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クリノヒューマイト

挿絵(By みてみん)

0.28ct

タンザニア産


クリノヒューマイト

Clinohumite

和名:斜ヒューム石

硬度:6.0~6.5

分類/グループ:ネソ珪酸塩鉱物/ヒューマイトグループ(マグネシオヒューマイトサブグループ)

晶系/産状:単斜晶系/粒状、塊状、丸みを帯びた角柱状、

化学組成:(Mg,Fe)9(SiO4)4(F,OH)2

劈開:不明瞭

比重:3.13~3.75

屈折率:1.623~1.728

副屈折率:0.024~0.041

分散度:0.021

蛍光(通常認識):弱い

長波蛍光:なし

短波蛍光:オレンジッシュイエロー

条痕:白

主な色:黄色、黄褐色、茶褐色、赤褐色、極めて稀に白

多色性:強い3色性 帯茶橙色:黄色:無色

発見年:1876年


クリノヒューマイトは最初に発見された際には

別種の鉱物(石灰岩)のインクルージョンとして発見され

非常に小さな物しかなく

宝石にはならないだろうと

永らく注目されることがなかったのですが

凡そ110年後の1983年に

タジキスタン付近で

ようやく宝石品質の物が見つかり

最大のファセットルースで

84.23ctにもなるほど大きな結晶があり

界隈をざわつかせることとなった。

ただ後で詳しく説明しますが

同種の鉱物の違いが成分分析など

細かい検査をしないと判別が難しく

なおかつ色みが暖色系のものしかなく

特に多いのが黄色の物だったため

日本ではあまり黄色の石が好まれない傾向があるため

日本では見ることが少なく

知る人ぞ知るといった石となっていた。

ようやく2000年頃になって

褐色を噛んではいるが赤色系のものも見つかり

じわじわと人気が出始め

日本でもレアストーンとしてちらほら見かけるようになってきた。


クリノヒューマイトは

ヒューマイトグループに属しており

まずサブグループとして

マグネシオヒューマイトサブグループ

マンガノヒューマイトサブグループ

リューコフェニサイトサブグループ

上記三つに分かれ

その内のマグネシオヒューマイトサブグループに

ヒューマイト(Humite)

(Mg,Fe)7(SiO4)3(F,OH)2

クリノヒューマイト(Clinohumite)

(Mg,Fe)9(SiO4)4(F,OH)2

コンドロダイト(Chondrodite)

(Mg,Fe,Ti)5(SiO4)2(F,OH,O)4

ノルベルジャイト(Norbergite)

Mg3SiO4(F,OH)2

の四つが属しており

見ての通り組成も似通っているうえに

結晶自体も色も形もそっくりだったため

細かく判明したのは20世紀も半ばと

発見からおおよそ100年近く

混同されていた石となります。

それぞれの違いは

マグネシウム量と

フッ素と水酸基の比率、

あとは結晶形の違いの3点で見分けることになり

どれも簡単には見分けがつかない。

ヒューマイト

斜方晶系、F:OH=1:1.5

クリノヒューマイト

単斜晶系、F:OH=1:1

コンドロダイト

単斜晶系 F:OH=2:1

ノルベルジャイト

斜方晶系 F:OH=3:1


ただどれもが大きな結晶になりにくい為に

ルースとなると

一気に難易度が跳ね上がってしまい

全て集めるのは非常に困難

特にノルベルジャイトは鉱物標本でさえ

滅多に産出しない為

ルースは私は見たことがありません。

(知人が見たことあるそうですが)


さて話を戻してクリノヒューマイトですが

どこの産地であってもインクルージョンが入りやすく

大きな結晶も出にくい為に

ルースの数はさほどなかったのですが

昨今のレアストーン人気の為に

ミネラルショーに行きくまなく探せば

1か所は置いているところがあるような状況で

昔に比べて入手が容易になったように感じます。

色あいとしては世界的に見れば

圧倒的にイエロー系やオレンジ系が多く

人気もあるため多いのですが

日本に限って言えば黄色があまり好まれない為か

赤系統の方が多く目にする気がします。


主なルースになりえる産地は

タジキスタン、ミャンマー・モゴック、

アフガニスタン、タンザニア、中国など

鉱物としてなら

カナダ、アメリカ、ブラジル、イタリア、

スペイン、ロシア、ベトナムなど

そして日本でも見つかったことがあり

1934年に長崎で見つかったのを皮切りに

神奈川、茨木、岩手、富山、福島、北海道、

岐阜、石川、三重、愛媛、滋賀、和歌山、山口

各所で発見報告がある。

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