表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/57

第18話 タマキの正体


 絶え間なく降り注ぐ雷に、地を這う青色の雷電この様はまさに魔境である。


「な、なんなんだこれは!」

「エイドリアン様、お逃げ下さいここは我々が」

「逃げるだと……どこへ逃げると言うのだ」


 【魔境】雷轟白夜、消費魔力23000の最高位アビリティである。

 効果はその周辺環境を雷の環境へと変化させるものである。

 このシリーズが何故【魔境】と呼ばれるかというと、このアビリティの作り出す環境があまりにも現実離れし過ぎており、まるで魔境のようだと言われたことがその名の由縁らしい。

 尚、この術の使用者は術によるダメージは一切受けることない。

 なんなら自身の体をその環境に適応させることでこの環境のコントロールをも可能にする。

 こんな感じに。


「雷よ我が手に集まれ」


 そう言うと俺の右手に周辺の雷が集まり出した。


「な、なにをしている」

「ちょっと大技をしようと思って」

「え?」


 かなり集まってきたな、後はこれをエイドリアンに向けて撃つだけっと……ってやらないけどね。

 実は天から絶え間なく降り注ぐ雷はエイドリアンはおろか兵士誰一人にも当たっていない、つか当てていない。

 簡単な話だ、俺は殺しをしにきたわけではなくエイドリアンを捕らえにきたのだ。

 故にこのアビリティは脅しが最大の目的である。


「おいエイドリアン!今からこれをお前に向けて放つ」

「や、やめてくれなんでも、なんでもするから」


 そう言ってエイドリアンは地に頭をつけた。


「……信じるぞ」

 

 それを見て俺は溜めた雷を天に向けて放つべく、右手を上へ向けた。


「へへ、馬鹿め今だお前たち奴に向けて一斉攻撃だ!」

「そんなことだろうと思ったよ」

「へ?」

『ズドン』


 俺はそのまま右手を振り下ろしエイドリアンの横をかすめるようにして、溜めた雷を放った。


「次は当てる」

「ま、参りました」


 そう言ってエイドリアンは膝から崩れ落ちた。

 その後降伏したエイドリアンを連れて俺は、奴の屋敷へと入りそこで一先ず話をする事にした。


「で、では早速質問なのですが何故にオルクス殿は私を捕らえようとしたですか?」

「それは……」


 まずい、ゲルマン先生には取引の阻止だけを依頼されていたのに誤ってエイドリアン捕らえてしまった。

 捕らえる理由なんてない……いやある理由はあるぞタマキがまだ捕らえられたままだ。


「その顔もしや特に理由などないとは言わないですよね……」

「いやある!お前に捕らえられているタマキという娘を俺は取り返しにきた」

「え、タマキですか?タマキは確かに今日うちに来ましたが、お知り合いなのですか?」

「あ、ああそうだ、そしてお前!タマキを人身売買にかけてようとしたろ!」

「な、何故それを知って……」


 やっぱりエイドリアンはタマキを人身売買にかけるつもりだったのか、よかった予想通りで違かったらこっちが悪者になっているところだった。


「さぁタマキを返せ!」

「え、返せ?貴方はタマキのなんなんですか?」

「……なんなのかと言われたら友達ですけど」

「友達?では返すことはできないですね」


 は?なんでだよ、こいつここにきて渋ってくるとはここはもう一発雷を……。


「いいですかオルクス殿、今日の取引相手はタマキの両親なのです、そして彼女は王族です」

「へ?」


 待ってタマキが王族で取引相手が両親……駄目だ頭が追いつかない……。

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ