第6話 兆し
激戦の後 地上は雪に覆われた。戦いは終わったのだ。
雪が戦死者の魂のように思える。ひどく冷える。
フォルス「アバーーーン!!」
フォルスは叫ぶ。アバンの小型戦闘機が視界から消えた辺りを探索していた。
フォルス「アバン・・・・何処にいるんだ・・・」
見渡す限り白い世界だ。視界も悪い。そのなかで探すのは至難の技であり不可能といえる。
隆 「アバン・・・アバーーーン!!!」
時刻は昼を向かえる。光の反射で世界が輝いているようだ。
雪がおさまり視界も良くなる。
フォルス「!」
フォルス「あれか!!」
上空から川が見えたその近くに小型戦闘機の残骸を見つけた。
フォルスは叫ぶ!
フォルス「アバン!待っていろ!」
フォルスは川の畔に着陸した。
そして、見つけた人の塊は・・・アバンの変わり果てた姿であった。
フォルス「みんな・・・いたよ・・・アバンがいる・・・」
隆 「・・・わかりました!」
ネルス「!そうか・・・わかった。」
暫くしてアバンの姿を見つけた仲間はそこにいた。
控えめで元気なアバンは今横たわっている。
現実を受け入れるのにたいした時間はいらなかった。
隆 「・・・アバン・・・何故あんな無茶をしたんやろ?」
ネルス「・・・そうだよ・・・わからないよ・・ぐすっ」
フォルス「・・・アバンは苦しんでいたんだ・・・」
隆 「?」
ネルス「?」
フォルス「セイレンで星の力を受け入れたのは3人だけだったんだ」
隆 「!アバンは星の力をもっていなかった?」
ネルス「そうだったんだ・・・・」
フォルス「最後まで俺達を守ったのもなんだか分かる気がするんだ」
「自分も力になる!そんな思いが伝わって・・・」
隆 「フォルス様・・・・・」
フォルスはアバンを抱き上げて目を閉じた。そして・・・
フォルスとアバンの身体が輝いているフォルスはエメラルド。
アバンはブルー。
アバンのブルーの光がフォルスのエメラルドに吸収された。
そしてより一層にエメラルドが強く光る!
ネルス「なにが 起きているんだ?」
アバン「フォルス・・・様?」
隆 「!!アバン!」
ネルス「・・・・・」
フォルス「アバン!・・・・ふっ・・無茶をする」
アバン「へへ・・声が聞こえました。」
フォルス「そうか・・・」
アバン「死ぬんじゃない!生きろ!って」
フォルス「ああ!良かった」
隆 「蘇ったね!凄い!・・・」
ネルス「バカ!アバンのバカ・・ふふふ」
アバン「へへへ 心配かけました。」
アバン「でも僕・・能力がなくなりました。」
「分かるんです。」
フォルス「ああ・・知ってるよ。」
アバン「はい・・・。」
フォルス「アバンの能力は俺が引き継いだからな。」
隆 「え!そうなんですか?」
フォルス「ああ!」
ネルス「そうか・・・。」
フォルス「さぁーー帰るぞ!」
アバン「お腹すきました!」
隆 「へへ」
ネルス「ふっ」
今回の戦いで星の力の可能性がわかった。限りなく力は上がり敵はいなくなる・・が破滅も近いのだろう・・・。
そして世界は次の扉を開いてゆく。
第6話 兆し END