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お隣の女 3

 ――その日の朝。


 温かい白米と空の食器、そして生卵を大場さんの前のテーブルに置く。


「これが日替わりモーニングEセットですか?」


「モーニングライスエッグかな」


「日替わりでも、セットでもないんですね……」


「我が家の裏メニュー」


「お~、ちょっとテンション上がってきました」


 まぁ隠れて一人で食べるような物という意味での裏だけど。


「さっさと食べちゃってくれる?」


「了解。では、モーニングエッグライスいただきまーす」


 英語の文法にツッコむのはめんどいからスルーでいいや。


 大場さんは、ご飯の中央に空洞を作っていく。


「ハッ!」 


 必要性を感じない掛け声を発し卵を割る。


「黄身は黄身に! 白身は白身に!」


 気味の悪いキメ台詞を言って白身を空洞へ、黄身を空食器へ。


「ねるねるねるね~」


 無自覚な歌を口ずさみ白身をかき混ぜ泡立てていく。


 しょうゆをご飯に回しかけ、黄身を白身と合わせ一瞬かき混ぜる。


 こいつ、さては特質系か?


「完成~」


 ご飯を箸で崩し玉子と絡めてかきこんでいく。


「ぅんまぁぁあい!」


 でも先天的に強化系なんてことあるんだっけか?


「……兄者、もしかして私の心理テストしてますか?」


「ほぼハズレ」


「それじゃあ私をじっくりと見つめて何を考えてたっていうんすかぁ」


「好きな漫画の事考えてた」


「兄者に透視されてしまったぁ!」


「もういいから、早くそれ飲んじゃえよ」


「しまいに大食いキャラ扱いされたぁ!」


 大場さんは、茶碗をテーブルに置いた。


「兄者、私の身体を見てください。どう思いますか」


「え、すごく良いカンジだと思うよ」


「っんな!」


「なんつうか、魅惑的みたいな」


「……どうしてニュアンス的に太くなっちゃうんっすか」


「そう?」


「兄者、私けっこう頑張ってるんです。ほら、シュッとしてません?」


「もう時間無いから、さっさと飲んでもらえる?」


「こんな卵かけごはん飲み物キャラ嫌だぁぁ!」


「俺は食べ物をしっかりとそれも美味しそうに食べる人良いと思うよ」


「じゃあ飲んでるって表現だけやめてくださいっす」


 大場さんは残ってるご飯をかきこんでいった。


「ごちそうさまでした!」


 そして、食器を洗いに行く。


「兄者」


「どした?」


「私の食欲と体型が反比例する事を証明してみせます!」


「……お大事に」



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