きっかけ2
そして、もうひとつ、私の職場の話をしよう。
私の職場はとある小さな小学校。
田舎にあることもあり、児童数が20人を切る、とても小さい、けれどアットホームな小学校だ。
そこで私は事務職員として今も働いている。
その小学校は、普通の小学校と少しだけ違った。
何が違うかというと、
肥満率が高い
という事だった。
もちろん、都会の方にも肥満の子はいるが、少ないが故にどうしても目立ってしまう。
小学生で既に70キロを超えている児童もいた。
それを見た教頭は思った。
「このままではいけない」
と。小学校のうちはいいだろう、だが中学生になったとき、部活や駅伝大会、マラソンの授業など、小学校の時とは比べ物にならないくらい動く量が増えてくる。
にも関わらず、このままでは動いている途中に心臓発作でも起こしかねない勢いなのだ。
「親御さんとも相談をして対策を…」
保健の先生や、学校医からもそういう意見も出たため、教頭はある作戦を打ち出した。
「ダイエットのために、毎朝小学生達を走らせましょう!」
体育館で遊ぶのでは足りない、そもそも遊びでは本気で走らない。なら、強制的にでも走らせなければ。と。
さて、なぜこの事がきっかけのひとつになったかと言うと、私の席の位置が関係する。
私の当時の席の位置は教頭先生の隣。(現在は校舎が移転したため、事務室)
そしてことある事に言われるのだ。
「この子達の将来が心配」
「こんなに太ってたらいつか心臓発作を起こす」
「自分の体重を小学生の女の子に越されるとは……」
と。
その言葉に何度
「私はその女の子より重いんですけど……」
という言葉を飲み込んだか分からない。
そして
「教師一丸となって子供達の健康を」
という言葉を聞く度、毎回思っていた。
「自分が太ってる状態で子供たちに何を言えるだろう」
と。
事務職員だから、別に指導するわけじゃない。
それでも
私が痩せたら
飽きっぼくて、食べるのが大好きで、運動が嫌いで、障害者の私が痩せることが出来たなら
子供たちに少しはアドバイスできるかもしれない。
そう、思ったのだ。