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MUSICA  作者: 朝永有
10/12

MUSIC

家の外では

パレードが始まっていた

ピエロはご自慢の

ダンスを踊っている


観客の歓声は

窓を意味もなく叩く

僕は気にも留めないで

階段を降りて静かな地下室へ


暗い部屋の電気を灯して

鉢植えには一輪の花

無造作に並べられた

その場所に水をやるよ


それがいいいんだ

望んだことだから


お腹が減って外に出る

相も変わらずパレードは

抱き合う男女と共に

賑やかさを増すばかりだ


すれ違う人の冷たい目

異質さはいらないのだろう

知っている それは知っている

だからあの部屋に戻るんだ


花の匂いと満腹感で

うつらうつらの夕方

地下室はいつだって

僕の傍にいてくれる


これがいいんだ

好きなことだから

ここがいいんだ

理由はいらないさ


地下室を出た窓の外では

パレードがすでに終わっていた

歓声が眠りに着いた街で

ピエロは一人で踊っている


階段を上り明日へと向かう

冷たいベッドに寝転んだ

頭の中に浮かんで来るのは

地下室の匂いと

ピエロのステップだった

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