グランディディエライト
左上微弱キャッツアイ 9.77ct
右上キャッツアイ1.51ct
下段左から
0.16ct
0.09ct
0.11ct
全てマダガスカル産
※右上がかなり緑に写りましたが実際は緑の強い青
Grandidierite
グランディディエライト
和名:特になし
硬度:7.5
分類/グループ:珪酸塩鉱物(ネソ珪酸塩)
晶系/産状:斜方晶系/細い長柱状、塊状など
化学組成:(Mg,Fe2+)(Al,Fe3+)3(SiO4)(BO3)O2
劈開:明瞭
比重:2.85~3.00
屈折率:1.578~1.639
副屈折率:0.037~0.039
蛍光(通常認識):なし
長波蛍光:なし
短波蛍光:なし
条痕:白
主な色:青、青緑、緑青など
多色性:強い3色性、青緑:無色:緑青
発見年:1902年
登録年:1902年
発見地:Cap Andrahomana, Andranobory, Taolagnaro District, Anosy, Madagascar
1902年にフランスの鉱物学者ラクロワ(Lacroix)が発見し
フランスのA・グランディディエ(Alfred Grandidier)に敬意を表し命名された種で
その後他の地でも発見はされる物の透明度が低く、
宝石にはなりえない物として注目はされていませんでした。
組成としては日本の奈良県大峰山で1999年に発見された
オオミネアイト(Ominelite)のMg類似体。
(Fe2+,Mg)(Al,Fe3+)3(SiO4)(BO3)O2
ただしオオミネアイトは非常に小さなもので
最低限ルーペ必須サイズであり見た目はそこまで似通ってるとは言い難い。
他にも近しい物にコーネルピンもあります。
転機になったのは2000年頃に定義された
世界10大レアストーンに名を連ねることになり
どんな石なんだと界隈では密かな注目を浴び始めていました。
ちなみに内訳は
マスグラバイト
ターフェアイト
グランディディエライト
(ブルー)セレンディバイト
ポードレッタイト
ペイナイト
エレメジェバイト
(ピンク)ベニトアイト
レッドダイヤモンド
マジョライトガーネット
となっていました。
昨今は全く使わなくなった定義ですので
覚える必要はありません。
そして最大の転機が訪れたのは2014年
最初の発見地マダガスカルのアンドラホマナ(Andrahomana)で
非常に純度の高い物が発見され後押しするかのように
翌年2015年にアメリカで世界で3番目に高価な宝石と紹介されたことにより
大注目を浴びるようになったのですが、
この時マダガスカル政府が「国の宝だ」と
国外の持ち出しを制限としたため流通量が非常に少なく、
希少石の名にふさわしいかのような流通量の為
最初期の研究用に少量だけ出回った不透明に近いような物でも
数万を超えるような価格帯な時期もあり
入手は非常に困難な石でした。
噂では2014~2016年に採掘されたグランディディエはおよそ600kg。
その中で宝石質な物はたった60g(300ct)にしかすぎず
ルースの数としてはたった30個ほどしか作られなかったという話もあります。
そんな希少石でしたがそもそもマダガスカル自体
2009年の政変以降2013年末にようやく落ち着いたばかりと
ゴタゴタしていた背景もありました。
ようやく日の目を見るようになるのは2017年頃になっての事で
この頃から各地ミネラルショーでルースも非常に極小サイズながら
出回るようになっていきました。
最初期は非常に透明度が高く色彩も明るいものではありましたが
流通量自体はそこまで多い物ではなく
なにより非常に小さな物ばかりで0.1ctを下回る物も多いが
今の流通の数倍の価格帯だったこともありレアストーン好きだけが求めるような物でした。
昨今はご存じのようにミネラルショーに行けば多少のインクルージョンはあれど
探せばそこら中に置いている石種であり、
レアストーン?となる方も多いかもしれません。
現状では質に拘らなければ入手は容易ですし
世界10大レアストーンどころか通常のレアストーン枠からも
はずれかかっているような実情ではありますが
過去こういう経緯があった故に
レアストーンとして名を連ねているのだというのを知ってもらう為に
あえて紹介をさせていただきました。
なおルースになるような結晶が産出するのはマダガスカル産のみの為
他では出ないと思われがちですが
鉱物としては他にも
アルジェリア、オーストラリア、カナダ、チェコ、ドイツ、グリーンランド、インド、イタリア、マラウイ、ナミビア、ニュージーランド、ノルウェー、スロバキア、南アフリカ、スリナム、イギリス、アメリカ、ジンバブエ、南極
案外多く発見されています。
ただアルミニウムと硼素を含み、高温低圧という特殊環境下でないと成長しないようで
一見多く見える産地ですが非常に限定的な上に、およそ100年の間宝石質も見つからなかったものではあり、マダガスカル産が枯渇した後はどうなるかは分からない為
今沢山あるうちに一つ選んでおくのも手ではあると思われます。




