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ガーネットグループ総括

アルマンディン(almandine)鉄礬柘榴石   

Fe2+3Al2(SiO4)3

アンドラダイト(andradite)灰鉄柘榴石   

Ca3Fe3+2(SiO4)3

ウバロバイト(uvarovite)灰クロム柘榴石  

Ca3Cr2(SiO4)3

カトーアイト(katoite)加藤柘榴石  

Ca3Al2(SiO4)3-x(OH)4x

カルデライト(calderite)満鉄柘榴石

(Mn2+,Ca)3(Fe3+,Al)2(SiO4)3

キンジアイト(kimzeyite)キムゼイ柘榴石

Ca3(Zr,Ti)2(Si,Al,Fe3+)3O12

グロッシュラー(grossular)灰礬柘榴石   

Ca3Al2(SiO4)3

ゴールドマナイト(goldmanite)灰バナジン柘榴石

Ca3V2(SiO4)3

ショーロマイト(schorlomite)チタン柘榴石

Ca3(Ti,Fe,Al)2[(Si,Fe,Fe)O4]3

トルマリンのショールに似ているとつけられた名称

スペサルティン(spessartine)満礬柘榴石  

Mn3Al2(SiO4)3

ノーリンジャイト(Knorringite)苦土クロム柘榴石 

Mg3Cr2(SiO4)3

パイロープ(pyrope)苦礬柘榴石    

Mg3Al2(SiO4)3

ヒブシュアイト(hibschite)ヒブシュ柘榴石 

Ca3Al2(SiO4)1.5-3(OH)6-0

ハイドログロッシュラーと呼称される場合もある

(別種だと分けられる場合もおおい)

マジョライト(majorite)和名なし

(隕石から顕微鏡サイズでしか発見されていない)

Mg3(Fe,Al,Si)2(SiO4)3

モモイアイトMomoiite 桃井柘榴石

(Mn2+, Ca)3(V3+, Al)2Si3O12

モリモトアイト(morimotoite)森本柘榴石  

Ca3TiFeSi3O12


上記が鉱物標本、ルースで見かける

組成に基づいたガーネット名称ではあるが

ガーネットグループは固溶体であるため

混合体にも様々な名称がつけられ流通している。

そんな組成に因らないガーネットグループを

レアストーンというわけではありませんが

まとめてみようと思います。


デマントイド(Demantoid)

アンドラダイトのうちクロムによる緑色が特徴で

昨今は最上級のロシア産が

情勢もあって新規入手が難しく

色あいは少し落ちるものの

クロム・バナジウムによる緑の

他の産地のものが出回るようになっている。


フロッグエッグ(Frog egg)

結晶の中心に濃い緑があり

周りは無色~薄いピンクの透明が覆った

カエルの卵のようだとつけられた名称で

別名としてグリーンコアとも呼ばれた物。

有名な物はカナダ・ジェフリー鉱山の

クロムを含むグロッシュラーですが、

他にも真ん中に濃い緑、周りが薄い緑という

デマントイドがイランから発見され

こちらもフロッグエッグと呼ばれる場合もある。


ヘッソナイト(Hessonite)

グロッシュラーのうち鉄かマンガンによる

オレンジ色が特徴でとろみを感じる

独特の色合いが人気で

糖蜜状と呼ばれる特徴ある

変わったインクルージョンがある場合もあり

古くから人気の石ではあるが

昨今産地名+ガーネット名称が

増えてきた影響もありあまり聞かなくなってきている。


ロードライト(Rhodolite)

固溶体ガーネットの先駆けとも言える存在で

パイロープ/アルマンディン系統で

比率は7/3が基準。

赤紫~紫色が特徴。

薔薇の名を冠した3大宝石のうちの一つで

(他二つはロードクロサイト、ロードナイト)

古くから愛される宝石。


メラナイト(Melanite)

アンドラダイトのうち鉄の一部が

チタンに置き換わった変種。

不透明真っ黒でルースにされることは少なかったが

黒色宝石が流行った時期にブラックガーネットとして

ある程度流通していたこともあった。

ただし同様の見た目のショーロマイトが

混じっている場合もあるらしい。


トパゾライト(Topazolite)

イエローアンドラダイトとも言われるが

実情はアンドラダイト/グロッシュラーや

グロッシュラー/アンドラダイトの固溶体で

グロッシュラーが多いほど

明るい黄色になる傾向にある。

濃い茶色から黄色までの

アンドラダイトを含む固溶体全般を指している。

名称由来はトパーズのようだったから。


アントヒル

アメリカ・アリゾナ州の蟻塚近くに落ちており

蟻が巣をつくる際に

邪魔なガーネットを外に出したという話から、

アントヒルと呼ばれ、クロムが多いパイロープで

その為クロムパイロープと呼ばれることもある。

また元々は確かにアリが運んだのでしょうが

アントヒルはすべてが蟻が運んだものではありません。

ナバホ族居住地に鉱脈があり

商業採掘どころか外部からの

立ち入りに制限があったため

長くよくわかっていませんでしたが

2020年頃?にようやく詳しく調査が行われ

産地がアリゾナ州とニューメキシコ州の

州境にまたがっており最新の物は

アリゾナ州/ニューメキシコ州となっている場合がある。


マラヤ(Malaya)

パイロープ/スペサルティン系統の固溶体で

時折アルマンデインが含まれる場合もあり

色味は幅広かったものの1960年頃の発見当初は

世界的に産出量のあったスペサルティンの一種だろうと

現地の(スワヒリ語の)俗語で

「部族外」という意味のマラヤと呼ばれ、

はずれ扱いの不遇な石だった。

後に単なるスペサルティンではなく固溶体だと分かり

人気が出はじめ流通が加速した。

2000年頃にこの元の意味が蔑称であったために

使わないようにしようという動きが各所で始まり

発見地地名を用いたマヘンゲやウンバなどが使われだし

カラーチェンジ効果や蛍光性がある物が発見され

マラヤ名称が海外で大々的に使用した上に

日本の一部鑑別機関でも2023年頃から鑑別結果に

「マラヤと呼ばれることがある」など正式に使いだした為

昨今また普通に使われるようになっている。

ただし日本以外ではMalaiaという表記に変更したところが多く

日本でも徐々にマライアと言う名称にし始めてはいるが

まだまだ浸透はしていない。


リューコ(Leuco)

無色透明のガーネットの名称で

ほとんどは純粋なグロッシュラーではあるが

純粋なパイロープでも存在はしている。

どちらもリューコ呼び。

ただし幻レベルに珍しいパイロープは

パイロープリューコと呼び分ける事もある。


ツァボライト(Tsavorite)

1970年頃にティファニーが発見地の

ケニア・ツァボ国立公園に因んで命名し

大々的に売り出し人気が加速した、

グロッシュラーのバナジウムと少量のクロム着色の物。

元はコマーシャルネームではあったが

タンザナイト同様広く普及したため

鑑別書にも記載されるほど一般的になり

現在は同組成緑色のグロッシュラー全般に

産地を問わず使われている。


メレラニミント、ミント(Merelani mint)

タンザニア・メレラニ鉱山で発見された

グロシュラーにバナジウムが含まれた変種で

ガーネットはグロッシュラー系統の中で

非常に弱い蛍光性しかないのが通常であるが

この産の物は蛍光性が顕著な上に

パライバトルマリンにも通じるような少し青みを感じる

ミントグリーンカラーで大人気になった。


グリーン(green)

緑色のガーネットの総称で

ツァボもミントもデマンもクロムマリもすべて含み

今ほど簡単に検査が出来なかった頃に

総称で使われており現在はあまり使わない。

もしオールドストック品でグリーン明記の場合は

検査されておらずどの種別か分かってないと思っていい。


レインボー(rainbow)

アンドライト/グロッシュラー系統で

互いの組成の積層で表面に虹色が見える変種。

産地ごとに固溶体比率が変わり

地色が違ってくる。

奈良県天川村の物はグロッシュラー比率が

非常に少ないことも判明している(3~5%程度)


マンダリン(mandarin)

スペサルティン/パイロープに

ごく少量のアルマンディンの混ざった固溶体で

8.5/1.3/0.2程度の比率。

1991年にナミビアで発見され

当初は発見地のナミビア・クネネ川から

クネネスペサルティンとも呼ばれたが

独特のオレンジレッドから

果実のマンダリンオレンジを想起させたため

マンダリンと呼ばれだした。

最初はナミビア産のオレンジカラーのみであったが

最近は他産地でも同様のカラーは

マンダリンと呼ばれることも増えた。

これも固溶体な為マライアと呼んでも問題ない。


カラーチェンジ(collar change)

パイロープ/スペサルティン系統で

緑や青から赤に光源によって色が変わる変種。

本来このカラーチェンジは

通常光寒色から暖色に変わる物だけの名称だが

間違った解釈がされており暖色/暖色、

例として赤から橙など同系統の変化の場合は

カラーシフトと呼ばれる。


ベキリーブルー、ベキリー(BekilyBlue)

マダガスカル・ベキリー地区で

1999年に発見された

存在しないと思われていた青いガーネットで

スペサルティン/パイロープや

パイロープ/スペサルティン系統の固溶体。

最大の特徴は青や緑から光源で色が変わることで

各地から産出しだした今でも

カラーチェンジガーネットの代名詞とも

言われるほど人気が高く

ベキリーと言うだけで通じるほどになっている。

青が代名詞として人気ではあるが緑から変わる物も多い

また他の産地でも青から変わる物は出たものの

ベキリー産以外には名称は使われていない


マリ(Mali)

1994年にマリ共和国で発見された

グロッシュラー/アンドラダイト系統で

黄~黄緑からクロムを含んだ濃い緑までの

色幅のマライアガーネットの一種。

今現在も基本的にマリ共和国産の物のみに

使われている名称ではあるが

語感の響きが近い為マライアの代わりにマリを

同系統固溶体ガーネットの

固有名称にしようという動きもあった。


ウンバ(Unba)

単にウンバライトと呼ばれ

タンザニア・ウンバ渓谷から1970年頃に発見された。

こちらもパイロープ/アルマンディン系統で

少量のスペサルティンを含み

ピンクに近い赤紫系が多く独特の色味が多く感じる。


モザンビーク(Mozambique)

アルマンディン/パイロープ系統で

南アフリカのモザンビーク共和国から産出した

ほぼアルマンディン組成ながら

少量のパイロープが入り

温かみのある濃い赤と言われていた。


ドラゴン(dragon)

2022年に認知されたガーネットで

名称由来はガーネットでは珍しい

強い蛍光が龍の目に見えたかららしい。

パイロープ/スペサルティン系統で

微弱なカラーシフトもあったうえに

ガーネットの蛍光は通常グロシュラー系でしか

見られなかった為に非常に珍しいガーネットではあるが

この名称は賛否両論がおこり

しかも大多数が否の意見で

各ブースで名前が違うという事態になっていた。

しかもドラゴン名称は海外発祥ではあるのだが

説明にマラヤガーネットの変種と大々的に使っており

世界的にマラヤ名称をやめていこうの気風が高まり

徐々にマライア名称も使われだしていた中だったために

否定者が続出したというのもあった。

代替名称は蛍光マライアや

産地からとってリンディガーネットなど多くあり

一定していないため探しにくくなっているのが実情。


その他産地名や果実名、飲料、色名、など

ガーネットは各国から産出があるために

差別化を目的に色んな流通名が

付けられては消えを繰り返しており

定着せずに持ってる本人しか分かってなくて

相手に通じなかったという物も多くあります。

産地名だとラモナ、マサチューセッツ、マヘンゲや

ウィスキー、ブランデー、シャンパンや

グレープ、ラズベリー、チェリーなど

多すぎる為ここまでとしておきます。

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