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MUSIC
家の外では
パレードが始まっていた
ピエロはご自慢の
ダンスを踊っている
観客の歓声は
窓を意味もなく叩く
僕は気にも留めないで
階段を降りて静かな地下室へ
暗い部屋の電気を灯して
鉢植えには一輪の花
無造作に並べられた
その場所に水をやるよ
それがいいいんだ
望んだことだから
お腹が減って外に出る
相も変わらずパレードは
抱き合う男女と共に
賑やかさを増すばかりだ
すれ違う人の冷たい目
異質さはいらないのだろう
知っている それは知っている
だからあの部屋に戻るんだ
花の匂いと満腹感で
うつらうつらの夕方
地下室はいつだって
僕の傍にいてくれる
これがいいんだ
好きなことだから
ここがいいんだ
理由はいらないさ
地下室を出た窓の外では
パレードがすでに終わっていた
歓声が眠りに着いた街で
ピエロは一人で踊っている
階段を上り明日へと向かう
冷たいベッドに寝転んだ
頭の中に浮かんで来るのは
地下室の匂いと
ピエロのステップだった




