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木を叩いただけでレベルアップ?

よろしくお願いします。

 終わらない密林。

 雲ひとつない青空。

 聞いたことない生物達の鳴き声。

 見た事ない植物。

 

「ここ、どこだよ」


 迷子になりました。

 あの後地図を渡された俺は、すぐにダンジョンに向かわされた。

 行きたくないと言いたかった。

 でもギルドを辞めろと言われるのが怖くて言えなかった。

 これが社会というものなのだろう。

 突如舞い降りた理不尽になす術なくおもちゃにされる感覚。

 助けを乞うても誰も来ず、いるのは頼りない自分だけ。

 はぁ、本当頼りねぇな俺。


「なんだあれ」


 自分の頼りなさに絶望しかけていたとき、前方に黄金に輝く木が見えた。

 とりあえず金の匂いがするので近づいてみる。

 うわぁ、なんだよこれ。

 おそらく純金であろう輝きを放つその木は、威圧感全開でそこにあった。

 なんとなく触ってみる。

 なんだろ、冷んやりする。

 あと手触りめっちゃいい。

 次に叩いてみることにした。


「よっと」

『ピコン!レベルアップおめでとうございます、レベルが50上がりました』

「え?」


 レベルアップ?おいおい木を叩いただけだぞ。

 しかも50だと、真面目にやっても一年で10レベ上がれば良いほうなのに一気にその五年分だと……。

 なにかのバグだろ。

 まぁでも、おもしろいから叩いてみよう。


「そい!」

『ピコン!レベルアップおめでとうございます、レベルが?100上がりました』

「わ、わーい」


 え、怖い。

 なにこれ、実はかなりやばいものなんじゃないか。

 さっきよりも少し強く叩いただけで、十年分の経験値きたんだけど。

 で、でもなんか楽しいぞ。



『ピコン!レベルアップおめでとうございます、レベルが30上がりました』

「ち、30かよ」


 あれから無心で30分ほど木を叩きまくった。

 叩けば叩くほど上がるレベルが楽しくてついやり過ぎてしまった。

 なんとなく自分のステータスカードを見てみると、レベルが440になっていた。

 この木は、叩いたところによってもらえる経験値にバラつきがあるらしく。

 MAXは100で、最低が5だった。

 僕のレベル440は、おそらく国家武力に相当する。

 その理由として、例えばこのステータスカードのパラメータにある筋力7000という数字。

 一般男性の筋力がだいたい50と言われ、レベル10の冒険者で200くらいと言われている。

 つまり数値上だが、僕は筋力がとりあえず恐ろしく高いらしい。

 別に体格に変化は生じてないので、自分でも正直疑っている。

 まぁでもこれ以上叩いても、僕が人間兵器である事に変わり無いしここら辺で叩くのやめよう。

 つか、この木どうするか。

 悪用されたら大変だけど燃やしたりはしたくない。

 うーん、困ったなぁ。


「まぁでも、とりあえずなんかありがとな」


 そう言って僕はまたその木に触れた。

 すると触れた瞬間、黄金の木は枯れ始めた。


「え、なんで?」

『ギフトスキル発動、ドレインタッチ』


 ドレインタッチ?

 なんだそれ、ていうかギフトスキルってなんだ……まてよ聞いた事があるぞ。

 レベル100を超えるとスキルがもらえるって話。

 本当だったのか。

 つかドレインってまさか。


『ピコン!レベルアップおめでとうございます、レベルが559上がりました』


 た、大変だー。

 レベルが999になってしまった。

 これはもう、国家武力とかそういうレベルじゃなくて神そのものだぞ。

 試しにステータスカードのパラメータの筋力を見てみた、筋力99999と書いてあった。

 もしかして僕、なにかやっちゃいけない事やったのか。

 

『ギフトスキル発動、解析』


 なんかスキルが発動した。

 一つだけじゃないのか。

 ……なんだ、急速に頭に情報が流れ込んできた。

 なになに、ギフトスキルはレベルが100上がるごとに一つ習得でき、現在僕には九つのギフトスキルがあると……。

 この異次元パラメータに加えて、どうやら僕にはスキルが九つあるらしい。

 なんだかいよいよ、化け物みたいな感じになってきたぞ。

 まぁでもとりあえず家に帰るか。

 話はそれからだな。


『ギフトスキル発動、広域知覚センサー』


 な、なんだ、僕の周りの地形の情報が流れ込んでくるぞ。

 か、帰れる、これなら帰れるぞ。

 ありがとうスキル!

 ていうかスキルはこれだけでいいんだけど、あとついでにレベルもいらない。

 なんでこんなことになるんだ。

 僕はただ高給取り不労者となって、悠々自適に暮らしたいだけなのに。

 神よ、何故僕なのですか。

 こんな力僕よりもやる気があって、才能もあるジョンに与えてくださいよ。

 僕、仕事しませんからね絶対に。

 

 

 

 

 

 

  

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