最終章 フォルス 第9話 ショルスの嵐②
鳥が一羽、飛んでいる。優しい風が吹いていた。
これから、激しい戦いが起こる。
群雄割拠の時代の終わり。新しい時代の幕開け。
戦乱の時代はいつかは終わるのだと終わらせるのだと
戦士たちは戦う。
世界はこの戦いを知っているのだろうか?
日々の暮らしに追われているうちに夜になり朝が来る
当たり前な日常は、当たり前のように続いてく。
そう信じて疑わない。
だけど世界は世界の運命は二人の親子の決着によって
決められるとしたら、人々は何を思うのだろうか?
幸せな世界。平和な世界。
本当は、気づいているんだろう。自分だけでは、一人だけでは
何も生まれない。幸せも不幸も。
だから、人は出逢い結ばれて新しい命を育てていくのだろう。
フォルス「皆、今日までよく、戦ってくれた。この戦いで最後だ。・・・死ぬなよ。皆で必ずヨークダインに帰るんだ!」
隆「わかってますよ。誰一人、死なないように勝利しましょう!!」
エルバーン「そうだな生き残るのが本当の戦いだ!!」
ネルス「はい!!皆で生きましょう!この世界で!!」
ミヨ「死なないで・・・平和をこの手に掴む!」
フォルス「行くぞ!!」
バイル帝国の戦闘機の影が見えてきた。
フォルスは、目を瞑り、髪の毛を一本抜いた。
フォルス「古の魔神セイレンよ!敵を滅ぼせ!」
「ルナティックサンダーーーー!!」
超特大の稲妻が見渡す限りに降り注いでいる。
まるでドラゴンが無数に現れたかのようだ。
バイル帝国の戦闘機が次々と稲妻に直撃されて、地上に落ちていく。
それでも、数機は稲妻をかわして向かってくる。
隆 「空間と時の女神よ!一刻を我に捧げよ!」
「トランスポート!!」
戦闘機が次々と稲妻に吸い込まれていく。
隆はガッツポーズをする。フォルスは、苦笑いした。
次の瞬間!フォルス達の戦闘機のエンジンが停止した。
凍りついたのだ!
隆 「空間と時の女神よ!一刻を我に捧げよ!」
「トランスポート!!」
フォルス達は地上にいた。
フォルス「すまない。」
ミヨ「隆さん、ありがとう。」
フェイ「キャーー!!怖かった」
ネルス「うむ。」
エルバーン「奴か?・・・」
フォルス「ああ・・・シィルヒィ・・・」
フォルスの目が曇る。
フォルス達は湖の畔にいた。
そして、湖は一瞬で凍りつき白くなった。
その上を一人ゆっくりと歩いてくる人物・・・シィルヒィだ。
シィルヒィ「フォルス・・・決着をつけよう!!」
フォルス「フッ・・行くぞ!!」
ミヨ「!!・・・」