第3話 野望
未来からの訪問者であるハーネスはエルイ国を始め周辺国を次々と支配下に治めていた。
そして、ハーネスは神聖ソルトアーク帝国を世界に宣言!
全世界への宣戦布告を表明!
ハーネスの野望は全世界を支配下におくことであった。
確定した未来の知識と星の力で野望は実現する!そう確信していたのだ。
ハーネス「これより神聖ソルトアーク帝国は遠征を行う!」
「皆のもの星の力からもたらされた力《星の欠片》があれば
全ての者が星の力を少しだが使える!一人では弱くとも軍隊がその力を持てば敵はいない!!」
「さぁ!道は開かれた!進め!我が子たちよ!」
「ハーネス皇帝!ばんざーい!ソルトアーク帝国!ばんざーい!」
こうして、世界はそれぞれの思いが交ざりあい混沌の時代を突き進んでいくのである。
《バイル帝国》
ヨークダイン星をみつめる………。綺麗である。
その星をみていると、世界の中でもがいている自分がちっぽけに思えてくる。しかし、そんな事で野望が消える訳もなく……自ら混沌の世界へ足をふみだすのである。
バイル帝国皇帝シィルヒィはヨークダイン星を手にいれるために、アストロル帝国を滅ぼした。
が……風の国の猛攻に負けた!いや星の力に負けたと言ってもよい。
自らも星の力を手にいれた今
自らヨークダインに足をつける覚悟を決めた。
《風の国》
フォルスは空を見ている。終わることのない戦いの日々……。
唯一。心を静かにできる時間は少ない、今はひたすらに空を眺めている。白をベースに赤い一筋の線がある鳥が飛んでいる。
風の国も冬になろうとしている。渡り鳥も南へと旅立つ。
フォルスは世界の有り様をいつも考えていた。戦いのなかで平和を願う民。平和のなかで戦いを求めて旅立つ兵士。皆それぞれの願いを持って
進んで行く。
生き方は自分で決める!
自分で勝ち取るのが本当の生き方なのでは?
色々と考えていると時間は過ぎ去っていく。
寝転んでいたフォルスは人影に気付いた。
フォルス「隆……」
隆 「すみません。南の大陸でハーネスが神聖ソルトアーク帝国を名乗り全世界に宣戦布告をしたとのこと……。」
フォルス「そうか…。ハーネス…。奴とも決着をつけないとな…。」
隆 「フォルス様………。あの……。」
フォルス「?どうした?」
隆 「いや、前にハーネスは未来から来たと言っていました。そしてフォルス様の技やネルスの技を使い。二人の事も知っていた……。
フォルス「……。そうだったな。それだけか?ひっかかってるのは?」
隆 「あの時は自分の技で逃げましたが、気になることが」
フォルス「?」
隆 「ハーネスは自分を知りませんでした。」
「俺も自分で言いますが、凄い能力を持っていて、もしも
敵なら覚えると思います!でも…知らない……ってことは……。」
フォルス「ってことは?」「!」
フォルス、隆「《歴史が変わっている!!》」
フォルス「………。もう違う歴史を歩んでいるのだな……。」
隆 「……はい……。」
《龍神の国》
エルバーン「なに?歴史が変わっている??」
デビット「そうだ。神聖ソルトアーク帝国は私のデータにはない。」
エルバーン「しかし戦いの歴史を変えるならよいのでは?」
デビット「遠い未来世界は混沌の中で喘いでいた。」
「誰もが世を救いたいと願い次々と過去を塗り替えるために
時代を越えて、その時代時代で子を作り陰から世界を変えていた。
そして、未来は作られた。しかし、何処かで歪みが生まれたようだ。
この世界全体の終焉の時がきたのだろう。
修復不可能の世界で唯一の救いのキーワードが《フォルス》だった。
そして、私はこの時代に来たのだ。」
エルバーン「!………。」
エルバーン「フォルスは風の国のフォルスなのか?」
デビット「それが、まだわからないのだ。」
デビット「歪みは歴史や空間をも狂わせるみたいだ。」
デビット「今は風の国のフォルスを見ていたい。」
エルバーン「そうか……。フォルス。この世界の鍵なのだな。」
野望を叶えんとする英雄達の背景に進み行く世界の歪み。
戦争の連鎖が世界の終焉なのか?
また時代を越える思いが世界を終焉に導いたのか?
今はただこの時代を生き抜くことを強く思いながら、人々は今日も眠る。
第3話 野望 END
宜しければ登録。ご意見があればよろしくお願いいたします。