生成と呼ばれるアビリティだった」

「え、ちょちょ、ちょっと待てそれって……」

「……そうよ、エンダートは七獄の魔人ラキュラスによって作られた魔人よ」


 まさか魔獣生成にそんな使われ方があるなんて、イメージ的にはうちの人狼族のアロウみたいな感じなのかな。

 ていうか王族と魔人族に繋がりあるのか?


「ちょっとまて、その言い方だと王族と魔人族には繋がりあるみたいになるけど……」

「以前はなかったわ、でもこの一件があって王は魔人と一度だけ交渉したの」


 う、嘘だろ。

 この国にそんな秘密があったなんて……つか魔人族と交渉なんてそんな簡単にできるのかな。

 何度かあいつらとは話したことあるけど、皆んな等しく戦闘狂みたいな感じがしてとてもまともそうな奴なんていなかったけど。


「俺も魔人族の奴らとは何人か話したけど、あいつらの中にそんな交渉なんてできる奴いるかな?」

「確かに魔人族の奴らはみんなアホばっかりだけどラキュラスは違う、あいつだけは油断できない相手よ」



 そう話すティアナは少し怯えていた。


「そんななラキュラスってのはそんなに強いのか?」

「純粋な力だったら多分あなたの足元にも及ばないわ、でもねあいつは裏で行動することに長けてるの」


 なるほどな要するにくせ者的な感じか。

 

「エンダートが魔人族ってのはわかった、それでさ……結局ティアナは俺たちの味方なのかな?」

「立場的には違うけど……決めたわ、エンダートを裏切ってあんたに付くことにする」

「え、いいのか?」


 そう言うティアナは何かが吹っ切れた様子だった。


「うん、どのみち渇望石を渡したらアンを連れて逃げようかなって思ってたしそれに、あんたと戦うなんてもうごめんだし」

「お、おう」

「じゃあ改めて、よろしくね!」

「う、うん」


 こんなあっさりしてていいのか?

 ティアナめっちゃ吹っ切れてるけど、俺は全然まだ飲み込めないんだけど……





 翌日、俺とマリアと千手は近くにあるカジノへ来ていた。


「よし、お前ら準備はいいか?」

「はい!オルクス様」

「抜かりなく」

「じゃあ行こうか!」


 さぁて、前回は嫌々だったけど今回は本気でやってやる。

 目標はこの店の売り上げの4分の1だ!

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ