ターフェアイト
0.23ct
スリランカ産
TAAFFEITE
ターフェアイト
鉱物名称:Magnesiotaaffeite-2N’2S
和名:ターフェ石
硬度:8.0~8.5
分類:酸化鉱物(マグネシウムとアルミニウムとベリリウムの酸化物)
晶系/産状:六方晶系/礫状
化学組成:Mg3Al8BeO16
劈開:不完全~なし
比重:3.60~3.61(実測値3.605)
屈折率:1.717~1.720
副屈折率:0.005
蛍光:長波・緑、短波・微弱緑
条痕:白
主な色:藤色、赤、青、無色、ピンク、まれに黒など
多色性:微弱
1945年にとある宝石商所有のスピネル表記のカットルースの中の一つから、
アイルランドのターフェ伯爵が
わずかな副屈折を持つ石を発見し、
これは(単屈折である)スピネルではないと思い詳しく検査したところ
該当する石がなく新鉱物と認められた宝石で、
唯一といって言い「カットルースから新鉱物認定された石」です。
普通は原石の結晶から新種石であると判明しますのでかなり特殊な例。
発見者ターフェ伯爵に因んで「ターフェアイト」と命名されました
その最初のターフェ伯爵が見つけたターフェアイトは現在大英博物館にあります
スピネルのカットルースに紛れていたことでもわかるかとは思いますが、
見た目スピネルにそっくりでそこに副屈折があり、
科学組成的にはスピネルとクリソベリルの中間と言えるもので
(スピネルの主成分にベリリウムが加わったもの)、
特殊な条件のもとでしか生まれないと考えられ極希産の宝石です
発見当初のほんの3~40前までは世界に4個しかなかった宝石で
ギネスブックに記載されるほどの希少性。
そのため別名として「ギネスストーン」とも呼ばれています
まさにレアストーンの中のレアストーンとしてコレクター垂涎の的になっています
しかし近年このターフェアイトとそっくりで、
ターフェアイト数10個の中から一つ見つかるかといった、
さらにレアな「マスグラバイト」という宝石が見つかった。
(完全な鑑別方法が確立されたのが極最近のことで、
マスグラバイトとして認定された宝石が見つかったのが1993年のこと)
ただ発見当初は破壊検査のX線粉末回析でしか区別が出来ず、
個数が非常に少なく流通が少なかった。
後に非破壊のラマン分光検査で識別が出来ることが判明し
マスグラバイトの流通は増えはしたが
それでもやはりターフェアイトも入手困難なレアストーンには違いない。
このターフェアイトは硬度も8あってジュエリーでも
耐えられるのですがその希少性から
ジュエリーショップで見ることはほとんどないでしょう
近年このターフェアイトは鉱物名称が改称・細分化されており
フェロターフェアイト(Ferrotaaffeite)
Ferrotaaffeite-2N’2S Be(Fe,Mg,Zn)3Al8O16
Ferrotaaffeite-6N'3S (Be,Zn,Mg)FeAl4O8
マグネシオターフェアイト(Magnesiotaaffeite)
Magnesiotaaffeite-2N’2S Mg3Al8BeO16
Magnesiotaaffeite-2N’2S2 Mg3BeAl8O16
Magnesiotaaffeite-6N’3S Mg2BeAl6O12
Nはノラナイト(Nolanite)、
Sはスピネル(Spinel)に由来するもので、
結晶構造の層の重なり方の違いを表しています。
このうち
Magnesiotaaffeite-2N’2S (Mg3Al8BeO16)を
宝石名ターフェアイトとして
Magnesiotaaffeite-6N’3S (Mg2BeAl6O12)を
宝石名マスグラバイトとして呼称している。