第23.5話 ベヒモス日記!
「ーーよしベヒモス、お前は今日からこの先にある異空間で暮らせ、必要なときは呼ぶからその時頼む」
あ、主人よ。
もう少しだけ私をお側に置いては……。
私がそう思うと同時に門が閉まり、私は異空間へと転送された。
こ、ここが主人の作った異空間か。
凄い、草も木も、そして川まである。
それに……。
「ガオオオ!」
私の声がかなり遠くにまで響く。
この世界は一体どれほど広いのだろうか。
少し探索してみよう。
お、なんだこれは。
あてもなく歩いて20分ほど経つと大きな山にぶつかった。
な、なんて大きな山なんだろうか、登ってみようかな、いや高いし辞めておこう。
「ねぇ君、ここの世界を作った子のこと知ってる?」
私が山をみてワクワクしていると突然、空中に謎の男が現れた。
だ、誰だこいつ、空に浮いていようだが人間か?それとも……。
「いやぁごめんね、別に驚かそうとか殺してしまおうとかそんなこと思っていなくて、ただ単純に私の愛でていた木から力を抜き取った子の様子が気になってしまってね」
木から力?
何を言っているんだこの男は。
しかしこのただならぬ異様な雰囲気。
生かしておくと主人《主人》に危険が及ぶやもしれない。
ここは一つ私が息の根を止めるとしようか……。
「え、ちょ、ちょっと待ってよ、別に自分の木を枯らされた腹いせに来たとかではないんだよ」
……だからこの男はさっきから木を枯らすとか枯らされたとか何を言っているんだ?
「それにさ、彼はもう僕の力を宿してしまってるしもうそれはつまり、彼は僕の子供みたいなものなんだよね」
む?主人様が子供?
こいつ無礼なやつだな、よしやってしまおう。
「おっと、ストップ!」
その男がそう言うと私の体は途端に動かなくなった。
「まったく、敵ではないとさっきから伝えているのに君ときたら……まぁいいやどうやら彼はここにいないみたいだし、僕も消えるとしよう」
敵ではないのか。
しかし私は拘束されている、これはどういうことなんだ。
「まぁ君も君の主人も、とりあえず元気そうで安心したよ、じゃあ僕はいくからまた会おうねベヒモス君」
な、何故こいつ私の名を知って……あれ変だぞ意識が薄れて……。
「ごめんね、ここでの記憶は一旦消させてもらうよ、まだオルクス君には秘密でいたいんだ」
ま、まずい意識が……お、オルクス様……。




