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マイノリティー・ラプソディー
知っていたよ
この列車には僕だけ
隣で止まる列車には
多くの人影が踊る
前は僕も乗っていた
目に映る人影の中
嫌いなわけじゃなかったけど
ここも居心地がいいんだ
簡単に手に入れた切符
ぶつかることの無い車内
閑散とした空気は
冬の匂いと似ている
遠くでアナウンスが
出発の合図を告げる
待ち焦がれていた
その時はやってきた
静かに走り出した
別々の線路の上
賑やかなそうな列車は
どんどん小さくなる
ゆっくりと走る列車
速度を変えることなく
僕だけを乗せたまま
音を立ててどこまでも
心地よい音を聞きながら
どこまでも行こう
ラララ