22.旅立つ前に
「また、ここにいたのか」
上がってきたカグナが、屋上の入り口から声をかけてきた。
振り返ると、屋上に突き出すようにして出来ている、階段だけのある小部屋から、姿を覗かせている。
青い髪は、この数日で、更に色を深くしていた。藍色の艶めきが、夜の海のようだ。
扉の縁に手をかけ、大きく押し開けると、カグナは一歩、手を後ろに組みながら、リズミカルにこちらへ向かって踏み出してくる。揺れる上体、揺れる藍。髪色と同じく育った胸が、ふわりと揺れた。
「好きなんだな、夜明け」
「――街を、よ」
「ん?」
鼻にかかる、尋ね声。
まなざしは、穏やかに言葉の続きを待ち受けている。
「少しずつ、街を知って、なんだかなあ……ってさ」
「どうした」
くすくすと不思議そうに笑われた。
「帝都、どうしても行かなきゃダメか?」
「寂しいんだな、キスケ」
「いいじゃねえかよー、甘えたってさー」
柵に背中からもたれかかり、両腕を広げてその上部に絡ませた。
空を見上げてしまう。
「俺さ、多分、元の世界だと、居場所がないんだよな」
「思い出したのか?」
「まさか。でも、何となく感じる。
居場所のない奴が、避難するみたいにさ、人のいる方へ、いる方へ、来ちゃったんだよ、きっと」
「普通、逆じゃないのか?
私は……人のいない、街の外にばかり、出ていたよ」
「誰も俺のことを知らない人達の中に紛れたいんだよ」
カグナへ向かって、両掌を投げ出すように広げて見せるジェスチャーをする。
「それで、誰かに知られたいんだ」
「誰も知らないのにか?」
「うん」
「人恋しい質なんだな、キスケは」
「それで、俺のことを知ってもらえたら、今度はもっと別のところに行きたくなるんだ」
「せっかく知ってもらったのに?」
勿体無い、とでも言いたげに、カグナは俺の横まで歩いてきて、柵に両腕を載せ置いた。そのまま、上体を少し外側へと乗り出し、まぶしそうに目を細める。眼下では、既に夜明けの前から活気づいている、市場やら、交易のための車やらが、ガヤついた喧騒を遠くここまで響かせていた。
「矛盾してるよな。でも、ここにいたいのに、ここから離れたくなる。
今も、そうだ。
ずっとこの街で過ごして、ああ、ややこしいことはベイジさんに丸投げで、そのうち、俺にも出来る仕事みたいなのを見つけてさ、働くんだよ。
ここに居候を続けるのも格好悪いから、家も見つけたいな。
そうして、ムンタが軍隊に入るために、放課後に訓練してるのをたまに見てやったりとか、あいつ、もう少し年取ると孤立しそうだからさ、リリちゃんとかと相談して、巻き込むみたいにつるんで遊ぶんだよ。
ヤースさんは出ていっちゃうかな。元々旅の人だもんな。でも、代わりにまた別の人がやってくるんだぜ。どんな人なんだろうなあ……。案外、入れ違いでヤースさんのお師匠様がここに来るかもしれないぜ?」
カグナは黙って俺の話を聞いている。俺は庁舎の入り口を、カグナは外の世界を、それぞれ見つめながら、互い違いの方を向いて、並んでる。
「そうやって、変わりたくねえなあ、やっと見えた未来を手放したくねえなあ、って、思う俺がいて。
でも、何もかも手放して、一人でどこかに消えたい俺もいる」
大丈夫、どこにも行かないよと、カグナの横顔を見るつもりで視線を投げかけると、視線が宙で衝突した。
感情が極まると、すぐ、泣きそうに傾斜を深くする、こいつの眉毛や垂れ目は、けれども今は、穏やかに凪いでいる。薄い唇が、笑みさえ湛えていて、片肘を柵に預けたまま、体ごと、こちらを向いている。
「知ってるよ」
「そりゃすげえ。俺は今日気づいたぜ」
「知ってるんだ」
「何を?」
「君を」
「俺をか」
「見ているからね」
「俺にも見えてなかったのになあ。すげえなあ、お前」
「好きなんだ、見るのが」
「俺なんか見たって……いや、見てて面白いのか? 俺」
「私にはね」
「そうは思えないがねえ……」
「面白いよ」
カグナも両掌を投げ出すように広げて見せ、俺のジェスチャーを我流で真似た。
俺がするのとは違って、スマートな印象がする。
「みんな、人間は面白いよ。私は、好きだ」
「……好きな相手に好かれないの、しんどいよなあ」
「うん。それでも好きだから、つらいね」
あ、キスケのことじゃないよ、と、慌てて体の前で掌をひらひらとやり、否定する。
「気持ちが空回りするのって、なんだかつらいな。つらかったんだな。そう、思えるようになったんだ。
キスケといたからだよ。
キスケが私を壊してくれた」
「その、『壊した』って言葉、どーにも俺的にはいいニュアンスで受け止めきれないんだよなあ。
罪悪感を掻き立てられるっつーか、腹の中が落ち着かなくなるっつーか」
「ご、ごめん!
でも、本当なんだ。
自分じゃどうにも出来ない感情の塊を、本当なら、触れもしないものを、キスケの力は直接触れて、どうにかしてしまう。
正しいことだとは、私も思わないよ」
「…………」
「でも、正しいだけで、人が救われるんなら、」
きっと世界はもっと生きやすいし、みんなは私にきっと優しかったよね。
そう、庁舎の方へと、一歩、上体をうつむきがちにしたまま歩く。
「だから、キスケの間違いを、私は愛してる。
キスケ自身が間違いだと確信し続けている限り、私は愛し続けるよ」
「そこだよ。
何がどうしてそうなるのか、俺には未だに分からん」
きらり、髪の鱗が、朝の光を反射している背中を見つめたまま、俺は疑義を差し挟んだ。
「じゃあ、逆に問うよ。
キスケはどうして人に笑っていてほしいの?
自分はよく怖い顔をするのにさ」
「そりゃ、笑えない状況が、腹が立って仕方ねえからだよ。
そんなもん、」
現実だけで充分だろ、と、言おうとして、口に出せなかった。
ここがゲームの異世界だと知っている俺には、言えなかった。
こうしている今が現実ではない、なんて、それこそ笑えない。絶対に認められないね。
「そんなもん、無理やりにでも口を引っ張って笑わせてやらあ」
「無茶を言うよね、君」
面だけを見返らせる、たおやかにねじれた後ろ姿。その目は、泣きそうなほどに細まって笑っている。
「無茶なことばっかり考えてるから、そんな固有概念になるような人生、送ってきたんだね」
「どうだろうな。案外真逆じゃねえかとも疑ってるけど……。
でも、決めてることはあるよ」
「?」
「事実がどうあれ、『そういう人生だった』ことにしてやろう、ってな!」
歯を剥き出しにして、目一杯笑ってやった。
くるりと、ステップを踏むように足元で交差するカグナの右足と左足。片方を軸に、ねじれた姿から、まっすぐ立って、両腕を前に大きく広げてくる。
ほんの一歩の距離。そんな距離から両腕を広げられたら、ほとんどもう、その腕の中にいるようなものだ。
等身大、まるごとのカグナだけが、俺の視界を占有している。その後ろにある、庁舎への入り口も、その向こうに広がっているんだろう、帝都の方角に続いている光景も、今は全部、遮られて、見えない。
見せてやらない。
そう、仕草で言われた。
「私も居させて欲しい、な」
告げる顔は、自信なさげにこちらを見上げるように、少しだけ面を伏せかかっていたけれども、カグナにしては珍しいことに、唇を尖らせ、抗議の意が垣間見えた。
「その人生には、私は『い』る?」
要るのか、居るのか、どちらを望まれているのか……両方か。
そう読み解いた俺は、腕を広げて抱き合う代わり、腰から抱き寄せ、わっ、と小さな驚きの声を無視して、二人分の体重を後ろの柵に預けてやった。
「俺の方の答え、聞いてねえぞ」
「ん、ん? 何、かな?」
「なんで俺を愛することに決めたのさ」
耳元に、囁くようにして、尋ねる。
「……君が、自分を嫌いでいる限り、私は、私の愛に誓って、君を愛するんだよ、キスケ」
「なんだそりゃ。俺自身がどういう奴なのか、俺にもまだ掴みきれてないのに、随分断言しきったもんだな。十日足らずで分かるもんなのか? そりゃ」
「分かるさ。分かるんだ、人は、人のことを、分かるように出来ている。
ひと目見ただけでも、分かるよ」
喋る声に合わせて、身を寄せる相手の肺が震える、その振動すら、全身に木霊する。
「私はセイ、カグナ=セイ。
人に焦がれる愛故に、この世界のどんな種族より早く、亜人となった一族の末裔だよ。
キスケにとって、笑顔がそうであるように、私は愛がそうであることを、許せないんだ」
「本能か」
「それよりもっと疾くて、もっと深い、何か。
魂。
それが私を駆り立てる」
一瞬ちらついたのは、ゲーム開始前の選択肢群。
『愛したいですか? 生きたいですか?』
……そうだな。『愛されたい』とは、選んだ覚えがない。
仕組まれた運命だってんなら、それは出会いまでだろう。
カグナの頭を掻き抱いて、髪を指で撫で梳いてやる。途中、指の腹にかかる鱗の感触も、もう、なしでは考えられない程度に、慣れた。
傲慢な衝動が俺の口元を凶暴にめくれ上がらせる。この顔は、腕の中にいるカグナには、見えないはず、伝わっていないはずだ。
「……顔、また、怖くなってる」
「あっ! お前、影使ったな!?」
「だって、見逃したくない」
目を通じて、魔の感覚をよく凝らすと、空中に微かな歪みが見えた。影だけで構成されたカグナの《目》が、おそらくそこにあるのだろう。この力を使って、ずっと目や耳をそこら中に張り巡らしていたと聞いた時は、思わず頭をひっぱたきそうになった。
そんなことしてりゃ、ノイローゼになるに決まってるだろ!
自分を嫌いな奴の言うことやること全部が気になって、聞けば聞くだけ、見れば見るだけ、一層挙動がおかしくなって、逆効果になるのに、カグナには、それがやめられなかったんだそうだ。一種の自傷だったのかもしれない。
人の心は簡単に自分自身を苦しめる方法を見つめてくる。どれだけ手の込んだやり方だろうと、絶対に見つけ出してくる。自分を嫌う誰からよりも、自分からだけは、逃げようがない。
それで、カグナは追い込まれた。
「建物の中には使ってねえな?」
「……ない」
「嘘ついてたら鼻つまむからな」
「ない、ないよ!
嘘なんて、キスケにつくわけ、ないじゃないか!」
「人間なあ、自分を苦しめるためなら、嘘はつけなくても、本当のことは言わないことぐらい、簡単なんだよ。
今、ここにある《目》以外、他のどんな影も出してないな?」
抱き合っていた体の距離を開けて、じっと、今、ここにある、カグナ本人の藍色の瞳を見つめて問う。
ふるふると瞳は震えながらも懸命に俺の視線から逃げ出すのをこらえていたが、耐えきれなくなって、斜め下に焦点が落ちた。
「……《耳》は、使ってる」
「ほれ見ろ」
デコピン。
これくらい、カグナにしてみりゃ蚊に刺されたほども感じないのだろうが、痛みよりも、精神的なショックを与える方が目的だったりする。
みるみるカグナの目が潤んで眉間に泣き皺が寄っていく。
「だっ、だって! 危急の用があったらいけないじゃないか!」
「あれば向こうから出向いてくるのがスジだろ」
「うぅ……」
ちらっ、ちらっ。
額を押さえる両手の下から、不満そうな目が覗く。
「際限なくは、甘やかさないからな」
「なんで」
「お前を堕落させちまったら俺はどこの誰にだろうと申し訳が立たねえからだよ」
「私のことを知らないニンゲンなんて、どうでもいいじゃないか!」
「お前を知ることになるかもしれないニンゲンに、もっと格好いいお前を知って欲しいからな」
ぐん、と俺はカグナに対して胸を張る。
「俺が壊しちまったのは、それこそお前が確かに人生を費やして積み上げてきた、お前自身の誇りだとか、意地だとか、そういうものもきっと含まれてる。
そいつらがなきゃ、お前はもっと早くに楽になれたんだろうが、そいつらのおかげで、お前はここまでこれたんだとも、思うぜ」
俺はお前の何だろうと、いや……。
人間の、どんな側面だろうと、否定したくはねえよ。
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つい、朝から長話をしてしまった。
寝ながらこういう話を毎日しているんだが、その延長線上だな。
俺達二人は、とにかくよく話をした。
この世界の様子を教えて貰うためにも話したし、今みたいな、互いの心情を確かめ合う話もした。
ベイジさんの腹にはきっと小ベイジさんが沢山埋まってて、緊急発進するんだぜ、なんていう馬鹿話も、した。
つらつらと、話題はあちらからこちら、こちらからまたあちらへと、行きつ戻りつ、今朝のように、確たる終わりを持たないまま、繰り返された。
それは、どちらかというと、知識を得るためというよりも、言葉を交わしあったという事実をこそ、求めての行いであったように、俺には思われた。
カグカグと、旅立ち前の、最後の豪勢な食事をカグナが詰め込んでいる。
こいつこそ、影の能力があるから、小カグナをわんさとその身に蓄えているようなもんだ。
食えば食っただけ、魔力に変えて、それを架空の質量として蓄えておける。
本気になったこいつが、その全質量を総動員させれば、ベイジさんどころか、一軍にも匹敵するのだとは、ベイジさんの言。
確影。
その能力の名は、たしかげという。
正式には、曖昧なる確影だそうだ。
彼女の家が代々練り上げた技術であり、かつてベイジさんは、彼女の父・フォウラ=セイと肩を並べて戦場を駆けた際に、初めて目にしたんだという。
質量を持った影として、無数の腕手・脚足が繰り出される様は、ちょっとしたホラー感があったという。実際、俺も実演して見せてもらった時、正直ビビった。
祟り神かよ!
って、なった。
あっちは胴体から無数に生えるのに対して、こちらは虚空から生えてくるんだけどもね。
ベジベジと、ベイジさんも飯をたらふく詰め込んでいた。
この世界の食糧事情は一体どうなっているんだ……。これだけはちょっと真実を確かめるのが恐ろしくて、聞けていないままでいる。
俺はというと、二人に比べりゃ、ニレェーとほとんど変わらない量(それでも大人と子供ぐらいの盛りの差はあったと思うんだが)を平らげた後、のんびり斜向いの席に着いているニレェーと雑談していた。
食べる間だけは、カグナもベイジさんも、無心になって、話すどころではないのだ。この世界の人達は、食うことに真剣すぎる。現代っ子の俺が食事をありがたがらな過ぎなんだろうなとも考えたんだが、こうも一心に食われては、同じテーブルを囲む意味があるのかどうか。
などと、口にはせずとも思っていたら、
「人間は、食べることで、その血にあらゆるものを取り込むのです。
同じものを食べるというのは、だから、同じ人に近づくという意味があって、すっごく重要なのですよー」
と、ニレェーから解説が入った。
この子、というべきか、この人というべきか、まあ、とにかくニレェーは勘が鋭い。
場で何が起きているのかを察する能力、いわゆる「空気を読む」能力が低い代わり、それをすっ飛ばして必要とされるものだけを提供するのに長けている。
これも、カグナの種族的な特性と同じように、きっとニレェーやクヌゥーたちならではの特性なんだろう。
「血、ねえ……。ヤースさんも言ってたけど、本当に人間の血ってのは特別製なんだな。
傷の治りが異常に早いのも、血のおかげなんだろう?」
「ですよー」
こくりと頷かれた。
ばっさりとピエールくんに斬られた後、目を覚ました時、俺はてっきり、「ああ、やっちまった。これで体力が戻るまでしばらくは旅も延期だ」と思い込んだのだが、もうその時点でほとんど失血は回復していたのだそうで。
非人道的な実験が、知りたくもないどこかで繰り返されたおかげで、人間の血は、物理的な質量保存の法則を完全に無視する形で、失われたらその分だけ補充されるのだと、この世界の医学で解明されていた。
どうやって計量したのかとか、想像したくねえなあ……。うわっ、ちょっと思いついちまった。やめやめ、なしなし!
「種族には、それぞれの起源となる魔法が存在し、人間の場合、それは血液そのものだ。だったかな」
「よく勉強してますですねー」
「学校で聞いたんよ」
正確には、学校の児童達にだ。
「世界には栄えある光の一族と、その眷族のためにあり、後はその障害となる魔物、矮族と無族がいる。
でもって、偉大なる光の一族のうち、地上に降り立った者の名を王と呼ぶ。この王が天に戻るため、必要な存在なのが、王子なんだよな」
「おおー、なかなかそこまではみんな勉強しませんですよ?」
「学校のムンタくんが王子になる野望を持っててな。聞かされた」
他の王子は知らないが、ムンタくんみたいに、かつてはカグナも野心を燃やしていたのだろうか。
鳥の丸焼きを骨ごといってるのを見る限り、燃やしているのは食欲だけのように思えるが、そこまでは分からん(百年の恋も冷めかねないワイルドさだ……食文化の違いで打ち解けられない恋人同士も多いというが、さすが異世界、食べるものこそ似ていても、まさかこんなところに落とし穴があるとはな)。たった数日間でその全てをつまびらかに出来るほど、人の生というのは、浅くない。
誰のものであっても、だ。
「詳しくは知らんけど、王子のうち、たった一人だけが次の王になるんだろ?」
「はいですー」
「不老にして王国そのもの、自らこそが最高戦力の存在か……」
聞きかじるだけだと、その王様達、王というより神話の中の現人神みたいな印象だ。
国にしてからが、王のためにあるのであって、人を生かすための社会組織じゃない、っていう成り立ち。こいつはちょっと、現実の歴史と照らし合わせても想像がつかんぜ。
「その線で言うと、王の中の王、諸王の王、黒の皇帝こそが、帝国そのもの、ってことに、なるわな」
「うむ」
おっ、ベイジさんが食べ終えた。
「封印だけなら、他の王でも出来るのですが……皇帝に降されて、皆、中枢から遠ざけられてますからー」
「そういうことだ。我らが王と仰いだお方、青の王も、ここハースとは帝都を挟んでほぼ正反対、《空白の大地》付近にまで押し込められていなさる」
「それで青の王子だったカグナも辺境に追いやられた、ってんだから、カグナ陣営の人間である俺からしたら、そうおいそれと皇帝のところに出向いていく気持ちにはなれないんだが」
「力こそが全てですよ」
「力こそが全てですからな」
ベイジさんはともかく、ニレェーにまでそう言われると、さすがに洗脳でもされてんじゃないのか、どうなんだ、その価値観は、と、訝しむやら、反発心をすくすくと育てるやらで、俺の内心も忙しくなった。
いくらゲームでもそこまで直球に脳筋な設定、見たことないぞ。部族単位の村政治じゃないんだから。
「しかし、うまく行くのかねえ……」
なにしろ、これから俺達が帝都に行ってすることは、実質的な離反に相当する。
心配だ。いかん、笑顔を忘れているぞ。笑わねば。フハハハハ。……はぁ。




