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3話 山賊に襲われました

「おいお兄さん!金目の置いてとっととうせな」

「え?」


 ダンジョンから街への帰路の途中、俺は山賊なるものに襲われていた。

 相手の人数は3人、2人が大太刀そしてもう1人が小刀を持っている。

 

「早くしろよ!これが見えねぇのかよ!」


 そう言うと大太刀を持つ男が俺の目の前にそれを突きつけた。

 怖い、めっちゃ怖い!

 なんだよこいつらこんなのまで出るのかよ。

 もうやだ冒険者やめたい、レベル1の俺なんかやっぱりダンジョン攻略なんて行くべきじゃなかったんだ……あ、俺のレベルもう1じゃないんだっけ。

 丁度いい腕試しだ、ステータス的には化け物だけどイマイチ実感がないしここらで今の自分の強さを確認しておこう。


「おい聞いてんのかよ!」

「聞いてるさ!さぁそんなに言うならかかってこいよ」

「お前正気か?見たところ武器もその新品の剣一本のお前が強いとは到底思えないんだが」

「新品だからなんだってんだ、これはそこそこ高い剣だぞ!」

「いやだからそんな高価な剣下げてんのは本当の強者かいいとこのボンボンくらいなんだよ、そんでお前が強者って感じは微塵もしないからどう見ても後者だろ」


 な、こ、こいつよく見てやがる。

 全部正解だよまったく。

 だがなおそらく俺は強い。

 だってレベル差があり過ぎるし。

 ギフトスキル解析により俺は山賊三人衆のレベルを見る事ができる。

 まず大太刀の男2人は共にレベル7、そして後ろの小刀を持つ女はレベル5、前の俺ならばおそらくいや確実に負けていただうろ。

 しかし今の俺は違うだってレベル999だもん。


「いいからかかってこいよ、お前こそその大太刀見掛け倒しなんじゃないのか」

「いいんだなお前、俺は忠告したからな」

「おう!いいからかかってこいよ!」

「本当に、本当にやっちまうぞ!」

「あ、ああ早くこい!」

「い、いくぞ」


 早くこいよ。

 なんだよこいつよく見たら足ガクガクじゃねぇかよ。

 さてはこいつら人を切った事ないなそれはそれで困るな。

 俺としては早く腕試ししたいが、こんな足ガクブルの奴らを打ちのめすわけにもいかない。

 さて困ったな。

 ていうか……。


「早くこいよお前ら!どんだけビビってんだよ!」

「う、うっせぇ!ビビってねぇよ、ただあれだタイミングが合わねぇんだよ」

「は?タイミングってなんだよ」


 おいおいどうすんだよさっきと立場が逆転してるぞ。

 しかもこいつら襲ってきた手前、簡単には引けなくなってるしここは一つ俺の力を示す事ができればいいんだが。

 お!なんだよいるじゃん強いのが、広域知覚センサーによって周りの状況を探索しているといい感じに強い魔物が見つかった。

 よし!こいつをぶっ飛ばしてみよう。


「悪いお前ら!俺ちょっといくわ!」

「は?行くってお前どこ行くーー」


 そう言って俺はおもいっきり地面を蹴って前方に進んだ。

 すると予想以上に加速し、辺の木々を薙ぎ倒しながら高速で移動できた。

 うっわすげぇ楽しい一歩で進む距離が尋常じゃない、だいたい一歩で50メートルくらい進んでる気がする。

 しかも木とかにぶつかっても全然痛くない。

 あ、ていうかあいつら大丈夫かな。

 勢いよくあいつらの間を飛び出してきちゃったから、ぶっ飛んでそうだな……。

 まぁいいや後で倒した魔物を見せればあいつらも納得するだろ。



 

 

 

 

 

 

 

 




 

 


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