5話 挿話 『果て無き道の、道の果て』
適当に、読み流し推奨。
俺は道の果てを探している。
道の果てを捜し求めて、何時からか走り続けて居る。
世界が平等だった事なんて一度も無い。
この世界に生まれ出た時、人の命は同じく尊いが、そこからは不公平の連続だ。
健康な五体満足。
見栄えのする外面。
頭の出来の違い。
金持ちと貧乏人。
何よりも、愛されているか?
そして、平和と戦争。
どんなに幼いガキだって、心の何所かでソレが分かっている。
ラッキーとアン・ラッキー。
それが一番最初に、全部の人生を決めている。
たったひとつの命の、たった一度きりの人生を。
俺はバイクを駆って走る。
どこまでも、どこまでも、走る。
どんなバイクに乗っていようが、走るって事は平等だ。
その走る中で分かる事が有る。
全部、囚われている。
執着している、何も見えなくなって。
何時の間にか、見詰めていたモノに、見詰め返されて、取り込まれていた。
違う、そう心で叫んだのは本心だった。
ちくしょう、怒りのコブシを振りかざしたのは、哀し過ぎたから。
分かってくれ。
分かって欲しい。
分かる誰か、居ないのか。
俺は走る。
走り続ける。
この世界で、何一つ誤魔化しの無いモノはコレだけだから。
そして――
道の果て。
果て無き道の、道の果てを探し走る。
その果てに、何時か辿り着けたなら、そこで見えるモノが見たくって――
俺は走る。
走り続ける。