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気分は良かった。
社長、手紙と、立ち直るきっかけに非常に感謝する。
しかし体調はすこぶる悪く、昨日の悪行を後悔した。
プロ意識に欠ける体調管理。
雨に打たれ続けるなどと、もってのほかだった。
もちろんそこでツアー中止などどあっていい訳はなく、歩夢は重い身体を起こし皆の待つロビーに向かった。
「やあ、おはよう。珍しいね。君が一番遅いなんて。」
進は優雅に挨拶をする。
「あ、歩夢クマできてる。未知ほどじゃないけど。」
「リリス、知ってる?無意識ほどめんどくさい罪はないよ。」
リリスの言葉に未知がため息をつく。
「ははは。いやぁ、朝から楽しいねぇ。」